2016年10月15日

満月と真鍋礼市

明日はついにロケ地入り。
そんな忙しいさなかに届いた訃報。
今日は、最後の買い出しのために時間を作っておいたけれど。
全ての予定を前倒しして、礼さんに会いに行った。
葬儀には参列できないからだ。

真鍋礼市さんは、織田稚成の兄貴だ。
織田は、真鍋さんを紹介するときに、必ず兄貴だと紹介していた。
だから、劇団員のほとんどは、本当の兄弟だと思い込んでいた。
なんで、苗字が違うんだろう?何か複雑な事情があるのかな?
そんな風に思っていた。
でも、そんなんじゃない。
織田稚成が、兄貴と慕っているだけで、血がつながっているわけでも何でもない。
でも、今でも聞けば、俺の兄貴だよって答える。
本当のお兄さんなの?と聞けば、そうだよ。と答える。
だから、みんな、混乱してた。

劇団のロゴマークの制作をしてくれたのが礼さんだ。
舞台に来ては、色々と言ってくれたのが礼さんだ。

一番の思い出は、織田とバンドを結成したときのことだ。
どうやってバンドを始めればいいかねなんて話していて。
織田さんが、礼さんに相談だなって言いだした。
おいらは、礼さんに電話して、織田さん抜きでサシで渋谷で吞んだんだよ。
お前はバンドで何がしたいんだよ?って聞かれて。
結構、あけすけに、話した。
ロックやりたい!って、なんかダサく思えるとか、ロックな礼さんに向かって言ったもんな。
なんで、そう思えるのかとか結構、ちゃんと話した。
最後に、「わかった、そこまで言うなら、力を貸すよ」って言ってくれたんだ。
最初のライブにはギターで出てもらったし、そのあとも何度もゲスト参加してくれた。

麻雀もやったなぁ。
やけに引きが強くて、うまいわけじゃないんだけど、負けない人だった。
普通に大三元とか狙っちゃうんだもんな。
面白い麻雀を打つ人だった。


礼さん。
寝てた。
頭をなでた。
東北の訛りのきついお母さんとたくさん話した。
献杯した。
泣いたりもした。
すぐ起きだしそうだなって、何度も思った。
すぐ起きだしそうでしょって、何度もお母さんが言った。
礼さん。って何度も呼んでみた。


病院にお見舞いした時。
酒は別に思わないけど、煙草はすいてぇなぁ~って言ってたね。
部屋をお暇してから、目いっぱい、煙草を吸いこんだ。
雲一つない夜空。
浮かんだ月は、ほぼ満月。

ほら ねえ 見てごらん
早く ねえ こっちへ
今夜、空に穴が開いたよ
僕らが通り抜けられそうな

調子に乗ってるぜ
運のいいエンジェル
また思い出しちゃう
優しくされたこと

満月を見て、鼻歌が漏れる。
あの空の穴の向こうに行っちゃうのかな。
あんなに、眠っているみたいな顔をしてるのに。
お月様お願い あの人を返して。


雲がない。
明日は晴れるだろう。
帰宅して明日の準備をしなくちゃいけないのに。
礼さんの写真でなんか、ぺこぺこポスターを作ってた。
もう印刷なんか間に合わないのにさ。
劇団ロゴもバンドロゴも礼さんが作ってくれた。
最後ぐらい、なんか、作らなきゃって、なんか衝動で作ってた。
色々いじってたけど、結局、シンプルになってた。
いつも、自分のライブは、礼さん、チラシとか作ってたなぁ。

明日は、織田さんも来る。
一緒に汗を流す。
たぶん、礼さんのことばっか話すことになっちゃうよ。

わかってます。
お前はお前のやりたいことやれよ!
って、そう言われるもんな。どうせさ。
言われなくてもやるけどさ。

やるけどさ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 00:42| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月14日

今日しかできないこと

怒涛の時間が迫っている。
朝から晩までやれることをやる日が迫っている。
明日、ロケ地入りだ。

本当は今日、買い出しに行く予定だった。
散髪も今日の予定だった。
でも、今日は別の用事を急遽入れる。
たぶん、おいらにできることを考えるとそれぐらいしかないから。

明日はとにかく、一日かけて、搬入と準備作業だ。
セット設営前にできる準備を徹底的にやりたいと思っている。
20年前に稼働を停止した工場。
置いてあるものを動かし、掃除をしていく。
工場内や室内だけじゃない。
落ち葉もあれば、栗も落ちている。
それどころか、もともとなかった場所に木が生えている。
ここに撮影場所もバックヤードも設営していくのだ。

敷地内のどこで撮影するのかも、見えているけれど。
それでも撮影の中で、やっぱり、こっちで撮影しよう・・・なんてこともあるかもしれない。
そういうことまで含めて、考えなくちゃいけない。
美術スタッフさんと、作りながら、これがある、あれがあると忘れないようにしていくしかない。

買い出しから帰って、ふと、家の中を見ると、尋常じゃない量の荷物があるのがわかった。
自分の衣装や小道具はもちろんなのだけれど、それ以外のものもたっぷりあった。
貸し出しの衣装もあるし、○○がみつからない!なんて連絡が来て、調達したものもある。
このすべてをロケ地に運ぶのはちょっと、難しいと気づいた。
毎日少しずつ運べば、まぁまぁ、自転車でも運べるかもしれないなんて思っていたけど。
こりゃ、そうでもねぇな。考えてみれば、衣装だけでも、自転車の籠に入りきらないのだから。

美術設営に入れば、稽古どころではなくなるだろう。
なんせ肉体労働が続くし、肉体労働の時を超えても、そこから美術感覚の時間になる。
もちろん、美術の発想も芝居心だけれど、自分の役に生きるっていうのとは乖離している。
もっと全体感を含めた想像力で、手伝うことになるはずだ。
でも、やっぱ、最高の美術の中で映画撮影したいもんね。
だけど、腹の底に芝居をとどめておかないとだ。
撮影に入ったら、今度は一発OKを連発しなくちゃいけないだろう。
おいらは、自分の芝居をどう熟成させるか、考えなくちゃいけない。
そして、自分の中から生まれてくるものに期待する。

美術設営中の写真を少しずつ公開したいのだけれど・・・。
一応、敷地を貸してくださる企業様に確認してからになる。
毎日、写真を確認していただくなんて手間じゃないかとも思うのだけれど・・・。
実際の映画を観るまで、美術は少ししかわからないほうがいいのかもなとも思う。
その辺はとても微妙なバランスだ。

さあ。
今日は。
今日しかやれないことをやろう。

それしかないさ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 08:08| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月13日

秋晴れの日

秋雨前線が南下した。
つまり北の高気圧が勢力を強くしたということだ。
秋の長雨が終わる。
これで仮に台風が発生しても、日本の南で方向を変える。
朝晩の寒暖差は激しくなるけれど、秋晴れの日が続くはずだ。
天高く馬肥ゆる秋。
高い高い青空が、ぽっかりと空に浮かぶ日だった。

そうなるはずだと踏んでいた。
エルニーニョ現象の終わり。ラニーニャ現象の始まり。
映画の撮影日程がタイトなことを考えれば雨量の少ない季節を選ぶべきだと思っていた。
それでいて、寒すぎず、暑すぎない天候の安定した季節。
そんな季節は日本には、ほんの少ししかない。
春は、一番天候が読めないからさ。
秋晴れが、エルニーニョの終わりだと、例年よりも遅めに来るのも調べていた。
流石に春先にそんなことを調べていた時は、笑われたけれど。
9月にあんなに雨が降るととても不安になったけど、秋雨が2か月も続かないことはわかってた。
撮影期間、どのぐらい雨量があって、どのぐらい曇天で、どのぐらい晴天だろう?
シナリオはどちらでも対応できるものだけれど、撮影効率はきっと大きく変わるはずだ。
まぁ、天候なんて計算できるものでもないのだけれど。
それでも、一応ね。

本当ならすべてを計算したいと思っている。
今日、散髪に行ったのだけれど。
これも、夏前に一度散髪して、どこまで切ったら、どのぐらいのペースで伸びるか確認してあった。
髭も本当は、どのぐらいの無精ひげで準備して、シーンによって変えたいと思っていたけれど・・・。
流石に、髪型や髭をシーンによって変えるようなスケジュールにはならないだろう。
完全な順撮りならともかく、撮影シーンは行ったり戻ったりするはずだ。
一歩間違えれば、髭が伸びたり、縮んだり、繋がらなくなってしまう。
女優によっては、なるべく撮影直前に美容院に行きたい人もいるだろうけれど。
男なんかだと、終戦直後だから、流石に切り立てほやほや感は不自然になると思っている。
だから、いつぐらいに切るのがベストか計算しておいた。

昭和感バリバリな髪型に散髪していたら。
理容のこういう髪型の技術は、最近の若い美容師は習ってさえいないという。
一番、習得するのに時間がかかった技術なのにと、ぼやいていた。
かつては、床屋に行けば、普通の散髪とは別に、メニューに掲載していたのにね。
鏡に映る理容師さんの視線の真剣さに、驚いたよ。
久々だったんだなぁ。
最近は、昭和な雰囲気の髪型は、その道の人でさえやめてほしいというそうだ。
パッと見ヤクザに見えないようにして。なんて、頼まれることもあるらしい。
でも、日本代表の本田選手や中田選手を担当している美容師さんは、理容の技術を使ってるねって。
おいらは、美容室なんか何度も行ったことないからなぁ。恥ずかしくて。
どんどん数が少なくなっているけれど、やっぱり床屋ってのは大事だし、美容室なんて女の場所だろって思う。
男のおしゃれは床屋からだよなぁ。

出来上がった自分の角刈りに惚れ惚れする。
角刈りは似合わない人もいるからさ。
まぁ、撮影の頃には、乱れちゃうけれど、今は直角で一直線だ。
ビッとしている。
菅原文太さん、高倉健さん、渡哲也さん、松方弘樹さん・・・どんどん色々な俳優を思い出す。
角刈りが似合うかどうかってのは、意外に大事なんじゃないだろうか?

秋晴れは夜まで続き、あんなに降り注いでいた陽光が消えると。
北の高気圧らしく、涼しい夜がやってきた。
刈り上げた頭に、冷たい空気が触っていく。
頭の中が、しゅっとした。

もう、動ける日はそれほど残されていない。
設営を重ねて、芝居に集中していくことになる。
美術設営の期間の、人数なんかのスケジュールを確認する。
思ったよりも時間がかかりそうだな。
現場でのリハーサルは断念して、直前まで設営になるかもしれない。
まぁ、それならそれだ。
ぎりぎりまで、素晴らしい美術を作るしかない。
設営も、天候で効率が随分違うだろうな。

ははは。
昭和な雰囲気にも見えるけど。
まんま、昔の大工さんにも見えるや。

頭をなでながら、笑い飛ばした。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:40| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする