2019年06月14日

学びながら進む以外に出来なかった

最初は何をすればいいのかもわからなかったけれど。
とにかくいつものようにポスターやチラシを製作した。
それから手紙やメール、色々な皆様に連絡をした。
誰かに観てもらって紹介文を頂けるかもしれないからだ。
もちろん、最初から紹介してくださいとは言わなかった。
まず観てくださる人がいたらと願った。
直接会えそうなら、直接足を運ぶようにした。
けれど、思った以上に観ていただくことすら難しかった。

いつものようにポスターやチラシをお店に置いていただいた。
時間を創って集まって皆でだ。
自分も何回か参加したけれど、やることが多いのを知っているからか、帰っていいよといつも言われた。
物販物のパンフレット製作なども同時に行っていた。
なんというか心強いメンバーたちだった。
それまで何をしていいのかもわからなかった分、公開が決まってからは早かった。

映画のプロモーションというのはすごい世界だと知る。
例えば当初枠が空いたから割引で新聞広告を出さないかという話もあったけれど。
金額を聞いてあっさりと断った。
割引価格だとしても、公開規模に対して割に合わなかったからだ。
効果的な広告を狙い撃ちしていきたかったけれど。
雑誌や新聞、WEBメディア、様々なところに連絡を続けた。
それも規模が小さく、映画賞などの冠のない映画には返信すら来ないことが殆どだった。
だったら試写会に来てどんな映画か知ってくださったらと思ってもほとんどが連絡すらなかった。

中には直接連絡が来たりしたケースもあったけれど。
メディアで宣伝を展開することは想像以上に難しい事だった。
連絡して、直接足を運んで、その繰り返しは徒労になっていった。
ただそんなことは別に何ともなかった。
公開が決まっていることは、何よりも嬉しい事だったから。
1000回の空振りをして、一回当たればいいと、いつも自分の中で言っていた。

公開前はまだまだプロモーションも甘かったと思う。
上映を繰り返していくうちに大事なこと必要なことがわかっていった。
その中でアイデアを出して、工夫していった。
気が付けば、セブンガールズのTwitterを参考にしてます!と言われたりするようになっていた。
まめな情報発信、映画館への行き方、舞台挨拶のレポ、上映日の告知、動画展開。
そういう動きも全て学びながら、同時に考えていったことだ。
まさか参考にされるなんて思ってもいなかった。

昔の演劇畑であればチラシを配ることは普通のことだった。
今は条例で街中でのチラシ配布は禁止になっているけれど。
けれど、インディーズムービーの世界ではあまりやっていないことだったという。
文化の交流は宣伝方法ににだって影響を与える一例だ。
映画の世界の宣伝を学んで、大手がやっている全ての宣伝を別の形で実現するようにした。

何十回、何百回、宣伝予算があれば!と思ったことだろう。
繰り返しそれを思っては、自分の中で打ち消していった。
口コミに頼るなんていうのは幻想だ。
作品がどんなに良くても口コミで広がらない作品だってあるはずだ。
それはきっと何かが足りないのだと考える他はなかった。

自分が宣伝方法を様々に考えている以上。
あまり自分を前に立たせるようなことは出来なかった。
やはり作品を前面に押し出して、監督をどんどん前に出して、女たちを前線に出した。
冗談で、おれここ2年ぐらいずっと監督のために生きてる気がするよなんて言ってた。
もちろんそれは冗談で、セブンガールズが一人でも多くの人に届けば、それが自分にとっても最大の結果だとわかっていた。
そしてむしろ自分をどんどん打ち出していくことは損だぞというのもわかっていた。
やることはただただ責任を果たしていくことだ。
プロモーションには戦略が必要だし同時に一般社会から見るような俯瞰の視線が必要だった。

業務試写が迫っていた。
クラウドファンディングでご支援いただいた皆様に。
皆様の思いを形にしたことを報告する日でもあった。
わなわなと震えてくるものがあった。

試写会の舞台挨拶の稽古を始めた。
舞台経験はあっても舞台挨拶の経験はなかったから。

自分は非情と言われるのを覚悟して、舞台挨拶のメンバーを決定した。
MCと監督とガールズだけにした。
そしてメインと言えるような役でもあるような男たちも含めて、試写会のスタッフをお願いした。
皆で創った映画だ。
男たちは特に裏回りを走り回った。
その完成を祝賀する日に、照明の下に立つことが出来ないと告げた。
なんでだよと言われることも覚悟して。

でも誰一人として異を唱える男はいなかった。
客席係をやって、舞台挨拶をカメラで撮影して、当たり前のように皆が働いてくれた。
誰かがやらなくちゃいけない事を皆がわかってた。
そして、そんな男たちに感謝の言葉をくれた女たちがいた。
その華やかな舞台の名残よりも、動いていた男たちを気遣う女たちがいたのだ。
あの日、ありがとうと言ってくれた女優たちの顔は忘れることはない。

あの頃。
日々感動していたよ。
映画へのコメントが届き。
お互いに気を使いあって。
皆で公開に向かっていた。
やらなくちゃいけないことは確かに多かったけどさ。
皆がいたから、自分はやることが出来たんだって思うよ。

公開が迫っていた。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。

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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:12| Comment(0) | 夢の彼方に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする