今日も映画館に直接リクエストをしてくださったという報告がいくつか・・・。
中には直接リクエストをしたいとスタッフさんに伝えたなんて言う方もいらっしゃった。
落ち着いて考えれば、自分にそんな事が出来るのかなぁと思う。
自分は吹っ切れたらなんだってやるし、行くと決めたらどこにでも行くやつだけれど。
もうフットワークだけでここまで乗り切ってきたような自分なのだけれど。
それにしたって純粋すぎる。
それは中々出来ることじゃないぞと自分に置き換えればわかる。
映画を既に見てくださった方が営業マンになっているなんて最強じゃないか。
だって、何回も観ているのに、まだ観たいんだ!って叫んでいるようなものなのだから。
リクエストは数なのかもしれない。
たくさんリクエストがあれば上映を考える・・・そういうものなのかもしれない。
それでもファン投票的な一票とは中身が違うよなぁって思う。
これだけリクエストがあるなら上映しようというのはわかるけれど。
これだけ誰かに愛される映画なら上映してみようということが起きたとしたら。
それを想像するだけでゾクゾクしてしまう。
もちろん想像ばかりでそれが難しいことなことはわかっているつもりだけれど。
パンフレットを創った時。
自分は裏表紙にたった1行の願いを書いた。
願いだったはずなのに。
けれど考えてみれば「セブンガールズ」という作品の生きる場所はそこにしかないのかもしれない。
決して数の力で大きくなる作品じゃない。
だからこそパンフレットにだって書いたのだから。
著名な何か・・・監督の名前の大きさ、役者の名前の大きさ、映画祭の受賞歴、その他鹿諸々
それは確かに数になって返ってくるのだと思う。
そういうものを持たぬ自分たちにとって大事なことは、数ではなくて深さなのだから。
深い愛情で答えていくことしか出来ないという言い方も出来るのだけれど。
まだ上映が決まる遥か前から、自分たちはそのコンプレックスと戦っていたように思う。
知らない役者しか出てない映画に誰が観に行くんだよ!と何度耳にしたことか。
映画の予告編を観れば、受賞歴、監督の名前、役者の名前、キスとか裸とかのショックな映像。
どんな話なのかあらすじよりも冠を前面に出している予告編がほとんどだ。
そんな中でセブンガールズはどうやって宣伝していくのかもわからなかったのだ。
例えばロケ地を探し回るのに、Googleマップを観て、行く範囲を決めてから自転車で探したと言っても信じてもらえない。
例えばあのセットの材料費が実はほとんどゼロ円だと言っても誰にも信じてもらえない。
廃業する旅館をリストアップして、廃棄する家財を頂戴して。
出演者の親戚のビニールハウスに保管しておいたなんて話は誰に言っても信じてもらえない。
某大企業に単身、アポイントを取って書面を作成して、ロケ地をお借りしたことも信じてもらえない。
そしてそうやって努力を重ねたところで、それが宣伝材料にはならないし、有名人の名前に及ばないことも知ってた。
プロデューサーと話している中で、こんな言葉があった。
映画は全てを把握している誰かがいないと難しいんですよ。そういう言葉だ。
自分はその全ての把握をするつもりで動き回った。
セット関連だけじゃない。予算回りだってそうだし、シナリオ回りだってそうだ。
助監督さんにシナリオを手渡す時点で、すでにシーン表を作成しておいた。衣装リストも作ってあった。
シーン表には、昼/夜、メイクの有無、出演者、室内/外、かかるであろう時間、全てを記入した。
考えうる作業は全て準備しておいてからスタッフさんを迎えるつもりだった。
大きな予算がないのだから当たり前かもしれないけれど。
その当たり前すら超えておかないといけないと思ってた。
それにしてもやりすぎと言われるぐらいまで準備した。
だってそれしかなかったから。
セブンガールズという映画を自分たちで創ると決めた時点で、それしか武器がなかった。
公開した時に、自分たちで創ったんだという武器以外に想像も出来なかった。
どんなに素晴らしいあらすじやキャッチコピーを思いついたって。
内容なんか映画を観なくちゃ絶対に解らないのだから。
ありえない製作過程を経て創られた映画でなければ、上映すら出来ないかもしれないと思ってた。
今、直接映画館に足を運んでくださる方がいらっしゃる。
やっぱりそれはありえないんじゃないかって思う。
ありえないことをやってやろうと製作した映画は、こんな形で奇跡を生み出している。
自分たちが重ねた苦労の日々は、ダイレクトに誰かの心に届いてる。
数じゃない。
思いの深さだ。
それしか持ってない。
好き嫌いはあるだろうから、そりゃ色々な感想が上がると思う。
でも必ずこれが見える人がいると信じて走った。
伝わらないはずがないと信じるしかなかった。
たまたま好みじゃなかった人だって、コンディション次第ではこれを感じる日だってあるはずだ。
物語にも映像にもそこに映る全てにも、そして会場にいる出演者や監督にも。
それだけは常にあるのだから。
もちろん映画はビジネスでもある。
だから映画館だってお客様が入らなければ上映できない。
どう考えたって一番強いのは、数だ。
それなのにいつも信じられないほどの皆様が足を運んでくださる。
深さが。
数を創る。
誰かが愛してくれる映画に興味を持つ人が生まれ続けてる。
今も!!
上映期間は終わってる。
このBLOGも最終章でどんどんまとめてる。
でも終わってない。
終わるわけがなかったんだ。
そもそもこの映画が大事にしてきたことには終わりなんかあるわけがないのだから。
数に広がりには限界があっても、思いの深さに限界などあろうものか!
あの日まだ皆様に出会う前だった。
おいらは太ももをパンパンにしながら坂道を自転車で登っていった。
あがった息遣いの中、坂の上を目指した。
ある、絶対にある。ロケ地がある。トタンがある。どこかに可能性がある。
それは無限の何かを作品に込めるようなことだったのかもしれない。
再上映とかじゃないぜ。
でもやっぱこれはそうなんだ。
キセキハコレカラってことだ。
映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。
■SNS
Twitter:https://twitter.com/7girlsmovie
紹介記事
■girlswalkerhttps://girlswalker.com/archives/180503/
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