今月末の稽古でシナリオの読み合わせが決まっている。
それまでに必要な準備をしなくてはいけない。
本読みに必要な事なんて、そんなになさそうだけれど、なさそうで、実はある。
自分のわかる範囲で、必要な人に連絡をしなくてはいけないし。
キャスティングが確定していないのだから、ある程度、決められるようにしなくてはいけない。
足りない俳優の部分の埋め方をどうするのか、段取っていかなくちゃいけない。
撮影時のスタッフさんの何人かも来る予定になっているから、すんなり進むように。
単純にト書きを読む人間も固めていかないといけない。
今週の稽古は、一応、キャスティングも含めて、その準備時間に当ててある。
舞台だと、台本が完成して、キャスティングをして、通し稽古をするまで、時間がわからない。
映像だと、その通し稽古が出来ないから、時間的な目測がなかなかつかない。
通常の映像のシナリオだと、大体○ページとかあるだろうけれど、劇団には速いテンポもある。
だから、余計に見えない部分も出てくる。
本読みで、時間も見えてくれば、その後、更にシナリオを差し替えてスマートに出来る。
或いは、もっと行けるな・・・・となれば、肉付けの作業が出来る。
恐らく色々なことが見えてくるだろうなぁと思う。
必ず通らなくてはいけない道だ。
全体感を全員で、音読して、把握する作業。そういうことだ。
最初に製作プロデューサーと話した時。
全体を把握している役者さんがいる映画って、良い現場になるんですよね・・・。
そんな話を聞いた。
もちろん、役者は主観的な生き物で、完全な客観を持つことはとても困難だ。
ましてや自分の役以外の作品の全体感までとなると、限られた役者しかなかなか感じることが出来ない。
でも、とても納得できることで、舞台だとそういう役者がいつも何人かいる。
楽屋にいてもモニタから聞こえてくる声や音で、なんとなく、作品のどこらへんで、調子がわかる。
今回は映像で、ましてや、順番に撮影できる見込みは殆どないのだから、より把握が難しい。
役者全員がずっと現場にいるわけでもないから、余計に把握しづらいと思う。
時系列がぐちゃぐちゃの中、それでも、把握できる俳優がいれば。
良い現場になる。
なるほど。
読み合わせはその第一歩になるはずだ。
タイム感も出来るなら把握できればいいなぁと思う。
前半のまだ起承転結の起の部分なのに、たっぷり間をつかってしまったりしないように。
ここまでが、このぐらいのテンポで進みたいんだな・・・というのがなんとなくわかればいいなぁって思う。
そういうところまで、全員が共有できると、作品の深度がどんどん上がっていく。
映画にはタイムキーパーと言う仕事がある。
劇団でショートフィルムの自主製作をした時に勉強して知ったことだ。
自分の作品とデビさんの作品で、おいらはタイムキーパーをした。
あ、ここ、長いなぁとか。あ、ここ重いなぁとか。
あの企画では10分と言う縛りがあったから、シナリオの時点でここまでで何分とか決めていたのだ。
だから、今回のシナリオでも、やっぱり、読み合わせを通してタイム感を決めていけるかもしれない。
この事件が起きる日までに何分、この話までに何分、クライマックスはこのぐらい。その直前のテンポは速く。
そういうことを見つけられれば、撮影日までの稽古をもっと別の意識で挑めると思う。
細かくシーンごとに、時間を出せれば一番いいのだと思う。
そうしないと、編集前の段階で6時間の物を2時間に編集とかになってしまう。
結果的に、たくさんのシーンでカットが入っていく。
事前に計算できる部分はしていかなくちゃいけない。
タイムキープの表を作って、メモって行ければ、色々と、後から融通が利くようになるという事だ。
色々と考えていると、やれることが山のように出てくる。
今は、自分からやれることを探している。
そこまでしなくていいよと思う自分を殺して、どこまでもやれ!と自分に言い聞かせている。
仕事はもらうものではなくて、自分で創るものだ。
おいらはおいらなりに、キャパシティをどんどん伸ばしてきたつもりだ。
だから、まだまだ出来ると思う。
先を見るんだ。
先を。
なんのための読み合わせなのか。
理解して、動けるだけ動くんだ。
その先に、間違いなくクリエイティブな世界が広がっている。