印刷物の決定稿が出た。
これで入稿するだけになった。
映像編集も頭が痛くなるほどだから、気分転換をする。
買い物に出かけて、その後、1時間ほど歩いてみた。
予定では違ったんだけれど、中学生の頃毎日歩いた登下校の道を。
かつて住んでいた場所を通ってみたりする。
景色はいつの間にか変わっている場所も多かったけれど。
所々、歩いていると、思い出が落ちていた。
ふと空を見れば、夕焼け空。
春の夕焼けの色だった。
日本の夕焼けは、季節によって、わずかに色が違う。
赤、オレンジ、紫、ピンク。
この色は確かに春の色。
雲の光り方が少し違うんだよなー。
散々歩いたから、作業に移行できない自分。
まだ脳内が雑念で溢れている。
なんとなく、やることを整理して、作業開始。
わずか一か所修正に、かなりの時間悩んでしまった・・・。
まぁ、そんなものか。
でも、いずれ、少しずつと思っている。
とりあえず、今日はここまでだな。
形になるのはもう少しだけ先。
予定より1日早いけれど、明けたら、入稿をする予定。
決定稿が出たのであれば、わざわざ締め切りまで待つ必要もない。
明けたら、入稿前のチェック、今日の作業の続き、稽古の準備、キッカケ表のアウトプット。
まぁ、細かい作業もあれば、大きな作業もある。
連絡もまだ来るかもしれないし、どこまでやれるかもわからない。
監督にも決定稿が出たので送信した。
お疲れ様の言葉。
いえいえだ。
歩いている途中で。
いつか、住んでいた場所の。
コンクリートの長い階段。
そのわきの、草むらに。
黒猫を探した。
病気で亡くなった、キンちゃんがいるような気がしたからだ。
いるわけないか。
去勢したから、子供だっていないはずだしさ。
でも、なんか、いるような気がした。
あいつは、あの階段のそばで、いつも帰宅を待っていたから。
頭のいい奴だった。
親父も、おふくろも、出かけるときは、お見送りをするような奴だったから。
春の夕焼けの中。
長く伸びた影の中に。
黒猫がいるような気がした日。
影のようだった君の、影も見当たらなかったよ。