2018年09月29日

公開日

舞台の台本が監督から届く。
もちろん、ここから修正が必要だけれど。
いつもの形式にして、印刷する担当に必要なページを出力して転送する。
公開後に監督に台本を書いてもらうのは酷だと思っていた。
改修が必要とは言え、安堵する。

それぞれのカウントダウンがクライマックスを迎えた。
10から見ていくと、ストーリー性すらある。
何人もの出演者が、写真の加工方法を調べたり、アイデアを練った。
こんな宣伝方法の映画なんて、過去にあったのかなぁ。
Instagramに、皆で宣伝していることが好きです!とコメントがあった。
そう、この映画のキーワードは「みんな」だ。

今という時代と、終戦直後という時代。
まるっきり違う時代と言えば、その通りだ。
ただ実は通じているものがあるんだよなぁと思っている。
あれほどの酷い時代と何がどうしたら今の平和な時代がリンクするのか?
そんなのはめちゃくちゃだと言われかねない暴論かもしれない。
けれど、どうしても、近いなぁと思う所がある。

それは、境界線が曖昧になっていることだ。

良い人と悪い人の境界線がいつの間にかなくなっている。
メジャーとマイナーの境界線も、カルチャーとサブカルの境界線も。
マイノリティとマジョリティの差なんか消えてしまった。
男と女の境界線も。ひょっとしたら夢と現実の境界線も。
インターネットが始まってからは、それが更に加速している。
誰もが発信できる状態になった今。
かつて手の届かなかったスターは、会いに行くことが出来るようになった。
終戦直後にそれまでの価値観を徹底的に破壊された状況と似ている。
それまでのルールが破壊されれば、境界自体が消えていくからだ。

個人が強くないと生き抜けない。
小さなコミュニティが形成されていく。
そこで生まれる小さな物語。小さな奇跡。わずかな助け合い。
現代劇の映画を観ても、大抵はそういうテーマを裏に抱えている。
映画は現代性を写す合わせ鏡だ。
ヒーローが悪者を倒すシンプルな勧善懲悪は現代にそぐわなくなってきた。
悪者にも家族がいて、人生があって、その感情を描くのが現代の作品だ。

世界とか、国とか、社会とか、そんな大それたものじゃない。
「みんな」という、手の届く範囲の小さなコミュニティ。
それをどうやって描くのかが、現代を生きる我々が求めているテーマなのだと思う。
もちろん、そんなテーマを超越しようという作品だってたくさんある。
普遍的な何かを探そうとすればそうなっていくのかもしれない。
芸術の目指す場所は、そういう高みとも言える。
でも、どちらが優れているという事は実は言えない。
現代性をとらえることも表現で、普遍性を目指すことも表現なのだから。

デビッド・宮原は、現代性から一歩も逃げない。後退しない。
現代の社会が持つ病理を肌で感じて、作品に投影していく。
時には軽やかな笑いに変えて、時には嗚咽してしまうような涙に変えて。
「終戦直後」という時代を選んだのは、偶然じゃない。
そこに、現代を感じたからだ。
肌感覚で、それをみつけたからだ。
きっと、終戦直後の孤独が、現代の孤独と繋がっていると発見したからだ。
誰も考えつかないような角度から現代性を表現できる稀有な作家だと思っている。
デビッド・宮原という監督は、そういう作家だ。

大企業でもない、公共でもない。
最小のコミュニティと言ってもいい劇団が、映画を創った。
その作品のために創られた座組でもない、誰かの思惑が入るようなプロジェクトでもない。
元々あった集団が、20年間も共に歩んできた仲間たちで、映画を創った。
手に手を取り合って。
Youtubeのように個人が動画で発信できる時代に。
小さなコミュニティで作品を練り上げた。
みんなで映画を創った。
みんなで届けようとしている。

これは、現代を生きながら、どこかで孤独を抱えている全ての人たちに送るプレゼントだ。

本当なら朝から映画館に行って、受付のそばにいたい。
当日券が残っていたらチラシを持って、新宿の街で声掛けをしたい。
けれど、稽古が始まる。
明日の朝、チケットの受付が始まったその時間は、もう稽古の真っ最中だ。
そして、その稽古の真っ最中に、映画の最初の上映が始まる。

いつか夢を見た。
小さい夢を見た。
この小さな小さな自分たちの力で。
もっともっとたくさんの人に届けられるようなことをしたいと願った。
頭が破裂するほど願った。

絶対に届く。
絶対にだ。
今を生きる全ての人に。
きっときっと。

ここがはじまりの場所。
ここからがこの世の中の全ての孤独に立ち向かう一歩。
あなたよ!のたれ死ぬな!生きろ!

あなたの胸のど真ん中に投げ込むど直球だ。

公開日がやってきた。
遂にその日がやって来た。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:26| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月30日

一般公開初日

舞台稽古真っ最中に、完売情報が届いた。
稽古中なのに拍手が起きる。
台風の影響で秋雨前線が活発化している中、こんなに嬉しいことはなかった。
皆が稽古場で安堵の表情を浮かべる。
前売りが完売しても、当日券が伸びるかどうかなんて誰にもわからないのだから。

稽古を終え、全員で映画館に向かう。
こんなに大勢で電車に乗ったのはいつ以来だろう?
そこに監督がいるというのも、今まであっただろうか?
映画館に到着して、全員を控室に案内する。
皆が着替え始める。
初日舞台挨拶だけは、映画衣装でというスペシャル・ワン企画。
スクリーンから役者たちがそのまま出てきてしまうという舞台挨拶。
やっぱり、娼婦たちの衣装は華やかだった。

控室では映写室のモニター音が聞こえる。
今、どのシーンで、どんな音楽が流れて・・・
それがわかるけれど、客席の様子だけは一切わからない。
皆、ドキドキしている。
楽しんでくれているのかもわからないまま。

終盤にかかった頃、舞台挨拶のスタンバイ。なんだこの人数。
おかしなことにならなければいいけれど。
当初MC予定の役者から自分にチェンジ。
今日はガヤで行くというのなら、それはそれで。
並んでいると、エンディングの音楽が聞こえてきた。
今、スタッフロールが流れている・・・。
スタッフロールが終わった瞬間、会場内からかすかに拍手の音が聞こえた。
あ!拍手だ!胸がドキドキする。
扉を開けて、飛び出した。

客席を見渡す。
ジーンと痺れる。
ぐっと我慢して、皆を呼び込む。
楽しんでくれたかな。
少しでも心が動いてくれたかな。

監督の話から、結局全員の一言に。
泣くやつ、笑うやつ、真面目なやつ、ふざけたやつ。
これだけ、色々な役者がこの映画に出てるんだなぁなんて思う。
プロデューサーから耳打ちで、締めてくださいと一言。
締めのあいさつをしようと思ったら、詰まってしまった。

粗相だ。

監督に突っ込ませてしまった。

舞台挨拶を終えてロビーに。
パンフレットを片手に、サインを求めてくださる方がいる。
声を頂いて、握手をしてくださる方がいる。
メッセージで埋めていくポスターに、名前を残してくださる方がいる。
もう一度来ます!と熱く一言を残してくださる方がいる。

まるで夢の中じゃないか。

そのまま呑みに行く。
美術の杉本亮さんと杯を交わす。
セブンガールズという映画の奇跡を担った一人。
あのパンパン小屋をこの予算で組み上げることが出来たのは、杉本さんのおかげだ。
たくさん美術や映画の話を聞く。
なんという美酒。なんという日。

帰宅して、舞台挨拶で発表した大阪上映のニュースをSNSに更新する。

なんとそのままキーボードに手を置いて眠っていた。

起きてすぐに台風進路を見る。
昨日とはまた違った予想進路、違った予想時間になっている。
どうなるだろう。
危険な台風だけれど、なんとなくなんとなく、上映時間は大丈夫なんじゃないかという気がしてくる。
一日中、台風を気にすることになるなぁ。

さあ、二日目の朝がやって来た。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 09:15| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月01日

休映顛末

朝起きてすぐに台風情報を確認する。
10時過ぎに発表された最新の進路予想が、関東暴風域は23時と発表されていた。
もちろん、暴風域に入る前にも強風域や雨があるから予断は許さないけれど、一つ安堵。
何よりも、ご来場いただける方々にとっての不安、心配が一つ減るのだから。

稽古場に到着して、稽古準備を重ねているとNHKの速報が入る。
JR東日本が20時に全ての在来線の運転見合わせを決定との報道。
すぐにJR東日本のHPを確認するも、20時以降順次・・・との記載がある。
20時に電車が止まるのか、20時に始発駅からの電車が最後なのかもわからない。
情報に矛盾や差もあり困惑しながら、プロデューサーと電話で協議をする。
映画館側にも確認を重ねていただく。

すでに前売りが完売、当日券も出ているという状況だった。
更にSNSやネット上で中止の告知をしても、ネットを見ない人もいる可能性があった。
劇場まで足を運んで、中止の看板を見て肩を落とすお客様もいるかもしれない。
ケイズシネマさんも、一人でも来るなら回さないわけにはいかないという判断をされていた。
たとえ、たった一人のお客様だとしても、舞台挨拶だってやると決意する。
これは、そういう映画だ。
新宿という土地は地下鉄も私鉄も走っている。
もちろん徒歩圏内に住んでいる方だっている。
だとすれば、そんな一人に出来ることをするべきだ。

それでも、無理にいらっしゃる方がいるかもしれないという不安があった。
帰れないかもしれない、危険かもしれない。それでも行こうという方がいるかもしれない。
その為に、チケットの振り替えについて、早々に決めさせていただいた。
ケイズシネマさんも、すぐにそれは了承いただけた。
今日のチケットで別日程でも入れる。それだけで危険を回避できるかもしれない。
皆様に無理をしないで欲しい旨の発表をした直後だった。

ケイズシネマから、やむなく中止の連絡が来た。
新宿の周囲の映画館は軒並み上映中止を発表していた。
それでも、ケイズシネマさんはお客様が来たらやると言ってくださっていた。
そこまでの思いなのに中止にせざるを得なかったのは、映画館の都合ではない。
ケイズシネマが入っているビルそのものが営業中止を決定したからだ。
ビルに入っている全ての商業施設が、営業時間変更。
帰宅難民が出る可能性、命にかかわる危険もあるかもしれない。
そういう中での判断である以上、決定に従わざるを得ない。

即座にSNSにて速報を出す。
稽古をいったん止めて、皆にも説明をする。
何度も繰り返された連絡も、中止決定が出ればそこで終わり。
稽古場の皆も稽古を早めに切り上げて電車があるうちに帰宅してねと伝える。
そのまま、稽古場を後にする。
自分のシーンの演出は、待っていても来るかわからない状況だった。
SNSと映画のオフィシャルページの更新をしながら、新宿に向かう。

新宿に降り立つと、雨もなく、風もなく。
本当にこれから交通機関が止まるなんてとても信じられなかった。
いつもの新宿よりも人が少ない。少し奇妙な感覚。
そのままケイズシネマの前に到着する。
休映の張り紙、ビル全体の営業時間の変更の張り紙。
きっと、この紙を見て肩を落として帰宅された方がすでにいらっしゃる。

エレベーターの前にスタッフTシャツを着て、立つ。
やはり、ネットで情報を確認しないまま来場された方がいらっしゃった。
前売券を持った方。当日券を予約出来た方、今から当日券があるか聞きに来た方。
何組かに頭を下げていたら、劇場担当さんがおりていらっしゃった。
看板などのチェックをするためだ。
少し話をする。上にいますのでとのお言葉。
もちろん、上階の受付でも対応をされているからだ。
振替について、本来の開演時間の19時すぎたら伺いに上がりますのでとだけ伝える。

当日券を購入された方に、残念だったねぇと声をかけられたり。
前売を持った劇団をご存知のお客様と握手をしたり。
出来ることは限られていたけれど、少しでも肩を落とさずに済んだだろうか・・・。
自分が一番肩を落としていたのかもしれないけれど。

19:05を過ぎた時点で映画館受付に向かい振替方法を細かく伺う。
ホームページにてその内容で案内をする旨を伝えて、ケイズシネマを後にする。
すでにビル内で明かりがついているのはケイズシネマさんだけだった。
まだ風もなく、雨も小降りだった。
ただ、すでに町から人影だけが少なくなっていっていた。
いつもは大混雑の電車のスカスカのシートに座ると、隣に座る女の子が泣きだした。
恋人と別れたのだろうか?友達と喧嘩したのだろうか?
すすり泣く声を聴きながら、出来ることは二つしかないと考えていた。
帰宅する。
その頃、少し風が出てきた。

自分に出来ることは二つしかない。

一つは、今日残念な思いをした方々に精いっぱいの対応をさせていただくことだ。
振替の日時変更、キャンセルの場合の返金。
きちんと体制を整えて、決定したら発表、対応と続けていく。
誠意ある対応をきちんとすることだ。

もう一つは、翌日からの上映を大成功させることだ。
毎日満員御礼になって、来てくださった皆様が楽しんで帰っていただけるように。
満員になるように、今まで通り、きちんと告知を繰り返していくこと。
鑑賞後も、ロビーでご挨拶して、楽しい気持ちで映画館を後にしていただけるようにすること。
上映日は7日から6日に減って、一日分のお客様が来れない分、来場いただけたお客様には楽しんで頂くこと。
振替で、二度目に足を運んでくださった方も、観れてよかったと感じていただくことだ。
そして、大成功になって、東京近郊での上映日が増えたら。
今日観ることが出来なかった皆様にも、新たな機会が生まれるんだ。

帰宅して一つ一つ、連絡や更新をしていく。
明日は台風一過。暑い日になるそうだ。
様々な更新が終わった頃、強風が吹き荒れていた。
誰も怪我無く、誰も帰宅できないこともなかったことを、良かったのだと思おうと心に誓った時。
初日に来場してくださった方の、長い長い感想をInstagramで見つけた。
劇団を知らない純粋な映画ファンの感想だった。
それは、まるで、光のようだった。
映画「セブンガールズ」が、心を動かしているんだと実感した。
なんてことだろう。
おいらたちは、もっともっと、こういう方々に届けなくちゃいけない。
そこには、他の映画ファンから、これ観たいんですよというコメントまで残っていた。

後輩からメールが来ていた。
休ませない映画ですね。と書かれていた。
まったくだ。
山あり、谷あり。
準備機関からそれは変わらない。
でも、どんな山も昇り、どんな谷も跨いできたんだ。

深夜番組で「次のカメ止め!を探せ」という特集をやっていた。
まだまだ世界はセブンガールズを知らないなぁと、思わず口にした。
見逃してるんだぜ。

顔を上げろ!
足を前に出せ!
天よ艱難辛苦を我に与えよ!
全ては偶然ではない。
全ては必然のはずだ。

明日の準備をしよう。

大満足していただくためにも。
満員御礼になるように。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:01| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月02日

公開2日目

公開3日目ですが2日目は台風で休映なので・・・的なことは書いても意味がない。
日曜は休映なのだから、公開日ではないのだ。
だから、月曜が公開2日目だったとここでは書くことにする。

朝、台風の影響で交通機関が麻痺していた。
いくつかの電車が遅れ、止まり、ダイヤが乱れに乱れていた。
これは今日も当日券の予約に来てくださる方が困るだろうなぁと感じた。
もし夜までダイヤが乱れていれば・・と想像するとぞっとした。

映画サービスデーとしてケイズシネマでは毎月1日は1000円で当日券を購入できる。
そういう意味では一番ケイズシネマファンが足を運んでくださるであろう日だった。
サービスデーだからと言って、週末を終えた初の平日には変わりがない。
当日券、苦戦するんじゃないかとか、色々なことが頭をよぎった。
そこにまさかの初日の土曜日よりも早い段階での完売速報。
昨日のことがあった分、喜びが体を駆け巡った。

でも、それだけでは済まなかった。
プロデューサーから電話が鳴る。
少し声から緊張感を感じて、ドキドキする。
今度は何が起きたんだろう?
どうしても、そんなことを考えてしまう。
それが、まさかの今週末からのUPLINK渋谷での上映決定の報だった。

前日の休映でお願いはしてあった。
どうしても来場できない方はやはりキャンセル・返金しかでない。
けれど、もしも、東京近郊での上映が別日程で決まれば、そちらにも振替出来るようにしたかった。
ただすでに色々自分でも調べてあった。
ケイズシネマのスケジュールを見れば延長がとっても難しいことはわかっていた。
様々な恒例のフェスティバルの予定が入っていて、既にスケジュール的に枠がない。
短編や中編映画ならまだ調整できるかもしれないけれど144分の映画では急に上映を決められるものじゃない。
だから、10月後半になったり、11月に入ったりでもいいから、もし決まれば・・・と思っていた。
確かに、東京近郊の上映は難しいか、昨日、確認はしていたのだけれど。

実際、東京近郊での予定はいまのところございませんと、発表したばかりだ。
それが、翌日、しかもその週の週末から上映決定するなんてことがあるだろうか?
配給担当さんが、同じように心を痛めて、動いてくださったのだ。
それがすぐに手に取るようにわかった。
こんなミラクル聞いたことがない。
上映している作品の延長ならあるかもしれない。
けれど、初上映をその週に決めるだなんて・・・。
ビックリして、すぐに出演者たちに連絡をする。
皆、どうゆうことなの?という動揺もしていた。
なんで、そんなことが起きるのか、わからないのだから。
監督に連絡しても、すごい!としか返ってこなかった。

更に結果的に、舞台のスケジュールと映画のスケジュールがクロスすることになった。
流石に同じ日に映画と舞台両方を楽しむことは出来ないけれど。
舞台を観てから映画を観ることも、その逆も、連日で出来ることになったのだ。
こんなことがあるだろうか?
こんなに面白いことがあるだろうか?
これまでそんなことが出来るイベントがあっただろうか?
舞台と映画が同時に上演されている時間帯すらあるんだ。

これは、多分、奇跡だ。ミラクルだ。

衝撃ニュースを抱えたままケイズシネマに向かう。
そこにいたメンバーも、監督も含めて、全員がなんで?と聞いてくる。
そんな凄いことなんで起きたの?と聞いてくる。
決定の報告だけでは、何が何だかわからないのも無理はない。

舞台挨拶で前日のチケットの振替で来場した方がいるか聞いてみる。
手を挙げた人たちは、きっと昨日、不安な思いをさせてしまったのだなぁと心が痛む。
そして、同時に翌日という迅速な対応をしてくださったケイズシネマに感謝をする。
スケジュールの都合上、延長は恐らく出来ないのだけれど。
この週が終わってから、またセブンガールズがより話題になって大きくなって、帰ってきたい。
それぐらいの対応をしてくださっている。
何よりも、すでにケイズシネマという映画館に強い愛着がわいていた。

ロビーでお客様と挨拶を重ねてから帰宅。
今、UPLINK渋谷用の準備をしている。
マスターデータも作らなくちゃいけない。
今週末なのだから、明日にも納品しなくてはいけない。
絶対に今日中に用意して、明日には配給担当さんに渡すのだ。
そのぐらい迅速な対応をしないと申し訳ないと思う。

少しずつだけれど。
映画ファンの皆様が、セブンガールズを認知してくださっていると実感している。
劇団の昔からのファンだけで二日連続満員御礼なわけではない。
確実に、映画ファンと呼ばれる皆様が足を運び始めている。
ケイズシネマについている元々のファンの方もいらっしゃる。
UPLINK渋谷という長い歴史を持った映画館には、会員の方もいらっしゃる。
一つ上映館が増えたというだけではないのだ。
大きな宣伝が出来る企画じゃない。
けれど、今は宣伝よりもずっとずっと口コミの方が重要な時代になっている。
そういう時代に、それぞれファンを持つ劇場で梯子出来ることがどれだけすごいことか。
考えれば考えるほど凄いことだ。
上映したくたって出来ない作品だって山のようにあるのだから。

明日、振替についてどう対応できるのか話が出来るはずだ。
ケイズシネマで振替していただける皆様は、もちろん、もう連絡してくださっている。
それが出来ない皆様が映画を観ることが出来る機会が出来たことが本当にうれしい。
当日券が減って、席数が少なくなってしまうかもしれないけれど、そんな痛手よりも、観れない人がいる方が心が痛い。
キャンセルはチケットとの交換だから、お客様に手間を取らせてしまう。
それよりも何倍も、何倍も、観ていただく機会を創りたいと考えていた。

ポスター管理しているメンバーの手元のポスター枚数がゼロ枚になっている。
サンプルでうちに届いたポスターを使うしかない。
それでも、何枚かサンプルが手元にあって本当に良かった。
チラシも、予備が配給会社の手元にあった。

新宿、渋谷、大阪。
たった1館から始まった映画の上映館が、3館に増えた。

だからって、ただ喜んでいてはいけない。
明けて公開3日目が完売する保証なんかどこにもないのだから。
映画サービスデーではない分、初めての平日と言ってもいいのかもしれない。
今日までのスケジュールで一番苦戦するんじゃないだろうか?
逆を言えば、ここも完売したら、本当に凄いことだ。とさえ思う。
喜んでばかりじゃいけない。
少しでもできることを考えてやっていかないと。
皆で、進んでいかないと。

小さな成功を重ねた先にしか、大きな希望はないのだから。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:07| Comment(1) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月03日

公開3日目

映画を公開して3日目。
なぜ台風の影響での休映日を入れて書かないかと言えば、今は良いけれど、後で困るからだ。
公開日をもっともっと積み上げていきたいからこそ、あえて3日目と書く。
出演者の皆はどうしても4日目と書きたいみたいだけれど…。
多分、それだと、もし一か月も上映が続いて経過すれば困ったことになる。
やはり、公開した日だけを数えていった方が良い。

今日はケイズシネマに行かないでも良い日だと思っていたのだけれど。
結果的に足を運ぶことになる。
UPLINK渋谷での上映決定がありえないほど急に決まったから必要なものを渡す必要があった。
ポスターやデータを配給さんに渡さなくてはいけない。
だとすれば、映画館であって渡せばいい。
渡してそのまま帰宅する手もあるけれど、足を運んだ以上、最後までそこにいる。
客席公報からイベントを見る。
ああ、こういう感じなんだなぁと学ぶものも多かった。
本人たちは、どんな風に思っているだろう。

終わるなり急いで帰宅。
食事を摂って、少しだけ休憩してから、予告編を作成する。
今の予告編は、ケイズシネマのロゴが入ったままだからだ。
その部分を差し替えて、2種類のデータで書き出しアップロードする。
データ転送で、渡すからだ。
短いPVとはいえ、思ったよりもアップロードに時間がかかった。

その後は延々と印刷物製作。
本当はある程度で仕上げて、明日の稽古準備に入りたかったのだけれど。
台本を読み込む時間を取ることが出来なかった・・・。
もっとも、移動時間や空いている時間にやっているから平気と言えば平気だけれど。
とにかく、今、ようやく、入稿作業まで終わった。

もう限界に近いけれど。
ここからいくつか、HPの更新だけして、今日は休もう。
明日は朝一番からのべた入り稽古なのだ。
夜には映画上映があって、登壇も予定している。

こんなに忙しいことが、実はどれだけ幸せなことなのか。
例え、てんやわんやでも忘れてはいけない。
20代前半、ひとりぼっちの部屋で、金もなく時間だけがあって。
ひたすら、自分ってなんだろう?とか考えていた日々がある。
その日々を思えば、今は天国にいるようなものだ。
あの日々があるからこそ、今、こうして自分はなんだって出来るんだ。

たくさんの映画の感想に。
たくさんの勇気をもらう。

明らかにこれまで応援してきてくださった劇団のファン以外の方々の反応が増えてきている。
観に行ったという感想はもちろんだけれど、観たいという一言も含めたら、すごい数だ。
配給担当さんも、何か肌で感じるものがあると口にする。
担当さんは、すごく強い思いをこの作品に持ってくださっている。
仕事という言葉ではわりきれないほど、思い入れを持っていることを口にしてくださる。
その担当さんが、3日連続での満員御礼を一緒に喜んでくださる。
そして、喜びながら、何かを感じている。

一人でも多くの皆様に観て欲しい。

たったそれだけの思いで始まったプロジェクトが。
今、まさに原点回帰のように、皆が同じことを口にするようになった。
映画を創りたい、映画に出たい、様々な思いがあったはずなのに。
今は、皆が一人でも多くの皆様に観て欲しいと願っている。
そして、まるで、それが伝播していくかのように。
配給担当さんが同じことを口にして。
観に来てくださった方が、感想の中で同じことを書いている。

ケイズシネマでとても良い時間を頂いたことも大きい。
今週末からは、レイトショーになるから、きっと客層も変わるかもしれない。
そういう変化まで、なんだか運命的に思えてきた。
いつか、昼の上映もやってくるかもしれない。

さて、あと少し。
あと少しだけやったら、眠ろう。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 05:24| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする