2018年08月28日

竜の巣の向こうにあるんだ

子供の頃、親戚のおじちゃんの車に乗ったまま、ガソリンスタンドで洗車をした。
車に一斉に水がバシャバシャとかかって、でっかいモップがぐるぐる回って。
ガキの目からは、まるで潜水艦に乗っているような、すごい冒険に出ているような。
小さな恐怖を隠しながら、ドキドキしたのを覚えている。

まさにその時の車と同じような電車の中にいた。
夕立・・・というには、余りにもひどすぎる。
積乱雲の真下に入った。
雷が渦巻き、雨が窓を叩き、暴風が景色をぼかしていた。

劇団の旗揚げ20周年記念公演と、映画「セブンガールズ」のセット券のチケット予約開始日だった。
朝一で起きて、対応、事務作業を重ねていく。
何時間もPCの前に張り付いたまま、延々と作業し続ける。
発売開始直後に、映画の公開初日の先行発売分がなくなってしまった。
あまりにもあっという間だった。
やっと、SOLDを発表した時も、まだ初日の注文が続いていた。

予約が落ち着いてからも、少しざわざわしていた。
午前中に注文すれば・・・と思っていた皆様が、日程変更をせざるを得なかったからだ。
気付けば、二日目と、水曜の、先行発売分が、残りわずかとなっていた。
まさか、このまま予約開始初日に、2か所もSOLDを出すのだろうか?とドキドキした。
ネットを観れば、出演者たちが喜びの声を上げている。
ありがとうございます!という言葉が、SNSを飛び交っていた。
少し皆、興奮気味だった。

今日まで長く準備を重ねてきて。
いよいよ実際に公開に向けて予約開始して。
それが、想像以上に人気だったのだから。
気温は体温を越えるような暑い日だったけれど。
体温はその気温を越えるほど上昇していた。

もちろん、前売り券は限定枚数のみだ。
実際は当日券を求めるお客様が集まらないと、初日満員とはならない。
だから、自分たちでこの映画をアピールし続けることは変わらない。
それでも、前売り券が想像以上に伸びていくことは、喜びだった。

床屋に寄る。
発売日だしね。
今日を皮切りに。

電車に乗ると、前述した嵐のトンネルに突っ込んでいった。
車内もどこか落ち着きがなかった。
停電になれば電車は止まってしまう。
電車の中は安全地帯で、窓一つ隔てた外は、信じられないような嵐だった。
たったガラス一枚で、空間が切り取られていた。
まるで、今の自分だ。

駅についてもまだ雨粒が強いから。
駅舎で少し雨宿りをした。
肌に触る湿気が、一旦雨が弱くなることを告げていたから。
プロデューサーから電話が来る。
あっという間の初日SOLDについて。
プロデューサーも少し興奮気味だった。
でも、当然のように俯瞰でも同時に考えていた。
盛り上がり、勢い、そういう雰囲気、そういうものを初日SOLDが起こした。
けれど、それだけで、初日満員になる保証なんてどこにもない。
雨宿りをしながら、更にココカラどうしていくのか、簡単に話した。

雨が弱くなったから駅を出る。
スマートフォンにはまだ注文が続いていた。

先日のユーロにチラシがなかったことを思い出した。
この映画を観たいと思ってくれている方はどのぐらいいるだろう?
外向きに外向きに、広い世界にこの映画を知ってもらうにはあと何が必要だろう?

さあ。はじまったばかりだ。
まだまだ先は長い。
まるで、冒険のようだ。
潜水艦に乗って、海底を進んでいるようさ。
海上に出るその時。
そこには、どんな景色が広がっているかな?

嵐の船出の方が、興奮してしまうんだ。
やれやれ。

よおし!潜望鏡を覗いてみよう。

キョロリ!
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:58| Comment(0) | 映画公開への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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