2017年10月17日

表裏一体

冷たい雨の日が続く。
雨が冷たいから気温が下がるのか。
気温が寒いから雨が冷たくなるのか。
どっちなのかもわからないし、相乗効果なのかもしれない。

去年の今日は搬入二日目。
平台を取りに行って基礎舞台を創り、玄関扉をスムーズに動くようにしてもらって。
次の日には美術さんが来るから、すぐに装飾関係に移れるまで追い込んだ。
夕方、後ろ髪引かれる織田に、真鍋礼市さんのお通夜に向かうように言った日だ。
女優たちは最後に稽古をという事でいなかったんだよな。
ちなみに、おととしの今日は、舞台「セブンガールズ」の公演期間中だったりする。
なんというか、繋がっているなぁと感じるのは気のせいだろうか?

凄い大変だったことが。
後から思い出すと、とても楽しかったというのはよくあることだ。
当人は、やることが多すぎて、楽しんでいるという感覚がリアルタイムでは持てない。
むしろ、記憶があいまいになっているぐらい集中していたりもする。
そういうことはきっと誰にでもあって、仕事でもいいし、学生時代の部活でもいい。
でも、後から楽しかったって思い出せるという事は、やっぱり楽しんでいたんだと思う。
人間はつらかったことを忘れるように出来ているからなんて野暮なことを言う人もいるけれど。
だとしたら、全部忘れるはずだもんね。

公演だって、撮影だって、ライブだって。
大変じゃなかったことなんかないけれど、やっぱり、楽しかったことを覚えている。
全部、今になって思えばなのかもしれないけれど。

今、ふつふつと、脳内で考えていることがあって。
それを提案できるところまで、ちょっと、自分の中で熟成させている。
でも、思いつくことは、どれもこれも大変なこと。
やっぱり、リアルタイムで楽しいなんて思えるのはなかなか大変なことだ。

演者はね。
どんなに大変でもさ。
演じる場に立った瞬間から楽しめるんだけどさ。
舞台でも、本番になった瞬間に楽しくて仕方がないし。
撮影でも、本番になった瞬間に楽しくて仕方がなかった。
でも、本番はあっという間で。
稽古や準備期間の方がいつだって圧倒的に長いんだ。

でも。
大変でも。
楽しいんだよなぁ~。たぶん。
自分を追い込むようなことだとしても。
自分たちを追い込むようなことだとしても。

楽しいから、厳しいのか。
厳しいから、楽しいのか。
それとも、その両方で、相乗効果なのか。
冷たい雨なら教えてくれるかな?
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:03| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月16日

冷たい雨の記憶

稽古日。それでも稽古は続く。
19年、毎週日曜日は稽古。
連休中であろうが、震災が起きようが通い続けている。

20周年公演について少し話す。
どんなことがしたいか、どんなことが出来るか、意見がそれぞれ。
それでいい。
ここから、20周年に向かう自分の思いをもう一度考えた方が良い。
実務的な部分、現実的な部分、色々とあるけれど、まずは思いなのじゃないだろうか?
20年間と言う期間、それまで応援してくださったお客様へ何が出来るか。
これから何をしていくかも含めてだけれど。
まずは、自分たちがどんな思いを届けられるのかが基礎のように思う。
その思いがなければ、企画は実は、形だけになってしまうから。

先日の台本を男女逆で演じる。
同じ台本でも、反対になっただけで風景が変わる。
明らかにここで一度、緊張感のピークを創らなければいけないという台本。
詰め寄る側と、詰め寄られる側。
台本は同じでも、リアクションは全く違う。
当然、組み立てから違う。
緊張と弛緩は、どちらの役も同時に発動するはずなのに。
緊張に向かう経緯も、弛緩する意図もまるで変わる。
それを肉体的に体感するだけでも、台本の理解度が深まっていく。

雨の中、稽古に向かったのに。
稽古が終わっても、雨はやんでいなかった。
何人かで酒を飲む。

ライブの話、今週あったこと、今日の稽古。
どの話にもどこか共通していることがある。

わかってんなぁとか。
わかってないなぁとか。
言葉に出来ない部分。
そういうことを大事にしたいと、最近はより強く思うようになった。
表面的に見えるようなことではなくて、その奥のこと。
さすが、わかってるよな。
そんな言葉が連鎖した先に、面白いことが見えてくるから。

飲み屋を出ると、相変わらず雨。
この雨は何?と聞かれたから。
秋雨でしょ?と答えた。
これ、本当に秋雨か?って聞かれた。
言われてみれば、冬の雨のような匂い。

あの撮影日にも降っていた。

皆は覚えているのかな?
一年前の10月15日から、おいらたちはセットの設営に入ったんだ。
まだ何も装飾されていない場所に、終戦直後の裏町とパンパン小屋を創ったんだ。
スタッフさんの誰もが驚いて、ため息をつくような、大道具を自分たちで創った。
あの日から、一年だ。

わかってるよなぁ。
わかってないよなぁ。

もう一度胸に手を当てて。
全ての人たちへの感謝の思いを、思い返すように。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:04| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

ありがとうは残響のように

海の向こうで誰かが死んだってさ。
その人生に、その生きざまに、そのあっけなさに脱力する。
生きることの無意味さや虚しさが、ひゅるると風のように吹く。

いつかすれ違ったあいつが死んだってさ。
その瞬間を思い出して、その笑顔を思い出して。
そいつの顔を思い出して、そいつの声を思い出して。

憧れていたあの人が死んだってさ。
目標だったのに。もっともっと観ていたかったのに。
抽斗を開けて、集めてきた宝物を取り出す。

青春を共にした仲間が死んだってさ。
とっくに喪っていたはずの時間の喪失があからさまになって。
自分を構成するいくつものことが、あの日々にあったと気付いて。
涙が自然と零れ落ちて。

血を分けた家族が死んだってさ。
生まれてから今日までの全ての人生にあなたがいたことに感謝して。
当たり前の日常が変化してしまうことに戸惑って。
隙を見せれば、泣いてしまう弱い自分に気付いて。

愛している人が死んだってさ。
あなたは私の全てで。あなたのいない世界に取り残される残酷さに耐えられなくて。
世界が終わりを迎えるような、たった一歩先すら見えなくなって。
泣き疲れて、眠ることだけが、救いになって。

自分もいつか死ぬんだってさ。
誰かが泣いてくれるかな?
誰かが覚えていてくれるかな?
なんにもなくなっちゃうのかな?

たった一人の人生が、たくさんの思いを生んで。
距離の違いも、関係の深さもあるけれど。
でも多分、思いには序列なんかない。
あいつも、こいつも、自分も、同じように悲しい。
心が切り刻まれるようなやつもいれば、心に風が吹くやつもいるけれど。
涙の量にも違いはあるけれど。
やっぱり、同じように切ない。
同じように、どうしょうもないのさ。

序列なんかないけれど。
右の奴も左の奴も。
言葉を交わさなくても、目を合わせただけでも。
胸にいるあなたを思っているってわかったから。
ラストの曲で、たったの4小節だけだけど、あなたのソロパートを用意したよ。
最初のライブでゲストで出たあなたが弾いたところさ。
右の奴も左の奴も聞こえていたはずさ。
あなたのギターが。
君のギターが聴こえても、君はどこにもいやしない。

たぶんそれは、「ありがとう」

悲しいことも、涙も、全部。
それを乗り越えて、小さく笑って。
「ありがとう」だけが残って。
誰も気づかないうちに世界を覆うんだ。
そうやって、少しずつ世界は良くなっていく。

それだけが今は大事さ。
映画も音楽も舞台も全部。
「ありがとう」を広げるためにやってんだい。

雨はいつやむのかな?
秋雨に予定を聞くなんて、野暮だなあ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 05:06| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする