2017年04月16日

再MAと走馬灯

前回、劇伴の全体的なエンベローブのみで終わった作業。
1から整音して、再MAに入る。
整えられた音も、もちろん、MAしやすいようにトラック整理してある。
とは言え、時間がかかることは、予想していた。
1シーンずつ、やっていくのだから、当然、そうなるし、こだわれば、どこまでだって出来る作業。
まさか、それが、てっぺんを越えるとまでは思ってもいなかったけれど。

まるで走馬灯のような作業だった。
1シーン目から、撮影日を思い出し、2シーン目にはそこを編集した日を思い出した。
エディットのKORNさんも、音楽監督も耳に集中していたけれど。
おいらの頭の中に流れるのは、今までの作業工程の日々だった。
撮影したのははるか半年前。そこを編集したのも5か月前だ。
色の調整が先月で、整音が先週。
前半部分は、常に作業工程の最初だから、どこの工程でも苦労をした。
近々の整音作業でも、とても、苦労した。
やはり、MAでも、同じように苦労することになる。

そして、そのシーンの作業中に、ああ、今日は時間がかかるぞと覚悟する。
モニタ音量を抑えて、全体の音を確認していく。
音楽が流れる場所も、映像の中で役者が振り返るタイミングさえ、頭に入っている。
監督が、ここで、こんな効果音が追加したいなぁと言えば、すぐに頭に思い浮かぶ。
立ち上げた自分のPCで、そのシーンを出して、その場でKORNさんにタイムコードを伝える。
タイムを打ち込めばすぐに、その音声にアクセスできる。
同じ音でも、イコライジングとかタイミング、アタックを変化させれば別の音になる。

MA中に出ている映像は、作業効率を考えて、高圧縮した映像をリンクさせていた。
だから、実際の映像よりもずっと画質が落ちている。
色味や映像を確認したいときは、すぐにそのタイムコードをうちこんで、映像の確認をする。
音声的に、修正作業をしている間に、ヘッドフォンで整音後の2mixを確認する。
実際に、大きく出したときはどう聞こえるのか、なども、ヘッドフォンで確認する。
意外に、神経が擦り減っていく。
音楽監督は、ヘッドフォンで確認している。

休憩に入ると、思い思いの行動に。
前回MA時に来てくれたメンバーが用事があるとのことだったので、織田を呼ぶ。
スタジオ作業においらが行くとなれば、やはりいてくれるだけで心強い。
前回は予想以上に、色々な作業が必要になって、活躍したけれど、今日は何もすることがなかった。
何もすることがないから申し訳ないなぁと一瞬思ったのだけれど、観ると、真剣に作業を観ている。
音楽畑にいたから、音関連の作業は、他のメンバーよりも数倍、意味が分かるのだ。
当然、細かい作業部分までは、どんなことをしているのかもわからないけれど。
音の変化は当然わかるし、当然、役者だから芝居もわかる。
監督も、他のスタッフも、反応しなかった芝居にも反応をする。
恐らくお客様も含めて、誰も気づかないようなことだけど、演者だけは気が付くようなのもあるのだ。
そう、それ、あるよね。と、視線を交わす。

電車の時間を考えればテンポアップしなくちゃいけないシーンに差し掛かるけれど。
そこで、作業を止めることもなく、細かく細かくやっていく。
前回の作業のように、どこにどの音声があるか探したりすることもなく、その場で変更が出来るから、どんどん手を入れられる。
前回のMA時には、出来なかったような細かいセリフ一つ一つの確認までしているのだ。

織田さんは覚悟して、監督も音楽監督も、車で家まで送りますよと言ってくれる。
それは、申し訳ないと、思いつつも、だから作業をもっと早くしようとは言えない。
前回のように電車の時間を気にして、精神的にギリギリで作業する数段、精神的に楽になる。
時間がない、やばい、と思いながらの作業は、良い結果を生むことはないからだ。
その上で、電車に間に合えばいいのだけれどと思っていたけれど・・・。

気付けば電車の時間も終わり、てっぺんを越え、25時すぎに作業アップ。
最初のシーンから最後のシーンまで、全てやり切った。

織田さんの車で、サタデーナイトドライビング。
なんだか、20代の前半を思い出す。
馬鹿話をして、笑いながら、車は進む。
トオルさんが車を降りて、移動していると、ナビ通りに進んで、なんと、あのロケ地の前を通った。
ちょっとした偶然は、まるで、作業が終わるよと、教えてくれるようだった。

おいらの家のそばのコンビニの駐車場で降ろしてもらう。
軽くドリンクを買って、喫煙所で少しだけ話す。
途中で遭遇した、まるきり40年前と変わらない暴走単車の話をする。
土曜の夜を走れば、いくつになっても、男は、どこか少年のような気分になる。
織田さんに、感謝を伝えると同時に。
監督を降ろして一人になってからの運転だけは注意してほしいと伝える。

そして、最後に、翌日の稽古の話を伝えた。

帰宅すると気絶したように眠ってしまった。
前日の夜の準備からロクに寝てないのに。
そのまま布団で寝なかったのは、厳しいな。
まぁ、仕方がない。

目が覚めると、不思議な気分だった。
本当に、全ての作業の走馬灯を観ているような。
そんな一日だった。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 10:43| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月15日

再M.A.前夜

さて、明日のM.A.前夜。
時間についてなどなど簡単に連絡。
監督に関しては任せているから大丈夫だろう。

M.A.の準備で、気になるところのタイムコードを書き出しておこうと思っていたのだけれど。
他の準備に追われて、結局、出来なかった・・・。
まぁ、昨日も通しで観ているので、おいらのPCも立ち上げておけば、大丈夫。
気になるところは既に分かっている。

それよりも、明日のM.Aの時に、出す映像の書き出し前の調整に時間を取られる。
もちろん、完全じゃないけれど、テロップも入れ込んでいく。
前回、外付けHDDのスピード問題か、もしくは、ファイルの大きさ問題で、映像遅延があった。
そうならないためにはどうしたらいいか、色々調べた。
Protoolsのリファレンスでは、H.264だと遅延が発生する可能性があるとは書かれている。
デコードにマシンパワーが持っていかれるのかもしれない。
おすすめは、当然だけれど、Avid社のコーデックだった。
ベストは両方の映像を書き出すことだけれど、流石に一晩では無理なので。
テロップはないけれど、事前に書き出しておいた。
ただし、そちらは、100GBもあるので、外付けでは厳しいだろう。
結局、H.264の軽いヴァージョンにした方がすんなりいくだろうと判断。
まぁ、内蔵HDDに移せるなら、Avid社にすれば良い。
もしくは、サンダーボルト経由のHDDなどなら、なんとかなるかもだ。

明日は、自分のPCも開いて、台本を片手に、タイムコードを出しながらの作業になるだろう。
整音時、整音後の2mixと、何度も見ているから、すぐにTCなら出てくる。
Protoolsで探してもらいながらでは時間ばかりかかる。
・・・とは言え、やっぱり、頭のシーンから続けていくだろうから、結局、全シーンになるのだけれど。

今、思えば、何人か役者を誘うんだった。
特にアフレコを後から、数多くした役者。
来てくれたら、いくつか、修正出来るかもしれない。
まぁ、そんな時間ない可能性もあるから、呼ぶのも気が引けるけれど。
でも、少しでも良くしたいと、皆も思っているだろうから。
声だけでも欠けた方が良かったのかなぁ。

さて、明日も、精神的にも、耳も披露するだろう。
前回同様、終われば、へとへとになっているのは目に見えている。

少しでも寝ておかなくちゃだな。

げげ。
書き出し、失敗した!このタイミングで・・・

まぢっすか・・・。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:00| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月14日

文化を育てる人

カンヌ映画祭のコンペティション部門の招待作品の発表があった。
電車の中で思い出して、発表会の生放送をネット再生してみると、全てフランス語。
何を言っているかわからないなりに、日本人監督の名前は全て聞き取れた。
去年はいなかったコンペティション部門に日本人監督の名前が呼ばれた。

違和感を感じたのはその後だ。
主要な映画ニュースサイトなどは基本的に、フォローしているのだけれど。
発表をしても、どこも報道しなかった。
それどころか、他の映画のプロモーション的な記事がアップされたりする。
ノミネートぐらいでは、速報すら出さないのか・・・と、なんか、少しガッカリした。
今、ようやくYahoo!ニュースのエンタメの映画の欄に、ニュースを確認
発表から4時間以上経過してからのニュースだ。
何時間も経ってからの記事で、英語やフランス語のニュースとはものすごい時差がある。
思えば、ベルリンもそうだったし、余りこういうことは報道されないようだ。
同時に資本の入った、動員しなくてはいけない映画会社の映画はどんどん宣伝していく。
主要と思っていた映画サイトも、考えてみれば、映画会社とドップリに決まっている。
それが仕事だし、そうやって、宣伝と広告と読者数とで、運営しているのだから。
別に誰が悪いわけでもなく、一般の人が興味を持っていない、持ってもらえないことが問題なのかもしれない。
それでもやっぱり、海外の映画ニュースとの温度差については、ちゃんと考えた方がいいと思う。
文化には国境がないし、世界と言う基準があるのだから、そこは常に報道するべきだと思うなぁ。

それとも、最後に言っていた、追加作品が発表されてからのつもりなのかなぁ?
どうやら、今日の発表後、明日か明後日に追加作品が2~3作品あるようなことを最後に言っていた。
全作品がそろい踏みじゃないから、速報していないのかな?
でも、海外で日本人の映画が高い評価を受けているのだから、もっともっと、盛り上げた方が良いと思う。
映画界全体で、盛り上げちゃった方が、きっと、最終的には日本映画界全体にとって得になるのにな。
おいらだって、自分で映画を製作していなければ、発表なんか見ないけれどさ。
でも、やっぱり、速報を出すとか、○○作品ノミネート!とか、毎年やってほしいな。

帰宅すると、KORNさんから連絡。
整音データを開いて、確認していた模様。
全体について、色々と確認が来る。
なるほど。
全体的に音量が低いようだった。
そのままレベルを上げれば良さそうなものだけれど。
もし、今の音声データの音量差が激しくあった場合、持ち上げれば、大きな音声は当然歪んでしまう。
同時に、小さな音声に重なっているノイズが、想像以上に大きくなったりすることもある。

ただ、確かにコンチャンがミックスしやすいようにまとめておくから。
そう言っていたのを思い出す。
だから、恐らく、全体的に音声を持ち上げられるぐらいの余裕はあるはずだ。
ギリギリの大きさで整音してしまえば、それこそ、そのあとのミックスでは音をつぶさないと大きくできない。
エフェクトをかける可能性もあるのだから、そこまで計算していると思われる。
だから、それを見越してのデータになっているはずだ。
全体の音声が平均化されて、整えるまでは確かにやってある。

一応、確認のために、PCとテレビをHDMIで接続した。
テレビのチャンネルを、日本映画チャンネルに合わせて、PCから再生データをテレビに飛ばす。
その状態で、入力切替でのザッピングをしてみた。
たしかに、放送で流れる音声と比較しても、全体的に音が小さい。
(いや、触っていない音楽だけは、そこまで小さいと感じなかったけれど)
同時にテレビのスピーカーだと、驚くほど、低音がなくなって、高音も削られてペラペラになる。
とある曲なんか、肝心のメロディだけ聴こえなくて驚いた。
そういえば、カラコレ後に、テレビで映像を見るのも初めてだったので、結局、最後まで観てしまった。

今日、印刷物を入稿したかったのだけれど。
その時間は、ないか・・・?
色々とギリギリだなぁ。もう。
まぁ、焦るな、焦るな。
大丈夫。大丈夫。
まずは0415のMAだし、印刷物もなんとかするさ。

例年通りなら約一週間後に、カンヌ同時開催の、監督週間部門や、批評家部門の発表があるはずだ。
そちらには、僭越ながら、お声をかけさせていただいている。
名前が呼ばれたら、素敵だなぁと、本気で思う。
・・・というか、もう、毎日、天に願ってしまう。
本当に、どんな大学に入学するよりも、厳しい競争率なわけで。
そして、そう思っている人が世界中にいて、素晴らしい作品がきっとやまほどあるわけだから。
まぁ、ミラクルなのだけれど。
しかも、編集途中での提出だったんだもんなぁ。
けれど、何度も、ミラクルなら、この映画で目にしてきたもの。
わずかでも、可能性があるのであれば、出来ると、おいらだけは信じたい。
そうじゃなきゃ、この作品がかわいそうだもの。
そういうポテンシャルのある映画だよと、作品に言ってやらないと。

きっとさ。
報道もされないよ。コンペティション部門ですら、こうなのだから。
けれど、そんなのは関係ないもんね。ぜんぜん。
一人でも多くの人がこの映画を楽しむ機会が、増えれば、それが一番うれしいのだから。
例えそれが地球の裏側に住む人たちだとしてもだ。

おいらなんかが知らない世界で活躍する日本人ってきっとたくさんいるんだね。
どういうわけか、世界的評価をされても、あまりおいらたちが知ることはない。
実際、演劇で世界に渡っても、誰も知らないもんね。
精々、イチロー選手や、本田選手ぐらいしか、報道しないもん。
日本国内での話題になる場合以外は、あまり知られることはないもんなぁ。
なになにちゃんが、台湾のライブで満員だった!とかね。そういうのだけは報道する。
でもきっと、視聴者の求めることは・・・って言うんだろうな。
まぁ、不倫の方が、身近に楽しめるから、それを報道しているだけなのだろうけれど。
おいらは、不倫なんかより、圧倒的にそういうことを知りたいんだけれどな。
誰が悪いとかじゃないけれど。
誰かが、意思を持って、そういうことをしなくちゃいけないんじゃないかって思う。

憧れることもが出るかもしれないしさ。

明日はチェックシートを作らなくちゃだな。
明後日はMAだ。
その為のタイムコードの書き出しだ。
きっと、皆、そんなことをやってきた。
そうやって、あそこで、ノミネートされたんだ。
そういう努力の上で、映画を皆、発表している。きっと。
敬意を表したいなぁ。
記念となる70回目のカンヌ映画祭に選ばれた名監督たちに。
選ばれるだけで、拍手を送りたい気分だ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:34| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする