去年の今頃、上映機会を増やせないかと悩み続けて。
UPLINK渋谷さんが手を挙げてくださって。
その上映期間が2度もの延長が決まって。
そして、その上映がもうすぐ終わるという事がわかった、そんな頃。
その一年後の今日、セブンガールズがあんなに大きなスクリーンで上映されると思っていただろうか。
気付けばこのBLOGも76日を数えた。
もうすぐ待望の77日を迎える。実に11週の上映になる。
まだ名古屋から2週間しか経過していないという気がしないほどの毎日が続く。
未だに形になるのかどうかもわからない事のために今日は朝一番から動き回っていた。
今にも泣き出しそうな空を見上げながら、持ってくれ、もう少しだけ待ってくれ。
そう呟いていた。
始めは一人で全てと思っていたけれど、それは余りにも苛酷だと気付き手伝ってもらった。
その手伝ってもらった途中で一度、秋葉原UDXシアターに挨拶に行って。
再び合流して、もう一度映画館の外に出る頃には多くのお客様とすれ違った。
映画を観る前に顔を見せてしまって、なんだか申し訳ない気分になった。
自分でも自分が今、何をしているのか一瞬分からなくなった。
これから上映が始まるというのに。
この2週間、なぜ自分は映画化をする作品に「セブンガールズ」を選んだのだろう?と考え直していた。
なんだか色々なこと、色々な作業に追われながらだからあくまでもぼんやりと。
劇団の代表作はいくつかの作品があるはずで。
再演を4度も上演したのはセブンガールズだけだけど、最初に再演した作品は別の作品だったはずだ。
もちろん、とてもじゃないけれど映画化なんかしようと思えばとんでもない予算が必要な作品もある。
現実的にバラック小屋というまさに手作りだった街であればと思った部分があったのだけれど。
それにしても一番自分たちらしく自分たちの劇団らしい作品だったのかと聞かれたら判断が難しい作品でもあって。
多くの作品の物語の構造とは違う作品だし、特に劇団の公演が近づいてウェイトがかかるほどに。
劇団は劇団でいつも通りに、映画は映画でそのままという道に進めるだろうか?と思い悩んでみたり。
大きな覚悟が必要になってくるんだなぁなんて考えてみたり。
自分が言い出したのだから。
映画化を言い出したのも。この作品を映画にしようと言い出したのも。
この2019年を通じて次の舞台がいかに恐ろしいか。
どう説明していいのかわからないけれど。
映画という編集された世界での自分の演じた芝居を知った皆様が。
もし舞台の自分にがっかりしてしまったら。
今までずっと舞台を応援してくださった皆様が。
もし映画に専念した結果として観た時に成長を感じてもらえなかったら。
自分はそんな気分に襲われるたびに、眩暈がする。
応援してくださるアングルからの「良かったよ」ではいけない。
応援してくださっている皆様が言葉を失うような舞台でなければ自分にとっては成功じゃないから。
ただ良かったよと言われるような舞台はただのファンサービスに過ぎない。
そんなスタンスで生きることは自分は出来ない。
自分の中に自分はこんな風ではいけない、こうあるべきだという確固としたものがあって。
そことのギャップに今にも震えそうになる。
だから逃げ出したくなるけれど、そこは自分の矜持だ。
ここだけは譲らないという場所を持っていなければ、役者なんかやってはいけない。
TOHOシネマズのご担当さんは前回の秋葉原を覚えていてくださっていて。
交通の遅れのお客様を待ってからの上映をしてくださっただけではなく。
前回同様、舞台挨拶を最後列から見てご意見まで下さった。
ドリパスで名古屋で上映出来たことも喜んでくださっていて。
どんどん他の地区でもやりたいと要望を出した方が良いよなんて言ってくださった。
要望なんて出せるのだろうか?
その方法すらわからないけれど、やはりリクエストしてくださる方がということなのだろうか。
わからないけれど、この作品をもっと広く上映しなよと言ってくださっているような気がして。
なんだか不思議なぐらい心が暖まった。
そう言いつつ、三度目がもしあったら、ひ、、、日比谷のTOHOさんで・・・とは言えないのだけれど。
ガールズを有楽町に立たせたいなんて言えないよなぁ。
秋葉原での上映だってありがたいのだから。
今日も初めてセブンガールズを観てくださったお客様がたくさんいらっしゃった。
そんな日が来たのも全て応援してくださる皆様のおかげで。
ああ、きっとまだまだ本当はセブンガールズを知らないままで、そんな機会がないままの方がいる。
そんなことまで同時に思って。
大きな感動と同時に、自分の力の足りなさばかり思ってしまうのも本当だったりする。
ロビーでお客様のお見送りをする。
初めてのお客様、何度も足を運んでくださったお客様。
今回少しだけいつもと違ったことがあるとすれば。
クラウドファンディングのリターンを、大分の上映が終わって、この日までにと郵送したということ。
それが届いたよというお客様も来てくださっていて。
それを喜んでくださった皆様も目の前にいたという事。
ああ、ああ、最前列に何人もいたなぁ。
舞台再演の頃のTシャツを着て、鑑賞してくださったお客様もいて。
初めてのお客様から、長い歴史のあるお客様で、多層的になっていることがすごいなぁって思う。
全てのお客様に自分が出来ることがあるのだろうか?
電車に飛び乗ると、足がジンジンしはじめた。
朝10時前からあちこち歩き回って、途中、ばったりと足が止まってしまったけれど。
それにしても結局、再開して登壇前まで千代田区を歩き回った。
足がむくんで踵が痛くなっていた。
電車でSNSを開くとたくさんのお客様のコメントが溢れている。
ぶわっと2019年という1年が蘇ってきた。
名古屋シネマテークに始まって、下北沢の2週間。
なんとも言えぬもう終わってしまうという思いと共に通った横浜。
秋葉原の復活上映、大分別府での温かい交流の数々。
初のシネコンだった名古屋。
そして2019年の終わりにもう一度秋葉原。
メールを開けばたくさん溜まっている。
そうかぁと思いつつ、開き、返信をする間もない。
今は、とにかくやることを片付けないといけない。
この恐怖と震えに対峙しながら。
明るい光が見えるその時まで。
メリークリスマス。
良いお年を。
大きな声で皆様に届けた。
和洋折衷しっちゃかめっちゃかだ。
1月にまたお会いしましょうなんて言わない。
ここは映画館だから。
さて。
作業に戻るとしよう。
今はたくさんの愛情をチャージしたのだから。
この元気をそのままパワーにしなくちゃもったいないもんね。
ありがとう2019年。
さあ2020年の幕開けだ。
期待してもらえる自分になれていたら。
どうかどうか少しだけでも。
期待してあげてください。