大分県別府にやって来た。
朝起きて荷物を持ち空港まで出かける。
朝食を摂ろうか悩みつつ結局そのままチケットを発行して待つことに。
空港っていつの間にすごいことになっているんだなぁ。
充電も出来るし、売店やトイレもホテル並みに綺麗で充実している。
飛行機まではバスで移動するのだけれど、それもとても新鮮な気分だった。
飛行機に到着すると想像よりもずっと小さな機体。
自分の記憶に残っているのは国際線のジャンボだけなのだから当たり前だ。
席に着くなりCAさんに富士山は何分ぐらいで見えますか?と聞いてみる。
にっこり笑って20分ぐらいと説明してくれるだけじゃなくて、ご旅行ですか?と聞かれる。
他のお客様がいるのになんだか悪い気もしたけれど。
思えば、サービス精神の塊のようなCAさんに話しかけられても、殆どの乗客は無表情で。
仕事を邪魔しちゃいけないなぁという日本人特有の感覚があるからなのか会話が続かないようで。
普通に話しかけたりする自分に嬉しそうにしてくださるのはきっといつもそうなんだなぁって思った。
飛行機が動き始める間近に、自分の座席の脇を本日MCをしてくださる森田真帆さんが通り過ぎた。
飛行機は離陸して、あっという間に窓の外の景色が小さくなっていった。
上空では気流が激しかったようで、想像以上に揺れていた。
20分ぐらい経過した頃、CAさんがやってきて、すみません、今日のルートは富士山の真上みたいですと教えてくれる。
わざわざ教えに来てくれるなんて、優しいなぁと思った。
安定飛行に入ってからシートベルトを外し、狭いと噂のトイレに行ってみる。
トイレの帰り、森田真帆さんの肩をトントンと叩いて挨拶をするととても驚いていた。
多分寝るだろうと思ったフライトは興奮したまま最後まで窓の外に釘付けで。
国東半島が眼前に迫ってきた時に、かつての大噴火を想像してドキドキとした。
飛行機が止まると、CAさんがやってきて。
富士山の写真のポストカードと、たくさんの飴が入った小袋を手渡された。
旅に出て最初に言葉を交わした方とこんな交流が生まれただけで、良い予感しかしなかった。
大分空港に到着して、その空港の違いに目を白黒させながらバスの時間を調べたりしていたら。
森田真帆さんから連絡があって、別府まで車で送ってくださると言う。
それは嬉しいです!と伝えると、先日のMCで踊ってくださったひろきさんがニコニコ笑ってやって来た。
同じ便だったことだけでも偶然なのに。
やっぱり出会いが続く旅なのだと、心が躍っていた。
大分空港から別府までの道は山々に囲まれていて、九州の持つ熊襲の匂いがしてくるようだった。
車内で連絡があったから別府駅につくなり前売券を取り扱ってくださった087~ohana~さんに向かう。
事前連絡でこれが食べたいと伝えておいて!とお願いする。
お店に入ると、そこに堀川とお兄さんが座っていた。
兄妹で話す時の二人は、信じられないほどの大分弁で。
来よった、疲れよったか、と、いつもの堀川じゃないみたいによったよった言ってくる。
お願いしていた隠れメニューの牛すじカレーはスパイシーで、濃厚で、美味だった。
サービスしてくださったホットコーヒーもすごく美味しかった。
堀川お兄さんの運転する車で、やはり前売券を取り扱ってくださったコトリカフェさんに移動。
靴を脱いであがる一軒家を改築したようなかわいいカフェ。
食事を頂いた後に今度はスイーツを!
どちらのお店でも、なんというか、あっけらかんとした笑顔で迎えてくださった。
屈託なくというか、気を使っている感じのない笑顔は気持ち良かった。
六日目の上映が始まる直前にようやく別府ブルーバード劇場さんに到着。
階段を上がるとそこに、沿線してくださったお客様が二人座っていらっしゃった。
一瞬、息をのんだ。
自分が朝一番でツイートした「散歩がてら」に絡めて、ふらりと来ただけだと口にする。
まるで当たり前にオシャレに、ちょっと足を延ばしただけだと言わんばかりに。
しかも一人は日帰りだという。
その瞬間まで素晴らしい出会いが続いて、堀川まで別人のように感じていたのに。
二人の顔を観たら、ああ、こんな出会いもさせてくれるのかと心が緩んでいった。
上映開始すると手土産をわたして、ホテルに移動、チェックインをした。
こじんまりとしていながら小綺麗な部屋。
窓からは、山の中腹にある変わった形の観覧車で有名なラクテンチが見える。
そのまま視点を移動すると山の中腹から湯気が出ていることがわかる。
ここはおんせん県なのだ。
ホテルにある展望温泉をいただく。
温泉から見える街は海側で別府タワーから別府湾が一望できた。
映画館に戻ると堀川が衣装を着て待っていた。
やっぱ衣装なんだ・・・。
自分はセブンガールズTシャツを重ね着していった。
照ちゃん館長と写真を撮影する。
小さくて、やさしいやさしい感じがにじみ出ていた。
壁という壁に、昔の写真や、映画関係者のサインが並んでいる。
歴史を刻んできた映画館であることが一目でわかった。
今日はイベントだからその次の映画、更にその次とお客様がやってくる。
いつもよりもずっと忙しいようだった。
そんな忙しい中でも優しく対応してくださる。
舞台に立つと客席から暖かい空気を感じた。
堀川の旧友も来ていたという。
いつもの顔があることも心強かったけれど。
皆様が温かく迎え入れてくださった。
MCの森田真帆さんから質問が続く。
思えばMCがいるという状況での登壇は初めてだった。
5日で撮影した話には、おおと声が挙がった。
あの走り回った日々は今日もお客様に作品として届いている。
ロビーに出ると堀川の周りに人だかりが出来る。
良かったねぇ。嬉しいねぇ。
自分にも声をかけてくださるお客様もいて、心が和んでいった。
その次の「狼煙が呼ぶ」のお客様の入場もあって映画館は賑わっていた。
そんな中、当たり前のように豊田利晃監督がいらっしゃった。
本日4館目、連日の日本縦断行脚。
そのまま監督の登壇イベントも観た。
森田さんと映画の内容について話す。
一回観ただけなのに、様々なシーンについて話されている。
ああ、すごいなぁ、ああ、嬉しいなぁ。
こんな風にもっともっとたくさんの皆様に届けられたらいいのに。
一旦ホテルに戻って着替える。
SDカードから写真データを覗いてから、街に出かける。
森田さんが紹介してくださったお店で豊田監督と酒を交わす。
不思議だなぁ。
杉本亮さんとの関係で関東で出会って、九州の別府で呑む。
日本中を旅してきた話は、何度も笑った。
森田さんと堀川が一時合流して、皆で笑い合う。
豊田監督と一緒に全国を回っている方にも色々な話を聞いた。
ああ、日本中という言葉にはどれだけの響きがあるのだろう。
森田さんと堀川が大谷映画会の打ち上げに移動してから、別府で有名な別府冷麺の六盛の冷麺をいただく。
六盛の大将も一緒に呑んでいて、居酒屋のキッチンで作ってくれた。
これがものすごく美味しくて、呑みの締めには完璧な食べ物だった。
土地のつまみと、土地の名物と、土地の酒、そして様々な偶然と出会い。
なんという一日だろうか?
ホテルまで歩いた。
部屋に入って、浴衣に着替える。
テレビ番組表は関東とまるで違う。
明日は、上映前、上映後、二回の登壇になったと連絡が来る。
タイミングが良ければ六盛で冷麺以外のものをいただこうと思う。
明日も一日なんだかんだと忙しい一日になるだろう。
気付けば少しだけ眠っていた。
思えば朝早く起きてからずっと寝ていなかった。
今日だけで何人の人と出会って。
今日だけで何人の人と話をしただろう?
それなのに。
明日は最終日なのだ。
たった1日でこんなにたくさんの人と出会ったというのに。
もう最後の日がやってくる。
嬉しそうな堀川が急激に寂しくなるだろうなあ。
忙しくて、予定をたくさん入れて、寂しい気持ちを忘れるようにしているようだよ。
大分に来てよかった。
別府に来てよかった。
凱旋上映ということがどういうことなのかわかった。
おんせん県は。
当たり前のように心の奥底から温かいお湯を沸きだし続けている。
人と人とのぬくもりを描いた映画は。
そんな温かな場所で、上映の最終日を迎える。
私は自営業しながら少しですが、舞台で芝居したり映画やドラマのエキストラで遊んでます。
「セブンガールズ」舞台からの映画化に興味があってギリギリでしたが観れて良かった。
映画だけど、舞台風の笑い、泣き、ツッコミ…
眼鏡をかけた男が苦手な役の女性とか医者と看護師とか面白かった笑笑
トークショーで質問コーナーがあれば聞きたかったのが「舞台では演出家、映画では監督になりますが同じ人なのですか?」舞台と映画では脚本も動きも変わってくるだろうから、その辺の難しさや楽しさを想像しながら観てました。
映画もトークショーも楽しめました!
ありがとうございます。