鉄腕アトムの最終回をご存じだろうか?
アトムは爆弾を抱えたまま太陽に向かって飛んでいく。
全ての人類を救うために。
鉄腕アトムという作品はロボットを主人公にして。
その主人公には感情があるのか、人間であるのかを常に問うていた。
そして、最後にロボットが自己犠牲の精神まで獲得して、人類のために塵となる。
この終わり方は海外では驚きをもって迎えられたのだという。
それ以降、あらゆるアニメ作品でこのエンディングをモチーフにしたシーンが描かれる。
そのたびごとに、海外での反応は驚きになっていく。
攻殻機動隊もまどマギも自己犠牲のシーンが衝撃を与え続けていく。
命まで捧げるような自己犠牲の精神については自分は考えてしまう。
令和元年と同時に報道で殉死かもしれない自殺の報道が流れたけれどそれも同じように。
自分以外の何かに命まで捧げ、それをどこか美しいと感じる自分が確かに存在もしている。
自分の中では命まで捧げるのはやっぱり違うぜって思っているのだけれど、それを説明することが出来ない。
なぜなら、命ではなく人生を捧げるという生き方については肯定せざるを得ないからだ。
そして、命と人生の差異をうまく説明できない自分がいたままだ。
海外で活躍する日本人が日本人特有の特徴を話す時に「自己犠牲の精神」が出てくる。
例えばサッカー日本代表の本田圭佑選手も、日本人特有の自己犠牲について話している。
海外の選手は自分が活躍することが第一義だが、日本人プレーヤーは別のプレーが出来ると。
あるいは野球のワールドカップで世界一になった原辰徳監督も。
送りバント、犠牲フライなどの自己犠牲になるプレーが日本人は突出しているという。
恐らく根深く、日本人の心には自己犠牲の美徳が根付いている。
だからこそ、外国人選手には理解できないレベルのプレーもすることが出来る。
もちろん海外にも自己犠牲の精神があるのだけれど、そこに美徳を感じるという事が理解不能なのだと思う。
アルマゲドンはアトムと違い旅立ちでは終わらないという事だ。
命までとなればどこか否定したいのに、人生であれば否定できないのは自分が自己犠牲の上に成り立っているからだ。
両親にとどまらず、たくさんの人の自己犠牲を受けて自分は今ここにいる。
そういう自覚が自分の中にある。
なぜ日本人には根強くそれが残っているのかと言えば、それはそれが続いてきたからだ。
日本という国がアジアで唯一の植民地支配されなかった理由は地理的理由だけじゃない。
たくさんの儒教的自己犠牲精神がそこにあったからだ。
それを無視することがどうしてもできない。
助けてもらったからここにいることが出来るという事実を忘れることなんか出来ない。
そして多くの人たちが今も子供のためや、家族のため、会社のため、社会のため、生きている。
それも全て自らが選んだ道として生きている。
それを否定することなんか出来るわけもない。
自分のために生きていると言いながら、ほとんどがそうじゃないんじゃないだろうか。
自分だって、作品に捧げたり、仲間たちのために動いている時間が長い。
即位の儀を観てしばし考えてしまった。
日本の象徴としての責務。
基本的人権がないなんて言う人もいるけれど、それも少し違うと思う。
連綿と続く系譜の中で歴史の中で、自らも同じように誰かの自己犠牲の中で生きている。
人権や自由ではなく、自分に捧げられているものを感じてきた生き方。
そして今、日本国民、日本国のために自らの人生を捧げるという宣言に聞こえる自分がいた。
そしてそれはやはり美徳として報じられていく。
自分も美徳と感じている部分が少なからずあった。
そんな人生は、やはり美しいじゃないかと思える自分が。
どれだけ覚悟していたって、その肩にかかる責任の重さを考えればなおのことだ。
これは天皇制がどうこうという話ではない。
驚くことだけれど英語で「神聖なる犠牲」をサクリファイスと呼ぶ。
そしてサクリファイスを翻訳すると「生け贄」になる。
英語圏では、二つが同じ意味になってしまうのかもしれない。
そう考えれば誰だって鎖でがんじがらめなんだと考えてしまうかもしれない。
自分以外の誰かのおかげで生き、自分以外の誰かのために捧げる。
もっと自分のために生きて良いよなんて言われながらも、結局、逃れられない。
自分はガキの頃、ロックンローラーやパンクを観たり、本当の自由ってなんなんだろうばかり考えてた。
キヨシローはなんであんなに自由に見えるんだろう?
どうやったら息苦しい場所から逃げることが出来るんだろう?って考えてた。
同世代の同調圧力のようなものを馬鹿にしていた。
それでも結局、どこに行ったって、その鎖は続いていた。
とてもじゃないけれど、その鎖を断ち切ることも、無視することも、人として出来なかった。
でも、それで辿り着いた一つの答えがある。
それは今こそ自分は生きていると感じる瞬間だ。
刹那的なことじゃない。
人生というスパンで俯瞰で考えるんでもない。
今、その瞬間の話だ。
それを止めることは誰にもできない。
どんなに巨大な権力を持っていても。
どんなに自分自身の歴史に干渉している人であっても。
今、その時、自分がここにいるという実感を持てる瞬間。
自由とは時間にすら縛られていない。
それが自分が辿り着いた一つの答えだ。
もちろん、たった一つのわけがなくて、未だに悩み続けているけれど。
それでもやっぱり多くの答えの中の一つであることは間違いがない。
泣いた時。
笑った時。
ステージの上で自分の心をキャッチした時
ステージの上でお客様の心をキャッチした時
シャウトした時。
全ての瞬間が自由!!
自己犠牲の持つ美徳をちゃんと持つ。
でも同時に、その瞬間の持つ美しさを自分は大事にする。
そしてきっと大きな責任を持つことになるあの方も、そんな瞬間がたくさん訪れるように願う。
ステージに立つ者は。
全てそれを見てくださる皆様に感じてもらわないといけないと思っている。
その自由を。
その美しさを。
その一瞬だけが持つ輝きを。
自由の連続の向こうに人生がある。
それがいいじゃないか。
命まで捧げるのが違うと言い切れるとしたら、この一点しかない。
自由が勿体ないよしかない。
民族主義もどうかと思ってるけどさ。
色々な視点があっていいのだけどさ。
それでも美しくありたい。
美しさを理解できない人間ではいけない。
きっとこの一瞬の美しさだけは国境を越えていくから。
全世界の共通言語は笑顔だ。
映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
2019/5/18(土)~24(金) 上映時刻:16:45~19:10 全日程舞台挨拶予定
横浜 シネマ・ジャックアンドベティ:http://www.jackandbetty.net/cinema/detail/1928/
■SNS
Twitter:https://twitter.com/7girlsmovie
紹介記事
■girlswalkerhttps://girlswalker.com/archives/180503/
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