音楽監督から、テーマ曲3曲のデータが届いた。
・・・なんて、書くと、え?それは出来ているんじゃないの?と思うかもしれない。
もちろん、出来ていた。
もう、出来ていたというなら、去年のこの時期に出来ていた。
そうじゃなきゃ、練習すらできなかったのだから。
そして、レコーディングもしたし、ラフミックス状態の曲を当てて、編集作業をしていた。
全ての楽器が鳴っているし、歌も入っているし、バランスも取れているものだ。
でも、それは、あくまでも、”ラフ”ミックスなのだ。
ミックス作業が終わった楽曲が届いたという事だ。
ミックスというのは、いわゆるミックスサンドとかと同じ意味のミックス。
つまり、混ぜるという意味だ。
楽曲のデータというのは、何トラックも重なっている。
リズムトラックには、太鼓の音とかシンバルの音があって、それぞれが別のトラックに収録されている。
そこに、ピアノだとか、ストリングスだとか、ホーンだとか、様々な音色のトラックが重なっていく。
そして、ボーカルも重ねる。
全部で、何十トラックになる。
その全てのトラックの、音量を書き込んでいき、余計な成分を削ったり、エフェクトをかけていく。
そして最後に、何十もあったトラックから、LRの2トラックのステレオトラックに書き出す。
これを、ミックスダウンと言って、パラレルのデータが、いわゆる誰もが聞けるデータになってくる。
製品だと、更にこれにマスタリングという作業が入る。
2チャンネルに音が混ざったステレオデータを、全ての帯域が美しく出力されるように調整するのだ。
普段、誰もが耳にしている音楽は、基本的に必ずこの工程を経て市場に出ている。
前回までの曲を何度も繰り返し聞いているから、2mixに出力された完成版を聞いて、すぐにわかった。
それぞれの音の抜けが全く違って、クリアになっている。
前の音を今、聴いたら、どこか、曇って聞こえるだろうと思えるぐらいはっきりしている。
ヘッドフォンで聴けば、更に、音声の粒立ちがハッキリしてくる。
微妙に揺れる音があったりして、心地よくなったりする。
歌入りの2曲と、インスト1曲。
インスト曲の後半、うわああああって、背筋に電気が走る。
映画だなぁ、これは。
歌入りの曲を、実際に歌った女優達に送るかしばし考える。
通常レコーディングをして完成すれば、当然、プレーヤーには送るものだから。
でも、考えたうえで、音楽監督とも連絡しながら、映画を観てからにした。
歌手ではなく女優だしね。
やはり、芝居あっての歌だから。
音楽監督と連絡をとっていると、サントラの作成に入っているという。
サウンドトラックは、クラウドファンディングの特典としてお願いしてあったものだ。
その曲数を聞いて、ひっくり返りそうになる。
サントラは、映画で使った音楽をただ並べればいいんじゃない?と思うかもしれないけれど。
サントラを聞いたことがある人はわかると思うけれど、実際はそうなっていない。
映画で使用した音源の完全版が並んでいるというイメージだ。
まぁ、それは、すぐに完成させるというよりも、時間がある時に少しずつ構築していくだろう。
映画ではバラバラになっている数曲が繋がったり、組曲になったりもするかもしれない。
想像するだけで、ワクワクするけれど、そこはもう、リスナーとして楽しみにしておこう。
でも、たぶん、作成している側が一番、今、楽しいだろうなぁ。
映画のサントラって、一時期、好きで聴いていたなぁ。
サウンドトラック「Seven Girls」
その響きだけで、ドキドキしてしまう。