自由で民主主義な日本で生きていても。
不自由なカーストを感じながら戦っていたりする。
学校にいれば、いけてるいけてない。
会社に行けば、出来る奴出来ない奴。
近所で話せば、付き合い、付き合わない。
酒を飲んでも、さむいさむくない。
ああ、もう、どこかに逃げ出したくなるけれど。
何処に逃げたって追いかけてくる。
上だ、下だ、なめてる、なめられてる。
生きているだけでサバイバルなのか?
いつの間にか、戦いの中にいる。
気付けば、隣に君がいた。
たった一つの価値じゃ測れないから、君といるのが心地よい。
上も下も右も左も、なんだったら、ナナメもないさ。
隣さ。
そりゃあ、食べるものもなくて、貧しくて、夢も持てなくて、そんな時代もあった。そんな国もある。
だから、お前たちは幸せなんだと例えば言われたとしても、それとこれとは別だ。
食べるものもあるし、夢だって持てるけど、幸せと不幸せは、それだけはどうにもならない。
何かと比較したってしょうがない。
だから、はみだすのさ。
はみだせば、叩かれる。
出る杭は打たれるし、飛び出た釘は叩きなおさないとね。
そんなもんどうってことねぇさ。
叩かれても笑ってやれ。
くだらない戦いには飽き飽きなんだ。
そんなところで悩むぐらいなら、いちぬけさ。
部屋の中に閉じこもったアイツ。なぁ、そろそろ出てこないか?
その部屋にある宝物を見せてくれないか?
気付けば、あいつはイカレてるってさ。
おかしい奴だってさ。
いかれぽんちのおでましだい。
イカレた奴らが集まって。
イカレた映画を創ったのさ。
あの映画を観て、頑張ってる姿に感動した人も。
この映画を観たら、こいつらイカレテルって思うんじゃないかな?
こんなもん、この予算で、この期間で、創ろうって考える方がどうかしてる。
右手に電動ドリル、左手にシナリオ、頭の中はお花畑。
どこのどんなレールにも乗らないような映画作品。
今も戦ってる。
誰だって。
家族の中で、社会の中で、友達の間で、ちっちゃなプライドがキシんでる。
誰かの嫌味に、ふいにへたり込むときだってあるはずさ。
ぶつけようのない怒りやら、消化しきれないストレスを抱えているはずさ。
そんな時に出会うんだ。
最高にイカした何かに。
それは音楽かもしれない。
音楽にもならないただのシャウトかもしれない。
圧倒的な映像美かもしれない。
現代美術かもしれないし、写真かもしれない。
ぶっとんだ何かに突然出会うんだ。
最高にイカれてて、最高にイカした何かに出会うんだ。
こんな無茶苦茶な企画なのに、映画公開だってさ。
チケット予約も開始してるんだってさ。
まぢかよ!?しんじらんねぇわ!
でも、それも全て、何かを吐き出すためじゃないんだ。
自分はここにいるぞ!と存在証明したいわけでもないのさ。
たった一つ、あなたに観てもらいたいからなんだ。
今も戦ってるあなたこそが、出会ってくれると思っているからなんだ。
なあんだ、そういうことか!って思ってくれればいいんだ。
そして、全てを笑い飛ばしてやりたくなってくれたら、サイコーなんだ。
大通りのはじっこで、エキセントリックに騒ぐ手もあるけれど。
おいら、大通りのど真ん中を、歩けないはずの道を、旗立てて堂々と歩いてる。
後ろ指なんて覚悟の上さ。
変わったことをしてるんじゃない。
歩いちゃいけないんじゃないかって、共同幻想をぶち壊しに来たんだ。
映画という娯楽に真正面から取り組んだのさ。
イカレてるって今は言われても。
どこかの、あなたが、イカシテルって言ってくれたら本望だ。
その時、きっと、上も下も左も右もない。
あなたの隣に、セブンガールズがいるよ。