その瞬間まで信じようと決める。
決めたんだから仕方がありません。
なんのために?
それもわからないけれど。
その瞬間まで信じないといけない気がする。
このプロジェクトを立ち上げた時。
おいらが、何よりも信じたのは、この作品の持つ力。
この作品は、どこまででも飛べると確信していたからこそ。
無謀とも思えるような遠大な彼方を観ることが出来た。
その彼方はまだ遥か先だ。
まだまだずっと先の話だ。
そこに辿り着けるかどうかすらまだまだわからない。
ただただ、一歩ずつ進むだけだ。
週が開ければヴェネツィアの作品が発表される。
それも、その発表の瞬間まで、おいらだけは信じていようと決めたんだ。
だって、この作品の力をおいらは信じたんだから。
そして、本当に色々なことがあって、今日にいたって、出来上がった作品。
もちろん、監督の作品だけれど、おいらにとっても子供みたいなものさ。
自分の子供を信じないなんてどうかしているだろう?
おいらが、信じようが、信じまいが。
それで、世界が変わることがない事なんて、大人になって、とっくに知っている。
一人の思いが世界に影響を与えることなんてない。
動け!動け!といくら念じたって、コップは動かないんだ。
本当に世界が変わるとしたら、その為に、ありとあらゆる準備と汗が必要だ。
念じただけで、どうにかなるものじゃない。
そんなに、甘い世界に生きてはいないのだ。
だから、意味なんかないのだろう。
だから、意味なんか求めていない。
これは、つまり、覚悟だ。
この企画を始めた自分の持つべき、最低限のノルマだ。
だから、信じるのだよ。
意味もないし、何かが変わるわけではなくとも。
信じるのだよ。
その先にしかない。
まず、信じることから始めるしかないのだから。
どんな現実だって、その先にしかありえないのだから。
あなたへのプレゼントは、まだここに残してる。
それじゃないんだ。本当は。