多くの映画はその規模を問わず〇〇製作委員会が映画製作をしている。
出来上がった映画にはコピーライトとしてその製作委員会が名前を残す。
この映画を製作して、この映画の権利を持っているのは私たちですよという意味だ。
大手配給の映画でもこの製作委員会方式はある。
製作委員会方式とはつまり出資者の連合のようなものと考えればいい。
映画の企画を立てて出資者を集めていく。
配給会社や出版、映画会社、その他多くの企業。
権利の分配率を決めて、映画の製作の準備をしていく。
製作段階で予算を越えてしまうような場合は分配率が変わることもあると聞いたことがある。
なんというか自分にとっては信じられないような世界のような気もするし、実はすぐそこにある世界でもある。
テレビアニメなんかも製作段階でソフト化を決めていて、製作委員会方式で創られたりしている。
権利の分配は、リスクの分配でもあるし、一つの形なのだと思う。
一口に映画を製作しますと宣言してもその企画段階から多くの問題や山がある。
製作委員会を立ち上げられるかどうかだって、難しかったりするはずで。
同時に企画段階から詳細な資料を創って走り回っている人がいるという事でもある。
シナリオを書く前の段階でも、映画というのは動き始めている。
そういうことまでよくわかった。
セブンガールズ映画化実行委員会は、製作委員会とは違う。
権利の分配もなく、リスクも一極集中であり、シンプルに舞台を映画にしてやんぞ!ということだ。
映画が出来上がってから公開まで宣伝部が全国を走り回る。
あらゆる媒体、あらゆる地域、あらゆる代理店に顔を出して、映画の知名度を上げていく。
映画は公開週の最初の数日の動員をみて、その後の上映が決定してしまうことも多い。
シネコンでわずか1週で上映が終わってしまうケースもあるのだという。
かつてのようにスクリーンが1つの映画館であればそんなに簡単に上映作品を取り下げられるだろうか?
今はスクリーンを複数持つシネコンだからこそ、徹底的に動員計算をして数字で管理できる。
お客様が入る作品を客席の大きなスクリーンで数回上映して、自然と動員が見込めない作品は上映回数が減っていく。
映画という世界が産業である以上、動員できる映画が正義であることは動かしようがない。
だからこそ初日動員に向けて全力で宣伝するわけだし、数億という単位の宣伝という戦いなのだと思う。
とんでもなく厳しい世界で戦っている営業さんたちがたくさんいるってことだ。
それでも結局そこまで世間に浸透せずに、結果が出なかったなんてことも耳にする。
ハイリスクでありハイリターンであるのが映画だ。
大手では宣伝部の仕事は公開までで、それ以降は配給の仕事になるなんて目にしたけれど。
それはもう業界全体のシステムのようになっている。
はっきり言えば自分はそのラインに乗りたいと思っていた。
何を馬鹿なことをと言われるかもしれないけれど、そのラインに乗る方法がないか模索していた。
既に映画が製作されており、宣伝から公開に向けての予算しか必要ないのだから可能性はあるはずだと思っていた。
既存の宣伝、既存の配給、大手製作の映画と並んだ時にどんな答えが出るだろう?なんて思ってた。
もちろん何を馬鹿な?が正解であって、その方法なんかどこにも存在していない。
とにかくアピールできること、面白そうだと思ってもらえるようなことを探しただけに過ぎない。
自分が大手にいたら、ちょっとやってみるか?ってやるんだけどなぁ。と思いながら。
動員数だけではなく、例えば動員に対する物販の購入比率、リピート率。
そういうものまで把握したら、セブンガールズをやってみることは決して冒険じゃないと思う。
それにしても名の通っているものが、監督も出演者も映画祭などの冠もなさすぎるからなのかもしれないけれど。
それはきっと映画会社が名前に弱いのではなくて、やっぱり世の中の消費者は名前に圧倒的に弱いのだという事だ。
現実的にYahoo!ニュース映画をみれば、出演者発表第二弾!が、平然とニュースになっている。
とっくに撮影が終わっているから出演者など確定していたわけで、ただの話題作りに過ぎないとわかっているのに。
そんなことも考えてたの?と言われてしまうけれど。
現実的に世間に届けてくれないか?という企画書を創って、色々なところに提出していた。
あんまり皆も知らないような動きだけれど。
まるで風車に立ち向かうドン・キホーテのように。
それは違うんじゃないかという言葉も良く分かった。
自分たちは地道に単館独立系の映画館で上映を重ねていくというのが大事なことだからだ。
でも自分はそれをやりながら同時に、色々な方面にアタックできないかずっと考えていた。
コピーライトが単独なのだから、販売流通や放送などなど、ここから多くの権利を拡げられる。
そういう武器をそのままないがしろにするほうがつまらないなぁと思っていた。
もちろん、誰もがバカバカしいと口にするように、当たり前に空振りを繰り返し続けた。
「セブンガールズ映画化実行委員会」とはつまり敗北の歴史なのだという事。
よくこの作品を映画にしたとか。
奇跡のような映画だ!とか。
たくさんたくさん、すごい!と言ってくださる。
ありがたいなぁと思いながら。
自分はこの「セブンガールズ」を社会にまで届けようと最初から思っていたのだ。
海外への挑戦だってそうだ。世界に問いかけたいと思っていたのだ。
信じられないような映画界の重鎮にアポイントが取れて会いに行った日もある。
けれど、それもなんにも繋がることはなかった。
面白かったですという評価しか引き出すことは出来なかった。
多分、監督だって出演者たちだって。いやお客様だって。
「敗北」だなんて言ってくれるな!と怒られてしまうかもしれない。
セブンガールズを大事に思ってくれるほどそうかもしれない。
でも自分の場所に立てば、答えは一つだ。
全員に大きな見返りがあるようなハッピーな結末を迎えることが出来なかったのだから。
大成功だぜ!やってやったぜ!歴史を創ったぜ!
もちろん、それを言おうと思えばいくらでも言える。
それに自分は敗北したと思っている割には、こんなにも胸を張っている。
やれるだけやっての敗北は恥ずかしくもなんともないからだ。
実現不可能と言われたことを実現しただけでもすごいなんて言ってくれないでください。
出演者全員で大成功してハワイに行ってやる!ぐらい本気で思っていたのです。
頑張ったみんなが、頑張った分だけ報われるところまでやる責任が自分にはあると思っているのです。
監督や出演者に、オファーが来るような状況まで行きたいと思っていたのです。
難しいとはわかっていたし、簡単だとなんか思っていなかったけれど。
それにしたって、世間まで届くことはなかったというのは事実なのです。
そして、僕たちはなんとも、チッポケなんです。
多分そうだなって思っていることがあります。
皆、きっと映画に出たかった。そしてそれが夢になっていた。
舞台を続けながら、夢は本当に夢なんだなぁと徐々に理解していった。
そんな時に、夢じゃないぞ、やろうぜ!と立ち上がったのがセブンガールズなのです。
そして、映画製作を夢ではなく現実として取り組んで。
本当に皆の純粋な気持ちが結晶のようになってキラキラとしているのがこの映画なのです。
やれるだけやったよ!自分たち、映画創ったよ!そんな強い思いはあるのです。
でも。
でもでもでも。
皆が最初に思い浮かべていた映画に出たいという夢からはかけ離れていたと思うのです。
それは、夢と現実というかけ離れ方ではなくて。
子供の頃に映画館で見たスクリーンの中の人とはかけ離れていたんじゃないかって思うのです。
思っている以上に小劇場とインディーズムービーの世界は風景が近かったはずで。
舞台の何倍も媒体があったり、地方に行けたり広がりがあるものの、それ以上のことはなかったはずです。
そして多分、今、皆は良くやった!がんばった!と心から喜んでいると思うのです。
ですけれど。
それは皆の夢の実現にまで到達していないんじゃないかって思うのです。
そしてそれを敏感に、あるいは無意識に感じながら、どこか受け入れているんじゃないかって思うわけです。
まぁ、こんなもんだよな自分たちは。もっと行けると思うんだけどな・・・って。
無名の日本で一番小さな映画が頑張ったという結果で良いと思っているんじゃないかって思うのです。
それを思わせてしまった自分が許せない。
セブンガールズ映画化実行委員会とは。
そこに参加した全員の夢のようなものを、より現実にするために存在していたのだから。
チッポケな連中が、自分たちはチッポケじゃないと確信できるまでやらないと。
それが自分に課せられた使命だったのです。
やれることを全部やったけど、これしかやれない、この方法しかない、そればかりだったのです。
クッソー!!!!!
至らない自分が許せない。
バカだけど、もっとバカになっても良かったんじゃねぇの?とか思ってしまう。
全然満足できない。満腹感がない。
ハラガヘッテンダ!!
クイタイモノクワセロ!!
むしろ飢餓感に苦しんでる。
まだまだリターンに向けての準備がはかどっていないし。
たくさんのお客様が信じられないほど再上映を望んでくださっている。
それで世間が動くことがないとはいえないけどさ。
もしかしたらどこかで再上映があるかもしれないけれどさ。
セブンガールズ映画化実行委員会は、そんな風にhungryな状態で終わろうとしている。
自分らしいって言えば自分らしいけどさ。
寂しいし悔しいし、どこにどう向かえばいいかわかんねぇし。
ああ。ああ。ああ。
明日でこのBLOGも終わろうと思っています。
総括の締めがこんな形になるとは思ってもみなかったけれど。
とにかくこれだけは宣言しておく。
映画「セブンガールズ」
これに関わってくれた全ての皆様は最高だってことだ。
出演者たちよ、君たちはテレビや映画に出ているどんな役者にも負けていないよ。魅力的だよ。
セブンガールズを観た後に他の作品を観たら色褪せて見えることがあるぐらいさ。
こんなに出来る奴らがいるんだぜっておいらは心から思ってるよ。
自分たちはこの程度だと思わないでくれ。全部、世間まで展開できなかったおいらが悪いだけだ。
スタッフさん、本当に素晴らしい仕事をしてくださった。
あの濃密な短い期間で最高の仕事をしてくださった。
多分、仕事というだけで出来るような内容じゃなかった。
おいらたちの情熱に、おいらたちの思いに、応えようとしてくださった。
皆様の名前が一段も二段も上がるような結果を出したかったです。すみません。
配給さん、ありがとうございました。
なんの冠もない映画なのに、こんなに長く上映出来ました。
自分はいつも頑張りますとしか言えませんでした。
そしてその頑張りが足りていたのか今だに疑問ばかりです。
とんでもない映画をみつけてきたじゃないかと言われるような結果を出したかったです。
セブンガールズ映画化実行委員会よ。
お前は無茶に挑んだ。無理難題を通そうとした。
最初から無理だと諦めずに進むと決めた。
けれどどうだ、このザマは。
無意識に、難しいだろうなといつも思っていたんだろう?そうなんだろう?
お前だけが足りない。お前だけがやりきってない。
そしてお客様に。
敗北の中、皆様は光でした。悔しくでもつらくても、光があるから前に進めたのです。
至らない自分たちをこんなにも愛してくれてありがとう。
皆様の愛情にどうやって応えていけばいいでしょう。
この夢の彼方に。
皆様の思いをどうやって運んでいけばいいでしょう。
皆様がいつかこの作品を見つけたんだと胸を張れる日が来るように。
これからも頑張ろうと思います。
これがセブンガールズ映画化実行委員会の総括だ。
圧倒的な敗北宣言こそ似つかわしい!!
あした、このBLOGの最終回がやってくる。
映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。
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