2016年11月11日

夢みたいだぞ

ここに何を書こうかなと思ったらFacebookからポップアップ。
音楽監督の吉田トオルさんから、メッセンジャー経由で、曲が届いた。
すぐに再生を押して曲を聴く。
な・・・なんて便利な時代になったんだろう・・・。
昔は音楽ファイルだって、重すぎるから、結構な時間かかったのに。
ほぼリアルタイムで曲を聴ける。

トオルさんのBLOGを読んでいる人は知っているかもしれない。
すでに、シナリオを読み、ロケ地の空気を感じて、撮影風景を見て。
トオルさんは20曲を超える曲を書き下ろしている。
舞台版のセブンガールズにも流れていなかった完全書き下ろしだ。
どれだけたくさんのイメージが流れ込んだら、そんなに曲ができるのだろう。
まして、曲作りをしてそのまま寝て、夢に出てきたアレンジをそのまま生かしたなんて書いている。
起きているときだけじゃなくて、夢の中でまで作曲している・・・。

監督とトオルさんのコンビは、もう随分と長い。
劇団創立前からなのだから、20年以上の歳月が流れている。
一緒にバンドをやっていた頃だから・・・。
だから、二人はツーとカーで、お互いのセンスをぶつけることが出来る。
今までも、何度もそういう場面を見てきた。

よその劇団の演出家が聞いたら、嫉妬して、驚くようなことを実は舞台でもやっている。
クライマックスの音源を用意して、劇場で、曲を組み立てるようなことを実は今もやっているのだ。
これは、たぶん、今までどこにも書いてないし、いつものことだから、特別にしていなかったけど。
今、思えばとてつもなく、すごいことだ。
具体的には、クライマックスの音源を、Aメロループ、Bメロ、サビとバラバラで用意してある。
-実際の芝居を観て、このセリフを言って役者が振り向いた瞬間にAメロをループで流す。
-このセリフの直前にAメロをカットオフ、セリフ終わりにかぶせて、Bメロを1つだけ。
-アクションがはじまると2つ間を空けて、サビ。
そんな風に実際の芝居を観て、音を再編集していくのだ。
当然、照明さんとも打ち合わせて、照明効果の切り替えともリンクさせていく。
クライマックスの曲に合わせて芝居をするのではなく、芝居に合わせて劇場入りしてから曲を完成させている。
一瞬のブレイクなどは、何度も場当たりで確認して、詰めて決めていく。
少なくても、そこまでしている劇団なんか、実は見たことも聞いたこともない。
音響オペレーションをしているKORNさんは、レコーディングエンジニアで、その場で曲を完成させることが出来る。
同じ曲でも、何パターンもマスターを小屋入りしてから作っている。
限られた時間でも、そこまで追い込む。

そのままもう一曲と最初の曲のアレンジ違いの合計3曲を聞きながら、チャットを続けた。
ふと思うことがあった。
通常、映画では絵編集が終わってから、音楽監督に曲を乗せてもらう。
先進的な映像だ!と褒められて映画に挑戦するPV映像作家がいるけれど。
PVは、逆に音楽ありきで、音楽に合わせて、映像を組み重ねていく。
音のテンポや、曲の変わり目で、アングルを変えたりする。
けれど、映画はその逆で、映像ありきで曲をかぶせるわけで、先進的というよりも、基本的な土台が違うのだと思う。
けれど、監督とトオルさんであれば、きっとどちらからでも編集出来るなって思った。
しっとりしたシーンは、映像にトオルさんに曲を当ててもらって。
テンポの速い激しいシーンは、音楽に監督が映像を当てていく。
そんな相互関係も可能なんだなと気づいた。
映画的な迫り方も、PV作家的な迫り方も、同じ映像作品に組み込める。
ディスニーのミュージカル映画なんかは、音楽ありきで絵コンテを立てていくと思うのだけれども。
それに近いことも可能なんだなぁと、漠然と思った。
まるで曲作りにおける、詩先、曲先みたいだ。

実際の繋ぎの編集作業が始まったら、先にここの曲のデモありますか?とか確認もできる。
場合によっては、タイミングが合えば、編集作業に呼ぶこともできる。
そしたら、いつも舞台で、クライマックスに1時間近くかけている詰め方を、色々なシーンで出来るかもしれない。

すみません。
この興奮が伝わるかわからないけれど。
今、おいらは、そんな編集を、心の底から夢みたいだぞって思っているのです。
わからないかもしれないけれど。
監督とトオルさんの、クリエイティブな時間。
それが、映画作品というフィールドで実現するっていうのは、ちょっと前まで夢だったのです。
おいらがショートフィルムで「オクリビ」という作品を製作した時に、トオルさんから、このセリフの後に流してと渡された曲。
そこで、合わせたら、全ての映像、すべてのセリフとリンクしていって、映像の終わりぴったしで曲が終わる。
そんな体験を思い出しながら。
それが、今度は、長編映画で出来ることに、チャットをしながら気づいていったのです。
しかも。
その作品で、世界と対峙するんだぜ!!
ああああああ。
伝わるかなぁ。この興奮。

もちろん、芝居がダメだったら、なんの意味もないけれど。
そのために、芝居も準備を重ねたんだものね。
おいらは、撮影現場を思い出す。
杉本亮さんのデザインした美術と、照明さんの灯りや撮影監督の映像がマッチした瞬間を思い出す。
当たり前だと怒られるかもしれないけれど、おいらから見れば、それだって奇跡だった。
そこに、音楽や編集まで入ってくる。
どんな奇跡が起こるだろう?
これは、奇跡だけど偶然じゃない。
そうなるように、準備してきた。
奇跡が起きるように準備を重ねてきた結果だ。
大変な作品が出来るよ。
たくさんのミラクルが詰まっているんだから。
おいらは、確信を深めている。

贅沢なデモ音源だ。
メロディだけじゃなくてアレンジまでしてある。
完全書き下ろし新曲が20曲以上。
これに舞台版の音源やメインテーマまである。

純粋に作品に立ち向かえる準備は整った。
こんなところまで立ち会える役者が、おいら以外にこの日本のどこにいる?
こんなに幸せなことが他にあるものか。

届ける。
届くはずだから。

posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:56| Comment(0) | そして編集へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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