緊急事態宣言に伴い多くの映画館が休館になった。
宣言された一都六県から映画館がなくなった。
4月11日に予定されていた秋葉原UDXシアターでの映画「セブンガールズ」ドリパス復活上映も中止となった。
新型コロナウイルスの蔓延という状況下、僕はこの映画の復活上映の宣伝をしなかった。
それは皆様に愛され、投票によるランキング入りという性格上、
遠方から来てくださる可能性もあり、お客様に少しでも危険があるなら避けたいと思っていたからだ。
いつもならば来て欲しいと大きく宣伝を重ねているのに。
ただただ毎日を過ごすことしか出来なかった。
楽しみにしていてくださった皆様には頭を下げる事しか出来ない。
映画「セブンガールズ」はそれ自体が奇跡だと思っている。
全国的には無名の俳優、無名の監督。
劇団の代表作を自分たちで映画化したインディーズムービー。
そんな映画が、1館一週間の上映のみの予定が全国10館以上に広がり、
TOHOシネマズ主催のドリパスで、インディーズムービーとしては異例の3度ものランキング入り。
今も多くの皆様に復活上映を望まれている。
幸せこの上ない作品だと思う。
そんな作品が世に出たのは、ミニシアターという文化があったからこそだ。
大手のシネコンしかない世界であったらきっとこの映画が世に出ることはなかった。
そして上映していただいた各映画館さんはどこも暖かくて、素晴らしい映画館ばかりだった。
今、そのミニシアターが苦しんでいる。
新型コロナウイルスの蔓延が始まってからの自粛ムードで、映画館の観客動員は9割も落ちたという。
その上、今回の緊急事態宣言での休館。
現時点では政府からの補償については詳細が発表されない状況。
このままでは全国のミニシアターが閉館の危機になるという。
映画文化を絶やしてはいけないと、#SaveTheCinemaという運動も始まった。
他にも多くの活動があって、入江悠監督や映画媒体がまとめてくださっている。
映画「セブンガールズ」を世に出してくれたミニシアターという文化に何か恩返しをしたいと思っている。
署名だけではなくて、もっと僕たちだけに出来る事を。
元々、クラウドファンディングで多くの皆様の支援で始まったこの映画だからこそ。
今度は映画から支援を出来るんじゃないかと思う。
いや、しなくてはいけないんじゃないかと考えている。
僕は、セブンガールズ映画化実行委員会の実行委員長として今日、企画書をまとめた。
そしてこれまで上映してくださった映画館様、わかる範囲の全国のミニシアター様にメールを送った。
大して大きな力になれるかはわからないけれど、少しでも恩返しになればと思っているのだけれど。
もしかしたらメールの返信などほとんど来ないかもしれない。
それでもいいと思っている。
とにかく、今、出来る事を一つずつやっていくことだ。
今の状況を戦時下に例える人がいる。
僕は戦時下だとは思わない。
まったく冗談としても笑えない。
そもそも戦時下を知っている世代なんてほとんどいないじゃないか。
明らかに現代は平和の時代であり、ウイルスと戦うわけではない。
「皆で支え合って生きていく」
映画「セブンガールズ」のテーマだ。
奇しくも、風邪が恐怖となる場面まで描かれている映画だ。
僕達は戦うべきじゃない。
「生きていく」べきだと思う。
いや、生きる事こそ戦いで、戦争なんかじゃないということだ。
今、どうやって生きていくかを問われているのだと思う。
そして生きていくには、映画や音楽や演劇は必要なもので。
生きていくには、夢や未来や希望や光が絶対に必要なのだと改めて考えている。
僕にできる最大の事。
連絡が出来ていないミニシアター様もあるけれど。
全国に届きますように。
あの女たちの歌声が今こそ必要なのだと固く信じております。
「戦争が終わってから、女たちは戦った」というキャッチコピーのように。
「この蔓延が終わってから、セブンガールズは戦う」そう思っています。
応援してくださった皆様に。
またスクリーンで出会えることを願っております。
皆様に甘えることなく、僕の出来る事をやっていきます。
それは未来へと繋がる道です。
セブンガールズ映画化実行委員会
実行委員長 兼 成瀬凛太朗役
小野寺隆一