整音作業をするマシンについて、実はちょっと色々複雑だったりする。
KORNさんの助手さんのMACのノートに入っているProtoolsでの作業。
その作業を、助手さんと一緒にしてくださるエンジニアさんが見つかったわけだけれど。
実はエンジニアさんの環境では、現在のファイルを読み込むことが出来ない。
いや、正確には、書き出して読み込めば、どんなソフトウェアでも対応は出来るのだけれど。
書き出して、整音して、もう一度書き出して、KORNさんが更に取り込まなくてはいけない。
そうなると、その間にトラックが変わったり、微妙に色々面倒が起きる可能性がある。
最悪、せっかく、整えたのに、反映できなかったなんてことにもなりかねない。
そうならないためには、やはり、同じProtoolsでの作業がベストだ。
実はエンジニアさんの使用しているProtoolsとヴァージョンが合わない。
もし、あえば、エンジニアさんの端末で作業が可能になる。
そうなれば、いつも使っている液晶モニタや、コントロールフェーダーを活用できる。
WinとMacのOSの違いは別にどちらでも変わりはないけれど。
さすがに、アプリケーションは同一じゃないと、読み込むことすらできないのだ。
ところが、エンジニアさんは、新しいOSと、Protoolsを購入済みだった。
ただ、様々なハードウェアのドライバー更新など、かなりの大作業になるからアップデートをしないでおいたらしい。
ただ、ソフトはあるし、いずれ更新するから、これを機にアップデートをして。
もし、可能であれば、自分の慣れた環境でも作業を出来るようにすれば・・・と言っていた。
アップデートに失敗したら、助手さんのノートのMACごと借りて作業するという流れになっていたのだけれど。
3台のPCにインストール大会をしてみて。
実際、一台にはインストールは出来たのだけど、やはり、立ち上がらないという状況までは知っていた。
やはり、PCごと借りての作業に落ち着くなぁと思っていたところだったのだけど。
今日来た、連絡は、想像を超えるものだった。
「購入したPCが届いたら・・・」
え?購入?
これを機にアップデートまではわかる。
実際に、ソフトウェアは持っているとも聞いていたから。
どこかでアップデートしなくちゃいけないと思ってたというのもよくわかったのだけど。
まさか、これを機に「PC購入」までとは思っていなかった。
もう、ハラハラして、このためにだったら、申し訳がなさすぎると伝えると。
実際にLIVEのレコーディングのサブマシンを買い替えたいと思っていた時期だという。
狙っていた端末も元々あったんだよなんて、返信が来る。
多分、本当のことなのだろうけれど、気を使ってそういっている可能性だってあるし。
このお願いがなければ、間違いなく、アップデートもなかったはずだ。
もちろん、助手さんのMACでマウス操作だって、目的の日程までに整音を完成させるだろうと思う。
後ろから観るだけでも、マウスだけでもその作業スピードはすごかったし、時間的に間に合うと感じた。
それと、作業が始まったトタンのその集中力。
一気に、自分の作品として、ディティールにまで入り込んでいく作業。
人によっては面倒だなぁと感じるような部分まで、徹底するという事は、同時に楽しんでくださっているのが分かった。
だから、その作業のポテンシャルを更にあげたら、どうなってしまうのだろう?と、どこかドキドキもしている。
映画の音を整理していくという作業を楽しんでやってくださるとすれば、それ以上はない。
申し訳ないなぁという思いと。
そうなった時の作業のすごさの期待と。
感謝の思いがないまぜになる。
いつもいつもだ。
おいらは、人にお願いをする。
おいらに出来ることって、お願いした以上に自分も頑張ることぐらいしかない。
任せっぱなしにしないで、自分で出来ることは全て自分でやることぐらいだ。
でも、そう思って頑張っているのに、圧倒される。
思うのだけれど、それは、仕事以上だ。
プロフェッショナルは完璧な仕事をする人のことかもしれないけれど。
実は、更にその上がある。
仕事の対価が金銭だとすれば、そんなものを越えてしまうもの。
とてもじゃないけれど、プロには出来ない仕事というものがあるんだ。
この「セブンガールズ」という企画で、おいらは、何度、そういう機会を目にしたのだろう。
多分、仕事という認識では到達できないレベルがある。
熱中してしまうというか、衝動というか。
思いから始まる何かがないと、行けない世界だ。
本当にすごいんだぜ。すっごいんだ。
そういう世界の向こうに。
「Seven Girls」が生まれようとしている。