2018年06月02日

PV第4弾公開



「この1ページは2ページなんです。」

ラインプロデューサーに言われたとき、一瞬、意味が解らなくなった。
けれど、すぐに、ああそうだよな・・・と納得した。
劇団ではいつもA4のコピー用紙に上下二段組で台本コピーをする。
上下で2ページずつ印刷して、自分で折って本組をしていく。
その上部1ページを指さして、これは2ページだという。
そう、通常の映像の現場のシナリオは、見開きで左右2ページになる。
つまり、そもそもの2段組の台本は、シナリオ換算で4ページもの情報が詰まっていた。

当然、撮影前の準備段階で、シナリオの内容を分析していく。
その最初が、台本のページ数だ。
定格のシナリオと同じ形式に、それぞれの作家が持ってきたテキストを変換していく。
その上で、最終的に何ページになるのかを確認する。
ページ数や文字数で、大体の尺が出るのだ。
そこから、シーンごとに、時間を割り出して、撮影スケジュールにしていく。
この日は、4シーン撮影出来るな・・・とか事前に解っていないとなんのスケジュールにもならない。
シーン自体の長さと、撮影にかかるであろう時間とは、経験則で考えていく。
当然、天気であるとか、日照であるとか、あるいは飛行機音が入ったりとか、計算できない部分もある。
ロケ地で借りることのできる日程も決まっている中で、シナリオは全ての基本になっていく。
どれぐらいのスケジュールで、どれぐらい撮影できるのかを考えて、組み立てていく。

その上、120分の映画作品であれば、50~70ページだという。
ただでさえ、左右で言えば倍の台本なのに、100ページを超える台本を渡していた。
「通常の4倍の量があります。これは、8時間の映画になってしまいます。」
その場で言われたのは、まともな撮影スケジュールでは不可能ですという通達だった。

監督も自分もそこは計算してあった。
・・・というのも、すでにその台本で稽古を繰り返していたからだ。
1ページ2分が通常の映画の計算なんですよと言われたけれど。
自分たちの感覚だと、1ページ・・・映画のシナリオでいうところの2ページ・・・が、1分強だった。
そして情報量が溢れるほどの作品にして、編集で削っていった方が良いと最初から言っていた。
通常の4倍の長さの台本を、120分目指して撮影する。
あたりまえだけれど、シナリオについては、何度も難しい、無理だという意見が続いた。
ただ「出来るんです」と説明する以外に方法はなかった。
撮影初日に組まれた撮影スケジュールをまいて、翌日に予定したシーンを撮影するまでは誰にも信じてもらえなかった。
それはそうだろう。4分のシナリオを1分強で済むと、口で説明するだけなのだから。
一週間で撮影しきるのが、スタッフさんに奇跡のようだと言われたのは、シナリオ作りから始まっていた。

120分は結果的に超えたけれど、ほぼ予測通りの時間でシーン撮影が出来た。
つまり、このセブンガールズは通常の長編映画の4倍の情報が詰まっている映画だ。
登場人物がここまで多く、それぞれにキャラクターもエピソードも用意されていて。
それでも物語が破綻することなく進む最大の理由は、シナリオ構造にある。

ハリウッド映画が、数十本のPVを公開できるのに、邦画では片手以下のPVになるの理由もそこなんだと思う。
元々作品が持っている情報量が少ないから、あまり予告編を多く作ると、作品内容に触れていってしまうはずだ。
「七人の侍」なら数十本のPVを作成できるけれど、「東京物語」では何本も創れないんじゃないかと思った。
群像劇であればあるほど、当然、情報量は増える。
スターウォーズだって、アベンジャーズだって、情報量が多い。

PVの第4弾を公開した。
どのPVにも初公開になるカットが入っている。
それでも物語の主軸になる部分のネタバレになっていない。
それどころか、それぞれの役の前提のみで予告編を創れる。
いや、むしろ情報量の多い作品を観る前に、作品に入り込みやすくするようなPVを作成できる。
そして、映画を観た後に、もう一度PVを楽しめるような仕掛けだって組み込める。
既に第4弾でありながら、未だにあらすじのPVを公開していないのだから自分でも驚いてしまう。

この作品は多角的に楽しめる。
それぞれの登場人物で楽しめる。
涙も、笑いも、アクションも、あらゆる角度から楽しめる。
歴史も、時代も、個人も、色々なことが詰まってる。

これは、作品の一端に過ぎない。
そう思えるからこそ。

郁子のPV。
きっと、舞台のセブンガールズを知らない人が観たら、それまでの二人との違いに驚くだろうなぁ。
こんな、娼婦も出てくる。
一体、どんな映画なんだろう?
そんな幅を感じてくださるといいなぁ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:17| Comment(0) | 映画公開への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。