ポケモンGOが配信された。
様々な社会現象を世界で起こしていて、Yahoo!ニュースでも配信開始と共にトップニュースに。
公開されるや否や、ダウンロードの記録を次々と塗り替えた。
たかが一つのゲームの公開だけど、実はたかがと言い切れない所がある。
別に株価がどうのこうのではない。
株価の事ばかり考えている人もいるかもしれないけれど。
おいらは、ポケモン世代ではないので、実はそれほど興味がない。
スマホでコレクションしていくという面白さは理解できるけれど、今のところダウンロードもしていない。
面白いんだろうなぁというのがなんとなくわかるぐらいだ。
ポケモン世代にとっては、ものすごいことなんだろうなぁと思う。
おいらが前の仕事をしていた時に、知り合ったおじさんが、ポケモンにはまっていた。
確かその時は、ポケモンの金だとか、白だとか、なんかが発売されたばかりだったけれど。
コレクションの為に、いくつものソフトを買っていて、よく若いのに、これを捕獲したいとか相談していた。
世代じゃないから、その熱さがわからないけれど・・・。
ポケモンの映画を観に行くと、レアモンスターがもらえるとかで、動員が異常に伸びたこともあった。
特に世代ではなかったおいらはすごいなぁと思うだけだったけれど。
まぁ、そこまでであれば、ドラクエなり、ファイナルファンタジーなり。たまごっちでも。
今まで、流行ったゲームと言うのはあるし、社会現象になったゲームだって山ほどある。
今でもはまっている人がいるゲームなんて言うのはこれまでいくつかあるはずだ。
ただ、今回のブームの一番の違いは、システムにヴァーチャルリアリティが含まれているという事だ。
仮想現実。
それは、おいらたちが、演劇の世界で目指していたものにも似ているし、同時に全然違うものでもある。
仮想現実のシステムと言うのは今までもあった。
単純なものであれば、情報の追加だ。
おいらたちは、基本的に4次元で生きている。
高さと幅と奥行きがあって、それを時間経過していく。
ヴァーチャルリアリティは、そこにデータと言う要素を加えるものだ。
カメラで世界を写せば、そこは過去に事故が何件あったとか、この店はこんな評価が集まっているとか。
今までは調べなくちゃわからなかったことが、データとして表示されている。
そういう情報追加から始まったよなぁと記憶している。
そこから更にヴァーチャルの世界での陣地取りなんかのゲームもいくつか出た。
やっている人たちはあっという間にはまっていった。
自分の住んでいる世界が、ゲームの世界では誰それの陣地で、常に奪い奪われているということが起きていた。
普通に生きていれば、別になんてことはないし、気にもしないんだけれど。
ヴァーチャルの世界を知っている人には、その土地土地に色が付いていった。
それでも、ヴァーチャルは、限られた人たちが遊んでいたとおいらは思っている。
そこにポケモンと言うキラーコンテンツが加わったわけで、これは大変な事だ。
つまり、一気にヴァーチャルリアリティーが身近になるっていう事なんだから。
1次元多く世界を観る人が、今までの数百倍になるのだから。
株価どうこうではなく、恐らく、急速に企業体も注目せざるを得なくなるのではないだろうか?
データを入れ替えれば、次元はいくらでも増やせる。
確実に広告の形態も変わっていくだろうし、例えば、会社までの道路案内などは、企業ごとにデータを配信するかもしれない。
これが、演劇や小説、映画に大きな影響を与え始めることは想像に難くない。
現実が広がるのだから、これが影響しないわけがないのだ。
あくまでもここに現実があって、その現実に対しての、日常と非日常を扱っているのが物語だ。
仮想現実は、一つ間違えれば、その非日常だったものを軽く日常に変えかねない。
もしくは、例えば演劇をカメラで写せば、データが出るようになるかもしれない。
映画を観れば、なんらかのデータがスクリーンに表示されるようになるかもしれない。
それが普通になれば、当然、そちらに合っていくことになるのは当たり前の事だからだ。
劇場を表示すれば、今、何が上演、公演されていると表示されるようになるだろう。
動く看板を越えるような宣伝もあるかもしれない。
バックドラフトのような火事の映画であれば、モニタ上では映画館を燃やすかもしれない。
ゴジラのような怪獣ものであれば、モニタ上で映画館までの道程を怪獣が案内してくれるかもしれない。
いずれにせよ、エンターテイメントが日常にはみだしてくる技術なのは間違いない。
そして。
より、じゃぁ、現実ってなんなんだよ。
そういうことが様々な作品のテーマになっていくだろうと思う。
仮想現実と、幻想と、妄想と、現実。
そういうものが絡まっていく中での、現実とは何か。
ヴァーチャルリアリティが最終進化をした時に、現実は意味がなくなるという人もいる。
ここから、現実について、より深く考えないといけないって事だ。
既に、妄想の中で生きる人もいる。
既に、幻想の中で生きる人もいる。
それが遠因で起きた事件のニュースもいくつも目にしてきた。
いよいよ、世界が広がってしまった。
おいらは、その入り口になるニュースなんだなぁって、漠然と思った。