2019年06月03日

まだ見ぬ場所を探しに

稽古日だ。
振り返ろうと企画段階のことを書いても稽古日はやってくる。
20年間日曜日は毎週稽古なのだから。あの震災のあった週の日曜だってそうだった。

到着して少し撮影をする。
毎日のように出演者からのコメントをSNSで発信している。
先週撮影できなかった分の追加だ。
今週半ばぐらいまでは続く予定だから皆様に届いたらなぁと思うけれど。
SNSをやっていない皆様には届きようがないんだなぁなんて考える。

その後はミーティング。
セブンガールズの上映予定がない今。
じゃあ、何をしようか?という話になる。
自分なりには監督にお願いしたいことを用意しておいたのだけれど。
やはりそれは難しい感じだった。
まぁ、それはそれで仕方がない。というか慣れっこだ。

ここから何をしていくかの全体としての流れも含めてだけれど。
どんな稽古をしていこうかという話にもなっていく。
今、何が出来るのか。
セブンガールズを製作した自分たちの前にはどんな平野が広がっているのか。
そしてそこからどんな未来まで進んでいけるのか。
監督の提案は納得できるものだけれど自分の中で違和感が残った。
とてもよくわかるし理解できるけれど、この違和感をどうやって自分の中で処理できるだろう?
それとは別に自分でももっと具体的に動き出さないといけないぞと感じる。
毎回のことだけれど、こうやって悩むから先が見えてくる。
こうしましょう、はい、そうしましょうにはならないのは毎度のことだ。
セブンガールズの上映終了という状況の中で、もしまた上映できるという連絡が来れば変わるのだろうか?
それとも、そういうことでもないのかもしれない。
別に時間がかかってもいい。答えは必ず出る。

クラウドファンディングを達成した瞬間を思い出す。
その瞬間も稽古場だった。
その時、そこにいた全員が信じられない!と大喝采を上げた。
前日まで残り2日という状況で厳しいかもしれないという数字だった。
それが一気に伸びていった。
いや、それどころか達成後もどんどん伸びていった。

セブンガールズを映画化すると決定した瞬間だった。
その中で監督と自分だけ、素直に喜んでいなかった。
笑顔があちこちで溢れる中だからよく覚えている。
これは大変なことになったぞ、とんでもない責任を背負うことになるぞ。
一気に絶対に映画を完成させて上映させないといけないというプレッシャーが襲ってきた。
喫煙場所で。
やらなきゃなという監督の言葉に。
やるしかないですねと答えたはずだ。
何からやり始めるかもわからない中で。

監督は舞台台本をシナリオに書き直す作業が始まって。
自分はそこからプロデューサーと連絡したり、1から勉強したりが始まった。
すごくない?映画になるんだよ!と声をかけられても、へへへと笑うしか出来なかった。
そのぐらい何からやり始めればいいのかもわからなかったのだから。
それがどんなに無謀なチャレンジだとしても、支援してくださった方への約束は履行されてしまった。
そんな時、一歩だって引かない。
やると言ったらやる。
ただ、何をやればいいのかがわからないだけだった。

あの日、夢が現実になった。
映画化したいと願った自分にとって、その夢を現実として背負う一日目になった。
その日から出来ない事と言われていることをどうやってやるかの戦いが始まったのだった。
皆にも、大変だよ。と言ったけれど。
皆はそんな事よりも何よりも嬉しそうだった。
実は、その前の週までの稽古場と一気に空気が変わって嬉しそうになったことだけでも、自分は成功だよなと思う部分があった。
けれど、その成功を圧倒的に上回る分量のプレッシャーが襲ってきただけだ。

なんせ前代未聞だ。
劇団が映画製作なんて。
ないわけじゃないけれど。
それは映画の世界の人が声を書けてなのだから。
ゼロからなんて聞いたこともない。
やり甲斐しかない荒野を歩いて道を創るようなことなのだから。

やり遂げると決めた日。
やり遂げられるかどうかなんて未知数だった。
ただ決めただけだった。
自分を信じるしかないし、監督を信じるしかなかった。
なんだってやってやらあ!と小さく呟いた。

今も同じだよ。
自分なりにやってやらあという気分だ。

ミーティングをする。
多少ぶつかってもいいし、喧嘩になったっていいと思う。
目指す場所が見えていれば、ガンガン言い合えばいいし、人間同士顔を突き合せれば摩擦は起きる。
今日のミーティングはそういう摩擦も言い合いも起きなかった。
淡々と進みながら、時々冗談を言い合って笑ってた。
まだまだ未来が具体的に見えてきていないからかもしれない。
より真剣にミーティングが進む日があれば、身も心も削り合う日がやってくる。
今はまだまだセブンガールズの余韻が強く残っている。
やり遂げた自分たちという感触が余りにも強く残っている。

今、もうみんなは眠ってる。
朝が来て日常が始まって、どこかで何を思うだろう?
セブンガールズの再上映を祈りながら。
それでも稽古場で稽古を続けようという話はどこに向かうだろう?

戦う前には儀式が必要なのだ。
それが戦う覚悟を創るのだから。

自分が見ている場所はある。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。

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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:28| Comment(0) | 夢の彼方に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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