2020年06月09日

映画館に人が足を運ぶ日常を取り戻すために

2020年6月12日(金)~18日(木) 15:30~18:00 スクリーン5
となります。

映画「セブンガールズ」の作品寄付を呼び掛けてご連絡をいただいたいくつかの映画館の最初の映画館となりました。
4月7日から都市部で、16日からは全国での緊急事態宣言がありました。
即時出来る事を検討して、10日に発表させていただいた企画でした。
もちろん今も9月までの上映していただける映画館がございましたら、全ての興行収入を寄付いたします。

緊急事態宣言が出るその前後から多くの映画館がやむなく営業を停止しておりました。
同時に多くの皆様がご存知のようにステイホーム週間と称して、家に閉じこもることとなりました。
多くのインディーズムービーがステイホームに向けての、有償無償の配信を計画したり基金が設立されたり様々な動きがございました。
僕は多くの映画館の支配人さんの悲痛な声を読み、聞き、この作品で出来ることは何だろう?と考えました。
もちろん、配信についても検討をしたり、他の方法も出来ることがあると思っていました。
或いは、ここで配信は出来ないか?とのお問合せもわずかですが頂いておりました。

その経緯の中で、映画「セブンガールズ」がとても足回りが軽いのだとわかりました。
まだソフト化もしておらず、特定の配信業者とも契約をしていない。
あるのは上映の権利だけという状況。配給の権利については話し合えばいい。
そして近作でもあり、まだ多くの地域では上映をしていないということもあります。
そして何よりも大きいのはこの作品はクラウドファンディングで製作された映画であり、制作費のマイナス分はその後の興行で既にペイしているという状態もありました。
つまり誰にも大きな迷惑をかけることなく、作品の寄付ということが出来るという事です。
現実には多くの配給会社、制作会社も、現在、映画館同様に厳しい状況にあり、単独での製作でソフト化の予定がない作品というのは限られているのだと思います。
もしかしたら、偶然にも似たような条件が整った作品があれば、ぜひ共に歩めたら嬉しいなぁと思っていました。

多くの映画館の支配人の皆様の声はいくつかの問題がありました。
・現実に映画館を維持する経済的な体力
・多くの作品が公開延期となっている状況
・この事態が収束した後に映画館に足を運んでくれるかどうか
基金などが埋めることのできる部分は出来る協力をしてそれ以外にこの作品が出来る事は何かと考えました。
まず作品不足であるという状況、そして映画館に足を運んでもらいたいという事でした。
特に多くの配信業者の登録人数がステイホーム期間に激増したと報道されているように。
ネット配信で映画を観るという事に慣れてしまえば、事態終息後も経営危機になるという言葉は胸に響きました。
それが4月に考えていた事です。
そして、緊急事態宣言が解除されました。

想像はしていましたけれど、想像以上の状況に驚いています。
ほとんどの映画館は、座席間隔を空けて、満席でも半数以下。
更に時短営業により、1日に上映出来る回数も作品数も限られている。
大作はそのほとんどが公開延期を選んでいる。
あべのアポロシネマさんも、5月29日にようやく営業再開、座席を2席空けての普段の3分の1の動員での再開です。
しかも、あべのアポロシネマさんのラインナップを見て驚きました。
シネコンなのに最新作品があまりにもない状況。
緊急事態宣言前に新宿のTOHOシネマズでE.T.をやっていた!なんてTweetで見かけましたけれど。
これでは、映画館離れが加速してしまうのではないかと驚きました。

上映に至るまで色々と諸問題がありましたが、ご担当者様が色々と奔走してくださって上映が決定しました。
はじめは緊急事態宣言解除と同時にという可能性もあったのです。
今週の金曜日からというのはかなりギリギリの発表になってしまいました。
そんなに急に予定は組めないという方もいらっしゃると思いますがご容赦ください。

映画館を本当に救うのは。
いや、配給会社も、制作会社も、全ての映画産業を本当に経済的に救うとしたら。
結局は、映画館に人が足を運ぶ日常を取り戻すこと以外にあり得ないと思います。
国や自治体からの助成や、基金など、その時だけを乗り越えることも重要だと理解しています。
けれど恒久的に考えるのであれば、映画館って楽しいよねという感覚を多くの皆様が思い出すことが第一歩だと思います。
映画「セブンガールズ」をご覧いただければ、映画を楽しみながら映画館に寄付が出来ます。
出来れば、映画館でジュースを飲んだり、グッズを買ったりしてくれたらもっと楽しいし良いと思います。
そして、出来ればロビーをぐるっと一回りして欲しいです。
近日上映する作品がそこを歩けばわかると思います。
セブンガールズがきっかけになって、その次の作品を選んでくださったら。
なんと嬉しい事かと思います。

他にご連絡をいただきました映画館はもちろんですが。
その他の映画館様にもいつでもご連絡を戴けたら嬉しいです。
この作品が今欲しいものは、金銭ではなく、より多くの観てくださった人々なのです。
だから上映さえしていただけるのであれば、それ以上の何かは求めません。

微力ではありますが。
ほんの少しだけでも、映画館に人が足を運ぶきっかけになったら。
そう願ってやみません。

あの暗闇の中、光が射して、スクリーンが灯る。
まるで夢の中のように没頭をして。
映画館を出た時に、少しだけ世界が違ってみえる。
そんな体感を今一度取り戻すために。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 18:56| Comment(0) | 夢の彼方に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月03日

映画「セブンガールズ」メイキングドキュメンタリー公開

クラウドファンディングのリターン用に製作したメイキング映像を有料ですが公開いたしました。


映画「セブンガールズ」メイキングドキュメンタリー from Zenpoukouenfun on Vimeo.

もしも映画化が実現したら!
そういうお約束で手の空いた役者たちがカメラを回しました。
その数多い映像を編集したものになります。

元々は、ちゃんと音楽を入れてナレーションを入れて。
いわゆるドキュメンタリー番組のように言葉のメッセージもいれる予定でした。
編集を始めてしばらくして、いや、もうこれは生のそのままを並べただけの方が良い。
そう思っていきました。

冒頭のシーン。
これは初めてスクリーン上にセブンガールズが上映された試写会での舞台挨拶です。
この映像を編集している時に。
木佐役の安藤聖の撮影した映像と、サンギ役の高橋2号の撮影した映像の2種類のカット割りをしていて。
舞台上でキラキラと踊っているガールズたちを観ながら。
ああ、これだな。
これがセブンガールズだし、これ以上の説得力なんかあるわけないなと思ったのです。
多分、言葉で説明したところでたかが知れているなと。

皆で創った。
皆で協力して。
カメラの前に立つ役者と、カメラの外にいる役者と。
映画製作に立ち向かった。
ただその映像だけで良い。
そう思いました。

この数倍以上の映像の中から、切り取り、全体の時間を計算しながら。
皆で創ってきたこと、そして皆でこのメイキングの撮影も同時にしていたこと。
何度も何度も思い返しました。
少しあの日の映像だけ長すぎるかな?なんてところもあるけれど。
まだ本当に完成するのかも、ましてや公開されるかどうかもわからなかったあの日々を。
なるべくピュアなまま残るように編集をしたつもりです。

クラウドファンディングの皆様にはもちろん事前に連絡を致しました。
皆様は権利としてダウンロードできるようにしてあったのですが、今回の公開ではレンタルという形にしました。
無償公開やダウンロード可能な販売形式は、支援してくださった皆様のものとさせていただきました。
どうかご了解ください。
売上は全て劇団の運営費に回します。

役者たちにはクラウドファンディングリターン時にすでに公開してあります。
これを観るとカレーを食べたくなっちゃうのだそうです。
あの寒い中、皆で肩を寄せ合って食べたカレーの味は今も強烈に記憶に残ったままです。

ここには物語はありません。
ただ夢のような何かを、雲のようなふわふわとした何かを。
現実に掴んでみようともがいて。
同時にそれを楽しもうとしていた姿が残っています。
世の中にあるドキュメンタリーの中でも決して面白い作品ではないと思います。
起承転結も何もない。
面白さではなくて、普通にバカみたいな夢を当たり前だと思ってる愚かな人たちが映っています。
だから皆様が無理に観ていただく必要はないのです。

ただただ。
映画「セブンガールズ」を観ていただいた皆様の中で。
ご興味のある人がご覧になっていただけたらと思いました。
そして、なぜあのような奇跡の作品が生まれたのか。
その一端だけでも感じていただけたら嬉しいです。

かつて体験していないような未曽有の疫病蔓延の中。
何もかも消毒しろと言われ。
親しい人でも会うべきではないと禁じられ。
海を観に行くことすら禁じられ。
自分も感染していると思え、誰が感染しているかわからないと思え。
そこにあるものにウイルスがいると思え。
何もかも疑えと、まるで何かに強要されるような日々です。
そんな中、僕は未来を信じていた日々のこの映像を公開しようと思いました。
だって、今、何よりも僕が欲しいのは「信じる」ことだからです。

信じてください。
必ず皆様の前に帰ってくる日を。

posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 01:50| Comment(0) | 夢の彼方に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月08日

僕達はいつだって奇跡を待っている。

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緊急事態宣言に伴い多くの映画館が休館になった。
宣言された一都六県から映画館がなくなった。

4月11日に予定されていた秋葉原UDXシアターでの映画「セブンガールズ」ドリパス復活上映も中止となった。

新型コロナウイルスの蔓延という状況下、僕はこの映画の復活上映の宣伝をしなかった。
それは皆様に愛され、投票によるランキング入りという性格上、
遠方から来てくださる可能性もあり、お客様に少しでも危険があるなら避けたいと思っていたからだ。
いつもならば来て欲しいと大きく宣伝を重ねているのに。
ただただ毎日を過ごすことしか出来なかった。
楽しみにしていてくださった皆様には頭を下げる事しか出来ない。

映画「セブンガールズ」はそれ自体が奇跡だと思っている。
全国的には無名の俳優、無名の監督。
劇団の代表作を自分たちで映画化したインディーズムービー。
そんな映画が、1館一週間の上映のみの予定が全国10館以上に広がり、
TOHOシネマズ主催のドリパスで、インディーズムービーとしては異例の3度ものランキング入り。
今も多くの皆様に復活上映を望まれている。
幸せこの上ない作品だと思う。

そんな作品が世に出たのは、ミニシアターという文化があったからこそだ。
大手のシネコンしかない世界であったらきっとこの映画が世に出ることはなかった。
そして上映していただいた各映画館さんはどこも暖かくて、素晴らしい映画館ばかりだった。

今、そのミニシアターが苦しんでいる。
新型コロナウイルスの蔓延が始まってからの自粛ムードで、映画館の観客動員は9割も落ちたという。
その上、今回の緊急事態宣言での休館。
現時点では政府からの補償については詳細が発表されない状況。
このままでは全国のミニシアターが閉館の危機になるという。
映画文化を絶やしてはいけないと、#SaveTheCinemaという運動も始まった。
他にも多くの活動があって、入江悠監督や映画媒体がまとめてくださっている。

savethecinema_logo.jpg

映画「セブンガールズ」を世に出してくれたミニシアターという文化に何か恩返しをしたいと思っている。
署名だけではなくて、もっと僕たちだけに出来る事を。
元々、クラウドファンディングで多くの皆様の支援で始まったこの映画だからこそ。
今度は映画から支援を出来るんじゃないかと思う。
いや、しなくてはいけないんじゃないかと考えている。

僕は、セブンガールズ映画化実行委員会の実行委員長として今日、企画書をまとめた。
そしてこれまで上映してくださった映画館様、わかる範囲の全国のミニシアター様にメールを送った。
大して大きな力になれるかはわからないけれど、少しでも恩返しになればと思っているのだけれど。
もしかしたらメールの返信などほとんど来ないかもしれない。
それでもいいと思っている。
とにかく、今、出来る事を一つずつやっていくことだ。

今の状況を戦時下に例える人がいる。
僕は戦時下だとは思わない。
まったく冗談としても笑えない。
そもそも戦時下を知っている世代なんてほとんどいないじゃないか。
明らかに現代は平和の時代であり、ウイルスと戦うわけではない。

「皆で支え合って生きていく」

映画「セブンガールズ」のテーマだ。
奇しくも、風邪が恐怖となる場面まで描かれている映画だ。

僕達は戦うべきじゃない。
「生きていく」べきだと思う。
いや、生きる事こそ戦いで、戦争なんかじゃないということだ。
今、どうやって生きていくかを問われているのだと思う。
そして生きていくには、映画や音楽や演劇は必要なもので。
生きていくには、夢や未来や希望や光が絶対に必要なのだと改めて考えている。

僕にできる最大の事。
連絡が出来ていないミニシアター様もあるけれど。
全国に届きますように。

あの女たちの歌声が今こそ必要なのだと固く信じております。
「戦争が終わってから、女たちは戦った」というキャッチコピーのように。
「この蔓延が終わってから、セブンガールズは戦う」そう思っています。

応援してくださった皆様に。
またスクリーンで出会えることを願っております。
皆様に甘えることなく、僕の出来る事をやっていきます。

それは未来へと繋がる道です。

セブンガールズ映画化実行委員会
実行委員長 兼 成瀬凛太朗役
小野寺隆一
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:12| Comment(0) | 夢の彼方に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする