いよいよ全世界が注目するカンヌ映画祭が、遠く海の向こうで開催する。
9日という長い期間、世界中の映画関係者が集まる一大イベント。
映画祭には参加できなかったけれど「SEVEN GIRLS」は間違いなくその中のマーケットに参加する。
「Director David Miyahara」と、記載されている。
Marché du Filmの日本ブースにある。
国際映画祭というのは通常都市で行われる。
その土地の大きな宣伝にもなるし、多くの人が集まるから受け皿も必要になってくる。
4大映画祭を観ても、ドイツ首都のベルリン、イタリアのヴェネチア、ロシアのモスクワといった具合に。
日本でも東京国際映画祭がもっとも大きな映画祭になる。
数多くのスクリーンがあって、宿泊施設があって、パーティ会場がある。
そういう場所でやるからこそ、多くの交流が生まれるのだろう。
カンヌはその中で、ちょっと浮いている。
フランスの高級避暑地。
日本で言うなら、鎌倉とかなのかなぁ。
ああ、沖縄国際映画祭なんていうのがあるけれど。
フランスの高級セレブ達が別荘を構える南仏リゾート地。
プロヴァンスの入口。
時間がゆったりと流れている場所だと聞く。
当然、宿泊施設などのインフラは整備されているのだろうけれど。
そんなにたくさんのスクリーンまであるかぁ。
ヨットハーバーに、ビーチ。
なんとも想像するだけで、わくわくするような映画祭だなぁとつくづく思う。
レセプション、ワークショップ、パーティ、が9日に渡って開催されて。
皆が、まるで自分がスクリーンの中に入っているかのような日々なのだろうなぁ。
世界三大マーケットの香港Filmartの時に、Screeningスケジュールを意味もなく眺めて。
自分なりのスケジュールを勝手に立てたりしていたのだけれど。
Marché du FilmのHPをいくら検索しても、試写スケジュールがどこにも掲載されていない。
確実に、かなりの数をしているはずなんだけれど・・・。
よくよく翻訳して読んでみると、既にカンヌのマーケットでの試写はオンライン化されていることが分かった。
すごいなぁ。
もちろん、スクリーンでの試写も行われているはずだけれど、更にオンラインでもになっている。
バイヤーが例えば期間中に見逃してもオンラインで確認できるようだ。
そのオンラインの中にもSEVEN GIRLSを見つけた。
オンラインだと、実際に試写した人数とか、そういう履歴も残っちゃうのかなぁ。
とっても便利で、きっと、口コミもさらに広がりやすくなっているのだろう。
どこかで誰かが絶賛すれば、すぐに広がっていきそうだなぁ。
日本のごみごみした喧噪の中で。
海の向こうを想像する。
おいらは、こんな鮨詰めの電車に揺られながら、同時に、地球の裏側の映像の中で芝居をしている。
香港Filmartは、国際映像見本市という位置づけだったから、テレビドラマなども多くラインナップにあったけど。
Marché du Filmは、国際映画見本市だから、映画ばっかりだ。
もちろん、アニメ映画や、ドキュメンタリーや、ショートフィルムはあるのだけれど。
それでも香港よりはずっと少なくなっているから、探しやすかった。
かつて2000年代ぐらいの頃。日本映画はものすごい盛り上がりを見せていたらしい。
ジャパンブースは、世界中のバイヤーが集まった。
でも、今は、アジアの中でも日本映画はそれほど注目されていないと聞いた。
聞いた話だから、本当かどうかもわからないけれど、海外BLOGを翻訳してみてもその傾向がなんとなくわかる。
イランなどの中東の映画、中央アジアの映画、アフリカの映画が盛り上がっているように見える。
東アジアで、一番、注目されているのかな?と思えるのは韓国映画。
まぁ、もちろん、そのお国柄が映画にはやっぱり反映されてしまうとは言え、個々の作品で評価が分かれるだろうけれど。
隆盛期があって、今があるとして、それを衰退と呼ぶのか、それともより多くの国の映画が盛り上がってきたとみるのか。
今はむしろ、国内マーケットを大事にしているのか。
それは、それぞれの考え方なのだろうなぁ、きっと。
9日間で、何か面白い話が出てきたらいいなぁ、なんて想像はもちろんしているのだけれど。
それは、どこかの映画祭のプログラマーが気に入ってくれたらしい・・・とか、そういうことだけじゃなくて。
どこかの国のバイヤーが、上映したいと言っていた・・・とか、そういうことだけじゃなくて。
もっともっと、シンプルなこと。
誰かが観て、誰かが泣いたとか。
誰かが観て、誰かがBLOGを書いたとか。
なんか、そういうリアクションが見えてきたりしたらいいのになぁ。
確実に誰かが目にしたりすることがあると思うのだけれど、それがどんなリアクションなのか。
やっぱり、それが一番に気になる。
コアな日本映画ファンが諸外国にいる。
そういう人には、ぜひぜひ観て欲しいなぁ。
多分、あ!って思うところがちりばめられているはずだから。
ある意味で夢がかなっている。
実感がないだけで、おいらたちの作品が海を越えて、世界に出ているのだから。
想像していた段階では、皆で俺たち世界で勝負してるぜイエーイなんて盛り上がってる予定だったんだけど。
そんな夢がかなっていても、どうしても、海の向こうの、おとぎ話のような気がしてきてしまう。
あの歌が、カンヌで流れているなんて、想像もできない。
まぁ、それは夢の話。
現実を観れば、やはり、どこかで結果を積み上げていかないと。
舞台と変わらないぐらいの上映期間で終わってしまう可能性が強い。
現実を直視しないといけないから。
吉報がないといけないのかな、やっぱ。
幽体離脱が出来るのなら。
魂だけでも、カンヌに飛び立つのに。
英語もフランス語も喋れないけれど、魂で話すのに。
プロヴァンスの風に吹かれながら、唄うのに。