トリウッド最終日が明けて、もう一度下北沢に向かった。
原宿シカゴ下北沢店にお借りした衣装の返却が残っている。
映画の上映が終わる時間には閉店してしまう。
登壇メンバーの衣装を返却するまでが自分の仕事だ。
ファッションコラボの企画を立案して連絡して打ち合わせして、その全てが自分からだったのだから。
最期の返却と挨拶をしないなんてことはありえない。
何人かが自分が行こうか?と声をかけてくれたけれどやはり筋が違う。
いつもの上映時間とは違う明るい時間に下北沢に向かった。
土曜日の昼間の下北沢は人がごった返していた。
チーズ料理のフェスティバルが始まったようだ。
カレーフェスティバルや、演劇祭、映画祭。
様々なイベントが町全体で行われる街だ。
音楽祭はないのかな?これほどライブハウスがあるのに。
いつもの道を歩いているけれど、いつもの風景とは違うし、いつもの呼び込みもいない。
明るいキラキラした街だった。
シカゴは混雑していた。
たくさんの人が古着を手にして笑っていた。
デート中だったり、友達とだったり、一人だったり。
掘り出し物や、かわいい洋服を探していた。
衣装を返してお礼を伝える。
コラボように作成したカードの残りを回収する。
まだ少し残してくださいなんて言ってくださる。
少しの間かもしれないけれど、まだセブンガールズのコラボカードを置いてくださるという。
残ったカードの半数近くを回収してお礼を伝えてシカゴを出た。
また、ここに来るだろう。
舞台があれば衣装を探しに。
帰宅の道すがら、一つ一つ今からやることを確認していた。
横浜に向けて、ポスターはある。
チラシは増刷が必要だけれど、白帯にするか、映画館に特化するか。
チケットを創る必要性があるかないか。
現時点でどんなプロモーションが可能か。
上映時刻によって、登壇イベントが出来るだろうか。
横浜という港町にとって、この映画が強い意味を持つことをどう考えるか。
横浜であれば、チラシやポスターを貼ってくださるお店を探しに行きたい。
宣材が揃った段階で行けるメンバーで行くしかないのだけれど。
噂のパン屋さん「カメヤ」にも行ってみたい。
終戦直後の歴史が刻まれた場所にも足を延ばしたい。
だからと言ってあまり頭を固くして考えすぎてしまうとまずい。
トリウッドまで9月末から、毎月どこかで上映を重ねてきたのだ。
今、発表されている上映館で考えれば、3月4月と上映館がないという事になる。
けれど、それが確定かどうかなんてわからないのだ。
どこかで何かが繋がって急に上映が決まることだって充分にあり得る。
そうなる可能性まで含めて検討を重ねないと、対応できないことがあるかもしれない。
それでも横浜での上映がビッグニュースなのは変わらない。
全国のミニシアターの中でも、シネマ・ジャックアンドベティはトップの人気の映画館だ。
映画館の会員も数多くいらっしゃる。
毎月、直接映画ファンと支配人さんのイベントなどもやってらっしゃるようだ。
地域に根差した、熱い映画ファンが多い映画館。
それに2つのスクリーンで凄い数の作品を上映している。
先々までぎっちりと上映する作品が決まっているような大人気劇場なのだ。
そこでセブンガールズが上映されることはどう考えてもビッグニュースだ。
立ち見が出るほどの人気になるにはどうしたらいいのかなぁなんて考えている。
そういう最高の状況にするためにはという基準で考えなくてはいけない。
前日、トリウッド最終日を終えて、打ち上げのあとの帰り道。
配給の担当さんがポロリと口にした言葉。
「いつかセブンガールズを有楽町で上映したいんですよねぇ」
そんな言葉をふと思い出す。
この映画は「有楽町駅」から始まる映画。
そして終戦直後の有楽町が舞台となった作品だ。
その有楽町は映画館の本丸だ。映画の街だ。
多くの映画会社の本社が近くにあり、歴史に残る映画館が立ち並ぶ。
どの映画館も大きすぎて、とてもじゃないけれどセブンガールズのような小さな映画をかけてもらえるわけがない。
そこにもし行けるのだとすれば一体いくつの階段を登り続けて、いくつの壁を打ち破った時だろう?
数百の客席が埋まるほどの映画にならないと行けるわけがないのだ。
けれど、それが言葉になって出てきた。
人が言葉にしたものは全て実現できるんだよ。
言霊はいつか人を動かしていく。
夢のような話さ。夢のようにつぶやいた言葉さ。
それでもいいじゃないか。
だって横浜で上映出来るんだから。
作品が完成した頃。
口にしたんだよ。
横浜ジャクベで上映して欲しいよなぁって。
それが実現しているんだから。
不思議な話だ。
現実的なチラシの印刷や、チラシの配布を考えると。
いつも頭の中で夢の話も浮かんでくる。
現実はいつだって夢というガソリンで動いてる。
目の前でやらなくちゃいけない事は余りにも地道で、あまりにも孤独な作業が多いって言うのにさ。
頭の中はそんなもんじゃないのさ。
横浜 シネマ・ジャックアンドベティのホームページにセブンガールズのページが出来ていた。
仕事が早いと、感動してしまった。
早速、自分なりにFacebookコメントを残してきた。
心にガソリンを注ぐんだ。