調べておいた時間の電車の2本前に乗る。
何が起きるかわからないから、念のためだけれど、特に電車が遅れることもなかった。
前日よりも寒いという予報だけれど、前日よりも高地でも山陰でもない。
思った通り、明け方は酷く冷えていたけれど、やはり山の上は芯からくる寒さだったなぁと痛感。
朝から、撮影。
タイトなスケジュールだというのはわかっていたけれど。
貼ってあるスケジュールは前日に頂いたものから、またさらに変更されていた。
スケジュールを頭に叩き込んで、自分なりにどこで着替えるとか、休めるとか確認しておく。
流動的にスケジュールは変更になるのもわかっていつつ、慌てたりはしたくない。
呼ばれたときに、煙草を吸いに行っていたなんて最悪だから、自分で時間も見つけておく。
結構、肉体的な撮影もあって、面白かった。
子役が何人もいて、なぜだか休憩時間に遊びにやってくる。
30分ぐらい空きそうだから、少し仮眠を取ろうなんて思っていた時間帯に、完全に囲まれて。
子役と輪を描いていたりして、なんだか、面白かった。
自分の精神年齢が幼いのかもしれない。
まるで、近所の友達みたいに、ため口で、あのさぁと話しかけられる。
子供って、人によって、距離を取ったり、詰めたりする能力を持っている。
何かを見透かされているんだろうなぁ・・・。
男の子も、女の子も、かわいらしかった。
監督に、2回ぐらい、ちょっとやりすぎですよ!と演出してもらった。
時間がなくてすぐに本番の時は抑えめにして、テストのときは思い切ってやる。
テストの後の本番では、全てOKだったから、よしとするけれど。
まぁ、1回は、自分がやりすぎというか、子役の女の子たちが、テンション上がっちゃってたのを乗せちゃっただけだけど。
でも、あの子たちに、じゃあ、こうしようよと提案したら、すぐに修正してくるからすごいなぁと思った。
聞く耳もあるし、修正能力も、幼くても持ってる。
多くの人の中の一人だとしても、一応の役作りをしていて。
魅力的な人物であろうとはしていたのだけれど・・・。
それが実際に出来ていたのかどうかまではわからない。
それでも、どんな役でも、役者として出会えたからには、その人物を愛したいなぁと思っていて。
そういうディティールを、出せる場所をもらえたなぁと今になって思う。
たくさん映りたいとかよりも、その役の人間性が一瞬でもいいから、わかるといいなぁとか思う。
着替えも、食事も、準備も、トイレさえ、誰よりも早くしろと、先輩に教わっていて。
呼ばれたら、他のどの役者よりも早く現場に入るように。
それだけは徹底した。
全てが終わって、何人かで呑みに行く。
知らない街で、酒を飲みながら。
反省したり、笑ったり、2日の撮影であったことを話す。
大したことは話さないけれど、それで向上することもあるんじゃないかなんて思う。
その後はまた長い長い帰宅の途。
寝過ごしてしまうんじゃないかと思ったけれど。
奇跡的に、目的の易の手前で必ず目覚めた。
監督はこれから編集納品が待っているわけで。
役者はこれで待ってるだけなのだから、お気楽だよなぁと思うけれど。
申し訳ないなぁと思いつつ、完成が楽しみだ。