2018年02月24日

色の分からないメダル

冬季五輪も終わろうとしている。

出場している選手たちは、ここにこれたことを誇りにすると発言する。
凄い経験をしたのだと口にする。

スポーツには、勝敗がある。
厳しい世界だ。
五輪選手は、全員、誰かの夢を食らって、そこに辿り着いている。
五輪に出たいという夢。
家族に幸せになってほしいという夢。
怪我さえなければ、天才と呼ばれていた人の夢。
運がなかっただけの人の夢。
たくさんの夢。
それを抱えた選手たちの夢を、勝敗の中で食らい続ける。

そして、選手は、五輪でメダルの夢を食われる。
メダルが欲しかったという言葉すら口に出来ないほど、残酷に食われる。
人の夢を食い続けたものの頂点が、あの金メダルだ。
初めは同級生の夢だったかもしれない。
それが地域のライバルたちの夢になって、全国の夢になる。
ついには、世界中の夢を食らいつくす。

けれど。
一方向ではない。
夢で満腹になったものは、まるで、そのお返しをするかのように。
たくさんの夢を世界中にばらまく。
勝利の涙で。
勝利の笑顔で。
世界中の子供たちに、夢を配る。
還元されていく。

そしてまた、その夢を抱いた世界中の中のたった一人が、もう一度、その夢を食らいつくしていく。

その時に光る。
かつて、夢を食われた人が、かつて夢でいっぱいであった自分にもう一度出会う。
重ねていく。
悔しかった涙を思い出し、苦しかった練習を思い出し、笑いあった仲間を思い出す。
かつて夢を持っていた自分を思い出す。
勝利の喜びを思い出す。

そこからなんじゃないか。
そこからが、本当に、生きていくことなんじゃないか。
その大事な光を、自分の中で、どんな風に抱えてみるか。
そこが、勝敗を越えた、スタートなんじゃないだろうか。

なぜならば、人生に勝敗なんてないからだ。
勝ち組だの、負け組だの、口にする連中は、まだまだわかってない。
小さな勝ち負けはあっても、結局、芝居をしていると勝敗なんてない場所だと感じる。
それでも、夢を食われたりする。失ったりする。
若い才能に触れた時に、かつての自分を思い出したりする。
勝敗を越えたところで、大事な光を探し続けてきたからこそ、感じる。

夢はあなたのものじゃない。
還元する、ぐるぐる回る。
いつかの自分が夢を持った日のように。
いつか誰かが繋がって繋がって夢を持つ。

少女がだぶだぶの柔道着を着て、歩いていた。
2月に寒いだろうなぁなんて思っていたけれど。
げらげらと笑っていた。
今、君がみている夢は、いつかの誰かの夢なんだよ。
そして、今、君がみている夢は、未来の誰かの夢になるんだよ。
そんな風に思える自分がいる。

大丈夫。
きっと素晴らしい未来が待ってる。
素晴らしい未来は、勝利じゃない。
もっともっと、素晴らしい光り輝くものだ。
誰とも比較されない、たった一つのものだ。
いつだって、ここからだ。

何色だっていいさ。
真っ赤っかでもいいさ。

posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:34| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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