試写会に来てくださった方で、より多くの人に観て欲しいからと公開後に観ていない方がいた。
自分が席を埋めてしまうと観れない人が出来てしまうかもしれないと思ったのだと告白されて。
ああ、そうか、そんな風に考える人もいるのだなぁなんて思った。
試写会と実際に公開した映画は若干だけれど、違うものになっている。
殆ど気付かないレベルだけれど、それでも、観たいと思ってくれていることがまず嬉しかった。
それと同時に、うまく説明できていない自分がいるなぁと気付いた。
実は現実的には、席が埋まっている方が、より多くの人に足を運んでいただける。
これは一見、矛盾したことを言っているようだけれど、実際にそうだったりする。
確かに席が1つ埋まれば、満席だった場合、そこに来たい人が一人、来れなくなってしまう。
ところが、実はそんなことはなくて、それで満席であれば、より上映機会が増える。
翌週に延長になったり、興行成績から他の映画館が決まったり、数百という単位で増える。
例えばその日来れなかった人が、二度と来れないとしても、その何倍もの人が興味を持つ。
映画を思ってくださって、遠慮してくださっている方がいる時にその説明はうまく出来ないなぁと思った。
説明のしようがない事なのかもしれない。
K'sシネマでの一番館での上映は、前売りで初日が、数分で完売するところから始まった。
その勢いのまま、初日に数日SOLDOUTを記録して、結果的に3日で前売りが完売になった。
公開すると当日券も順調に伸びで、連日満員御礼が出た。
最終日にキャンセルが出たのはあったけれど、満員と言ってもいいと思う。
そのまま休映になったこともあって、UPLINK渋谷での上映になった。
その時にはすでに舞台のべた入り稽古に入っていて、出演者もSNSやメールでしか宣伝が出来なかった。
舞台の宣伝も兼ねていた。
あの時、もしかしたら、K'sシネマで遠慮した方だとか、他にも気になっていた方がいたはずで。
そういう方々が、それこそ舞台本番後のロビーで見逃しているんです・・・と言ってくれた方なのだと思う。
舞台の千秋楽が終わってから、都内上映をしていないのだから、今も見逃したままなはずだ。
あの時、どんな風に説明出来たらよかったのかなぁなんて、反省を繰り返している。
今、関東での再上映を待ってくださっている方がいる。
前述の見逃したと言ってくださっている方々もいる。
すでに複数回足を運んでくださっている方々もいる。
そして、舞台を観てから、もう一度映画を観たいと言ってくださっている方もいる。
そういう皆様に、少しでも早く、お会いできる機会を用意しないといけない。
その中でも、ああ、これは!と思っていることがあって。
それは、友人にオススメしたいのに上映していないという言葉だ。
まず映画を観に行く。それから友人に勧めたいと言ってくださっている。
確かにその場合は、同じ週に・・・というわけにはいかない。
その友人と毎日会っているならまだしも。
メールでお知らせしたとしても、残り数回では、足を運べない人も多いはずだ。
最終日に観て、勧めたいと思ったとしたら、もう機会はなかったはずだ。
だから多分、必死にならなくちゃいけない。
次に上映機会が巡ってきた時には。
遠慮せずに、勧めていかないといけないのだと思う。
もちろん、来て来て!と営業するという意味ではなくて。
後で、見逃した!と聞くのがこんなにつらいことだとは思わなかった。
それで例え席がなくなったとしても、その方が確実に次の上映機会が来るのだから。
次があれば、舞台本番前でもないし、舞台のチケットのお知らせと一緒でもない。
もちろん延長してくれるのかも、別の映画館が決まるのかもわからないことだ。まったく。
144分という上映時間は、スケジュールが埋まっていればねじ込むのは大変な尺じゃないだろうか?
それでも、中々観ることが出来ないという作品はすぐに噂になる。
だから、自分は絶対に次の上映機会が来ることになると信じている。
皆様に早く良い知らせを届けないとだ。
自分の中でのロードマップは出来ている。
そして、そのロードマップの共有もしてある。
その通りじゃなかったとしても、そうなるようにするしかない。
稽古後に出演者の一人が言った。
私の知り合いは、だいぶ見逃していて。
舞台もあったから、難しかったんだけど。
舞台が終わって、かなり観たいって言ってくれてる人がいる・・・と。
なんとなく予感がしている。
次に上映機会が来たら、また連日の満員御礼になるような予感だ。
上映してほしいという声をそれほどたくさん聞いている。
もちろん、実際に蓋を開けてみなくちゃわからないけれど。
でもなんだか、そんな気がしてしょうがない。
そのぐらいの期待感を、ひしひしと感じている。
なんと、心苦しいのだろう!
待っていてくださいな。
皆様と共に歩んできた映画は。
まだまだ、皆様と共に歩きたがっているのです。
見逃したなんて言う人が現れないように。
勧めたい方が、思い切り勧めていただけるように。
まっすぐとそこに向かうのだ。
都内で話題にならないと、全国なんて口が裂けても言えないことだ。
まずは、そこまで突っ走るんだ!!