蒼井優さんという女優さんは凄い女優だなぁとずっと尊敬していて。
その凄さのようなものってどう伝わっているのかなぁといつも思っている一人で。
でもあれほどの女優さんが、映画の中よりも何よりも、一番美しく見えるのには驚いた。
いつかセブンガールズを観て欲しいし、いつか一緒の作品の中で生きてみたいなぁ。
それでもあんなに美しい顔を自分は引き出すことなんか出来ないだろう。
皆様の言われる魔性的なものはないと山ちゃんが口にした時、確かに涙ぐんでいて。
ああ、恋多き女優なんてレッテルはきっと重かったし、そんなもん嘘だ!という男に出会ったんだなぁって。
それでもこれからもきっとどんなレッテルを貼られようが作品の中にどんどん入っていくのだろうなぁ。
本音で生きるのはつらい事なのだと思う。
俳優は虚構の中で、本当に生きるということを考えるわけだから。
中途半端な建前というものにどうしても生きていれば気付いてしまう。
俳優の中でも女優は特にそういう感覚が鋭い。
嘘を見破る能力がずぬけているのが女優という生き物で。
その女優が本質をみたからこその恋なのだと思う。
山ちゃんも、ずっと本音を口にする芸風を貫いていて。
それはあちこちに摩擦を生むけれど、ひよらずに取り組んできている。
これを口にしたら嘘になるっていう言葉はずっと避けてる。
それは実際には過酷で厳しい道だとおいらは思うよ。
おいらは本音も建前も使い分けるけれど。
それでも言うべき言葉を飲みこむことはしない。
言いたいことを言いたいように言う。
それでお叱りを受けたこともあるし、そりゃ摩擦だって生んできた。
もちろん時と場所とは自分なりに考えているけれどそのタイミングが来ればちゃんと口にする。
(アホみたいにSNSで発言するのが自由とかは思ってない)
その代わり、何十倍、何百倍にも膨れ上がって返ってくる。
言われるし、怒られるし、言えない人には陰口だって言われるだろう。
人によっては、小野寺から言ってよなんて頼まれることだってある。
言われる覚悟をしないと口に出来ないのだから、全然へっちゃらだ。
めんどくさいから小野寺が悪いってことにしよう!なんて言葉が流行ったことだってあるよ。
それは何を言われても自分が堂々とできるからだと思っているから問題ないし綺麗に収まるならそれで良い。
正直な意見をきちんと言えるか言えないかは、自分が言われる覚悟と共にあるってことだ。
言いたいこと言って、言われるのが嫌だなんてわがままは自分の中にない。
いつも舞台制作をしていく中で摩擦は起こる。
誰が何を言った、誰かれが何をやってくれない、皆ちゃんと考えているの?
そりゃあ何かを団体で創ろうと思えば、個と集団なのだから出てくる。
そんなことはなんでもなくて、結局、全員が良い舞台にしたいという思いからなのだ。
向いている方向が同じだからこそ生まれてくる当然のことなのだ。
そういう摩擦も含めて、全てが千秋楽に笑い話になる。
それはいつものことだし、当然そうなると思っていた。
でもね。
映画「セブンガールズ」の映画製作では、そういう摩擦がほとんどなかったように思う。
全然なかったのかって聞かれたら、それは嘘になるけれど。
これ手伝ってくれない?ってお願いをして断られたことなんか殆どないんじゃないだろうか。
そもそも舞台のようにいつもやっていることではなくて、全員が初体験だったこともあるかもしれない。
自分は企画して、打ち合わせをして、全てを把握しているものだから、どんどんやることが増えていった。
そういう中でやっぱり皆にどんどんお願いをしなくちゃいけなかった。
正直、これは頼みづらいこともいっぱいあった。
これを担当してもらってもいい?これってやれないかなぁ?
断られたらどうしよう?
大変じゃないかなぁ。
いっそのこと、自分でやっちゃえばいっか。
そういう毎日だった。
けれど、不思議なほど、本当に皆が映画製作に向かっていった。
自分は本音でぶつかり続けるしか出来なかった。
そういう意味では不器用なのかもしれないけれど。
そもそもありえないことをしているのだから。
なんにもわからない道で、ただまっすぐ撮影を成功させなきゃいけなかった。
ただでさえうっとおしいであろう自分が、いつもよりもうっとおしかったと思うのだけれど。
でもそのうっとおしさに皆が乗ってきていた。
その一番の皆に頼みづらかったことが仕込みだった。
撮影に入る一週間前から。
ロケ地にパンパン小屋を自分たちで建てる。
空いてる人は集合!
その後は撮影が入っているのだから、長い時間拘束になってしまう。
そもそも空いているわけがない。
意識的に空けないと絶対に無理なのだから。
なんにもない倉庫を、まるでスタジオのようにセットが建つ場所に作り替えていく。
自分はこんなに贅沢な俳優体験できねぇよと思っていたけどさ。
でも、皆にお願いするのは、毎回心が摩耗した。
でもたくさん参加してくれたんだよ。
綺麗におめかししてスクリーンに上がる女優が泥だらけになった。
誇りまみれになって、擦り傷だらけになって。
自分たちの映画は自分たちで創る。
自分は逃げずに本音でぶつかるしかないと思っていたけれど。
ぶつかれば、返ってくるってわかっていたけれど。
返ってきたのは、それこそ、皆の本気だった。
映画に映っているのが、セブンガールズの全てだ。
でもね。
おいらは思うのだよ。
あのほこりまみれの顔が、あの汗だくの顔が、あの疲れ切った顔が。
実は一番美しかったよなぁって。
あんなに美しい顔は、映像に残ってないよ。
もちろん、その美しさは映画の中に空気として映っていると思っているけれど。
きっとそれは見える人には見えるはずだもの。
あの日々は虚構なのかもしれない。
少なくても日常ではなかった。
かつて終戦直後にバラックを建てた人々と同じように。
自分たちでバラックを建てていった。
あそこには本当しかなかった。
自然と。
本当に自然と。
セットを創りながら、おいらたちは作品世界に入っていった。
それは組みあがっていくセットと同時に。
セブンガールズという作品も組上がっていく儀式のようなものだったのかもしれない。
未だに世界でセブンガールズしかない。
間違いなくオンリーワン。
セットをここまで役者たちが創った作品なんて聞いたことがない。
どんなご褒美をもらえるのかもあの頃は知りもせず。
全てに自分たちの魂が宿ってる。
全てのカットにあの日の空気が映ってる。
虚構の映画という作品の中に「本当」が詰まってる。
映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。
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紹介記事
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