2019年06月10日

エアポケット

稽古日
稽古場に集まって稽古をする。
ずっとずっと続く。

久々に台本を手にしての稽古。
と言っても新しい台本があるわけじゃない。
公開前に上演したオムニバス公演の監督の台本だ。
映画公開前という事もあって自分と金子透と監督の3人が作演出を分けて役者も分けての3作品の上演だった。
だから稽古はともかく、本番では演じていない役。
実際には、稽古の割り振りまでは全員が稽古した台本だったけれど。
それでも本番前に演出や改訂が入っていて、それ以降は本役以外は演じていない。
そして3つに分けたこともあって、二人芝居のシーンが多かったこともある。

それぞれに演じていく。
正直に観てそれほど内容のある芝居になっていなかったと思う。
とにかく演じてみるという場所の中で演じているなぁという感覚。
皆が稽古したくてうずうずしていたんじゃないかとも思っていたけれどそういう感じでもなかった。
それはそれで必要な通過儀礼というか時期なのかもしれない。
自分なりに、とにかくまず稽古をして、その先を想像するという方向に向かう。
いつだって建設的に前に進まなくては面白い事なんか何も起きない。

うちは休まないのだ。
基本的に月に4度の稽古が必ずある。
舞台公演予定が決まって台本があれば別だけれど、それがない時期も稽古はある。
そんな時は基礎鍛錬をしたり、必要な作業をしたり、課題を見つけて取り組んだりする。
カメラを構えて撮影してみたりもする。
そうやっていつ何があっても役者脳であり続けるようにしている。
今の自分たちに出来ることは何か?は、少なくとも大事な命題の一つ。
次の舞台の台本が出てくるのはまだ先だろうし、もちろん次の映画製作などはまったくの未定。
だとしたら基礎鍛錬なのか、あるいは別の何かを企画していくべきなのか。
やると決めたら、本気で取り組んでいくとは言え、それまではしっかりと現状を把握する。
今はまるでエアポケットにはまっているような時期なのだ。
向かうべき作品がないまま、それでも向かう場所を想定していかなくちゃいけない。
目に炎が灯るために必要なピースがいくつか足りていない。
稽古中、ぐるぐる頭の中が回っていった。
でも多分そのエアポケットは正しいぞと。

編集が終わった後もまるでエアポケットのような時期だったかもしれない。
まず最初にしたのが、音楽の吉田トオルさんに編集後の映像を送ることだった。
カット編集をしただけでは作品は完成しない。
そこに音楽が乗って、映像の色味の調整をして、整音をして。
そうやって映画は出来上がっていく。
トオルさんは、撮影前にロケ地を訪問してくれて、撮影中も見学に来て。
いや、それどころか撮影よりも前の段階で既に出来ていた曲もあって。
過去の舞台の音源の数倍の曲数を用意してくださった。

多分、音楽の乗っていないセブンガールズを観たのは、監督とトオルさんとおいらだけだ。

その日からは吉田トオルさんとのやり取りの毎日だった。
毎日タイムコードと一緒に楽曲が届く。
楽曲を映像に合わせて書き出したものをトオルさんに返す。
それに更に直しが入ったり、新しい楽曲が届く。
トオルさんのスケジュールが空いている日はお互い深夜までやりとりをした。
メール、メッセンジャー、電話、その往復。
音楽が届けばなるべくその日のうちに映像を返すようにしていった。
監督に会える日は音がはまった映像を確認してもらった。
音楽制作のアプリケーションと、映像製作のアプリケーションは別のソフトだから。
最終的にコマ数で合わせてもなお微妙にずれることもあった。

トオルさんが映画の音を創るのは何度かあったはずだけれど。
こんなに何往復もしたことはなかったんじゃないかと思う。
かつて劇団でショートフィルム企画を立てた時に自分の映像に音楽を付けてくれたけれど。
あの時の音源も一発でOKだった。
それぐらい微妙なタイミングだったし、映像とのシンクロ率が高い音楽だった。

実は自分は少し逆のことも考えていた。
トオルさんから先に何曲かもらって、その曲に合わせて編集するということも出来るからだ。
もちろん、それにしたって後から音楽を再度変更することは可能なわけで。
最近で言えば「君の名は」が音楽に合わせてのカット編集だったことが有名だ。
監督は音楽畑にいた人だから面白い編集が生まれる可能性もある。
でもそれは結果的には叶わなかった。

監督にとっては束の間のエアポケットだったはずだ。
全体像が見えるまで監督から細かい指示はなかった。
その代わり、音が全てはまってから、もう一度監督と一緒に編集に入った。
その全体像を観てもらって、触ってもらった。
映像のタイミングをいじるよりも、むしり音出しのキッカケのアイデアなどが多く出た。
もちろんそれをまたトオルさんに返して、確認してもらった。
いや、3人一緒にやれば早いんじゃないの!?という本音は心にしまい込んで。
二人の秘かなキャッチボールを淡々と自分なりに昇華していった。
お互いがお互いのアイデアを咀嚼する時間まで共にするとは思いもしなかった。

音楽がはまれば、明らかに映画は完成に近づく。
過熱した編集のやり取りがあって、その後の音楽の時間があった。
あとは、整音と色で通常は完成するのかもしれない。
でもその前にもう一つやるべきことがあった。

その段階まで来てからプロデューサーに観てもらうことにした。
まず間違いなく映画は第三者の意見を聞いた方が良いと思う。
それを参考にするもしないも含めてだ。
色味の調整や整音をしてからでは、編集範囲が限定されてしまう。
その前に、意見があったらもらうべきだと思っていた。

ゼロ号。

まだ誰も知らないセブンガールズという作品。
それを見る人がもう一人増える日だった。
初めての感想を誰かからもらう日だった。

一つのことが終わって、その次に向かう準備の前の時。
ん?あとは何をすればいいんだっけ?
そんなエアポケットにはまる時がある。
わたしは何をすればいいの?僕は何をすればいいの?
実際に、この編集の時期、出演者たちに出来ることは殆どなかった。
音楽をつけている間は、監督にすら待ってもらうしか出来なかった。
自分はそんな時間帯って意外に重要なんじゃないかって思っている。
かく言う自分は全然休みなく淀みなく進んではいるのだけれど。

そこで慌てて動き出してしまえば、一歩間違えると軸となる魂のないものになることだってある。
すぽんと何か空気が抜けてしまったような状態になった時に。
ゆっくりと深呼吸をしてみることだって大事だ。
そこで自然と産まれてくる何かを上手に掬い取るからこそ、次に走り出すことが出来る。
音楽が揃うまで待っていた監督はそこから一気に仕上げに入った。
その間に思いついたこともいくつかあった。

多分、今日の稽古でどこか中身のない芝居だなぁと感じたのは正解なんだと思う。
人間の進む道は入りくんでいる。
ふと立ち止まることもあれば、路地裏のような場所にたたずむ日だってある。
今、セブンガールズの上映期間が終わって、再上映を祈って。
稽古を再開して、そこに役者の本能だとか、あるいはやっぱり魂のようなものだとか。
今、ベクトルが定まっていないからこそ、次なる指標を掲げることが出来るのだ。
それがわかるからこそ、やっぱり稽古をするべきだ。

しゅわしゅわと脳内で泡立つモノがある。
それが具現化するのはいつのことだろう?
そう遠い日の話じゃない。
自分はいつだって建設していく。
今日感じたことは、かつてどこかで感じた何かのはずだから。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。

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2019年06月09日

手作りの映画

健康診断の予約をしていた。
横浜での上映が終わって少ししてからにしようと思っていたのだった。
いつもとは違う病院でいつもとは違う診断もあった。
相変わらず終わってから体に何かが残っている感覚。
長く食事を摂らないことも、血液がなくなることも、バリウムも、そのための下剤も。
検査ぐらいでぐったりするのはなんとかならないものか。
健康診断で具合が悪くなるなんてなんだか意味が解らない。
早めに寝たのに、一日中眠かった。
母親のもとに顔を出してSNSを覗いてみる。
公式で動画を公開していない日は久々なのかなぁ?寂しいかなぁと思い立つ。

ちょっと蔵出し動画でも。
まぁ、毎日はないと思うけれど。
蔵出し写真まで含めたら色々あるのです。
クラウドファンディングのリターンでメイキング動画というリターンがあって。
どうにも編集しづらい動画ばかりで困りつつも。
まぁ、少しだけならいいかと。
言葉で自分たちでセットを創ったといくら言っても、写真で見せても。
現実に電動工具を手にしている動画の説得力はやっぱりすごいなぁと思う。

ハンドメイド。
手作りの映画。
かっこうをつけることはないのだ。
これを駄目だと言われたって、これが自分たちなのだから。
なんの悔いだってない。

それでもセットを創っている時は皆がいて。
撮影の日々だって、その準備だって、皆がそこにいた。
でもその後。
実際の編集に入ってからはそうじゃなくなった。
なんというか不思議な時間帯だなぁっていつも思っていた。

役者たちは仕事が終わった。
撮影が終わったら、あとは出来上がって公開が決まって、宣伝をお願いするまでやることがない。
撮影がピークでポストプロダクションはただ待つだけになる。
自分も同じ立場でありながら編集を選んだからなんというかその緊張感の差が不思議だった。
役者たちは芝居をしたがって、急遽2日だけの公演を企画したりしたけれど。
監督と自分は、まだまだあの撮影の日々からの毎日の延長戦が続いていた。
稽古場に行けばその緊張感の違い、差に驚いたりしていた。
今、真っ最中の自分と、終わっている皆。
伝えたくても伝わるわけもない事。

基礎となる編集術と、編集ソフトの勉強を繰り返した。
何冊の本を読んだかもわからないし編集ソフトの本は常に肌身離さず持っていた。
あれってどうやるんだっけ?ってすぐに調べられるように。
出来る!と言った以上、監督に編集で提案まで出来ないといけないから。
編集は魅惑の作業だった。
いわゆるあとからの演出。
凄く良いカットがあるからそれをどうやって見せるかとか、色々に悩んだ。
基本的な編集術で進めた。
もうフェードアウトも、クロスフェードもほとんど使ってない。

監督が見せたい場所、シナリオ上見せなくちゃいけない場所。
そういうものを分解して再構築していくような作業だった。
実は1か所どうにもこうにも矛盾してしまう箇所もあった。
いるはずの人物が次のカットでいないというような問題だった。
そこは実はシナリオから編集の段階で、シーンの入れ替えをしている。
順番を変えれば成立するはずだと、シナリオをもう一度読んで再構築した。

モバイルでの編集だったから、毎日、場所が変わった。
カフェやファミレス、コワーキングスペース。
ヘッドホンを付けて、ただただ編集した。
1日でたったの1シーンしか編集できなかった日もあった。
繋ぎはコマ送りで確認して、最善の繋ぎを模索し続けた。
映画が今、生まれようとしているという時間を監督と過ごしたのだ。

映像を並べる処から始まって。
まず最後まで粗編集をして。
そこからもう一度頭から細かく編集する。
それが終わってから・・・
もう2回は頭から編集していった。
まだやりたい、まだあそこは出来る。
実は監督は公開直前まで編集をしたがった。
シーンごとの直しまで含めたら、何回直していったんだろう?
多分ゴールなんかないんだね。

本当は監督に新しく何かを撮影して一緒に編集したいとお願いしたいのだけれど。
セブンガールズという作品を完成させた今、公開をした今、簡単に次回作については考えられないと思う。
でも自分は撮影から編集の間の、クリエイティブな監督にじかに触れてきたから。
疲労感と共に溢れていた充実感を知っているから。
やっぱり監督は現場に出たいはずだし、編集したいはずだよなって思う。
その道を新たに切り開くには、もしかしたら、別のアプローチが必要なのかもしれない。
自分なりに考えていかないとだ。
機運は創るものだからだ。

編集の日々をうまく書こうと思ったけれど。
どうも書きにくい。
いや、書きにくいってことはないんだけれど・・・。
舞台は稽古が終われば本番だけれど。
映像は演じてから、その後に演出がやってくる。
舞台ばかりやって来た自分の中でどんな革命が起きたのかなんて。
簡単に言葉に変えられるものじゃないらしい。

そんな役者いる?
監督をした役者はいる。
プロデューサーをした役者もいる。
でもエディターをした役者なんて聞いたことがないよ。

役者は自分で台本を解析して肉体表現に変換していく。
まさかそれを再度解析して再構築していく現場に立ち会うだなんて!

素材が映画になっていく。
でも編集してもそれで終わりじゃなかった。
それはまだ形を創っただけで、その形を磨く工程がまだまだ残ってた。

自分はその全てに立ち会った。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
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2019年06月08日

おばあちゃんの編み棒の色

ネット上の上映リクエストシステムのドリパスが毎日順位を上げている。
とってもありがたくて、毎日確認してしまう。
皆様の何位に上がった!みたいなSNSのコメントをついリツイートしたくなるのだけれど。
ぐぐぐっと抑えている。
このシステムはたくさんのたくさんの作品のファンが集まっていて。
純粋に投票しているんだよなぁとランキングをみて思ったから。
多分、出演者たちが皆で投票をお願いします!って動きい始めたら今の何倍も伸びるのはわかっているけれど。
出演者たちがあおって投票していただくことは、なんだかその純粋な思いを裏切っているような気がするからだ。
多くの映画ファンが純粋な思いで投票しているのだから。

お客様同士でご友人を誘うのと、関係者が直接お願いするのは違う。
この世の中は結果が全てなのだから結果だけを目指せよという心の声をずっと聞こえないふりしてる。
それにランキング入りしても上映は決定しない。
それならとチケット予約が一定数まで行かないと上映できないと書いてある。
組織票のランキング入りでは、その時になって予約していただける人が集まると思えない。
TOHOなのだから日本全国なのだ。
お客様に愛されてランキング入りするのであれば、もしかしたら興味を持っていただけるかもしれない。
だからこそ、誰かの純粋な思いのようなものに横槍を入れるようなことだけはしたくない。
きっと、他の映画のファンも、セブンガールズという作品の動向を調べたりするようになってくるから。

もちろん上映できるほどの上位に行けるかどうかはわからない。
ギリギリで難しいかもしれないとも思う。
それにしたってさ。
ちょっとすげーだろ!って自分はなんていうか自慢したくなっちゃうよ。
だってさ、ランキング20位以内を確認してみたんだけれど。
どの映画も全国ロードショーをしたような作品だとか、有名俳優が出演してたりなのだよ。
それはつまり公開時の宣伝力が全国規模だった作品だし、知名度という分母が桁違いな作品ばかりだってこと。
単館上映で上映を続けてきたような作品は「セブンガールズ」だけなのだ。
あとね、作品じゃなくて、出演者のファンたちが投票している作品もあったよ。
今週はこの作品を推しましょう!みたいなさ、すごい愛情だ!って驚いた。
確かに全国のファンがそれなら上映を観れるし、楽しいもんなぁ!ってシステムの良さを感じたのだ。
そういう中に、この作品を全国に届けたいですなんてコメント共にセブンガールズがあるんだぜ。
こんなに自慢できること、早々ないんじゃないかなぁ。
セブンガールズを知らない方も投票し始めてくださってるんだなぁと最近は思っていて。
ひょっとしたら唯一という事もあってミニシアターファンもいるのかもしれない。

本当はこれを猛烈にアピールしたいけれど自分なりにぐっと抑えて。
もし再上映が可能だとすれば・・・というものを自分のできる範囲ではやっている。
大したことではないかもしれないけれど、そういうことを積み重ねるしかない。
まるでこれは皆様とのマッチレースみたいだよ。

どんな方法でも、まずは結果を出せばいいという考え方はもちろんそれはそれで正しい。
結果を出してそこから帳尻合わせできることだってあるし、そこから考えたっていいのだから。
セブンガールズだって、映画化が決定してから製作開始しているのだし。
あの時の多くの皆様の雪崩のような勢いの応援を思い起こせば特にそう思う。
また芸能の世界では「他人を蹴落としてでも」なんてよく言われたりもする。
他の作品のファンなど気にしないで、どんどん進めばいいじゃないかというのがまかりとおる正義なのだ。

セブンガールズの撮影が終わって、少し時間が空いた。
撮影データを受け取りに行った。
編集は自分がやると伝えてあったけれどね。
すごく心配してくださっていたのだよ。
製作で入ってくださったスタッフさんが色々教えてくださった。
うちのパソコンを貸し出しましょうか?とか、アプリケーションについてとか。
生データのままじゃなくて、取り込みまではやっておきます!とかさ。
あの信じられないセットの中で、信じられないような撮影の日々を共に過ごしたスタッフさんだから。
その撮影データがどれだけの宝物で大事なものか知っていて。
バックアップも含めて、そのデータをどうするかというのをすごく気にしていて。

もちろん宣伝費に食い込んでしまうかもしれないという前提であれば。
編集を誰かにお願いすることが不可能だったわけではない。
いや、むしろ、殆どのスタッフさんがそうなのだろうと想像されていたわけで。
だからこそ、撮影セットのバラシの日に、自分が編集すると口にしたら、録音部さんがすごく驚いてたんだ。
たった5日でも撮影データは映画の数倍に及ぶ。
NGカット、サブカメラ、各テイク、全てを一本の作品にしていく。
撮影部や録音部、照明部とプロにお願いした素材の仕上げが、初の編集だなんて。

でもね。
データを受け取りに行った時。
小野寺さんの編集が一番良いと思おうって、言ってくれたの。
製作スタッフさんが。
余りにも膨大なシナリオ、余りにも数の多いカット数。
その全てを小野寺さんは把握しているし、出来るならそれがベストだって。
遠回りになっちゃう部分もあるのかもしれないけれど。
小野寺さんは、まぁ、出来ちゃいますねと少し笑いながら言われて。
でも、わからないことがあったらどんどん聞いてください!と言ってくれて。

自分の中ではもう一つあって。
それは監督が好きなように編集するというか。
詰まった時に意見を言えたり、悩んでいる時に提案出来たり。
あるいはその提案を、こんなのやらねぇよ!って監督が言い返せる関係性であるかとか。
プロのエディターの意見であれば、多分、自分がやるよりも監督はOKを出しやすくなるなと思ってた。
時間をかけてくれることが申し訳ないということまで考えてしまう監督なのだから。
どこかで、まあいいかが出てきてしまうかもしれない。
遠回りでも自分がやれば、監督は躊躇も遠慮もしない。
嘘だろ!この数秒のシーンだけ、なんで何十回も観るんだよ!みたいなことだって実際にあったもの。

それとね。
編集って、やっぱり編み物なのだと思うよ。
映像や音声という素材を、丁寧に編み込んでいく。
セブンガールズという映画はその時点ですでに工場既製品のセーターではなかった。
おばあちゃんの手編みのセーターのような、ひと編みずつ思いがこもっている作品だった。
だから、自分がやって正解だったんだって思う。
その後の吉田トオルさんとのやり取りまで含めて。

結果的にだけれど。
毎日映像をSNSで発信できるようなことも出来るようになった。
素材もノウハウも手の内にあれば、そういうことが出来る。
明らかにやれることが一気に数倍に膨らんだ。

結果優先でも良いと思う。
でも自分のやり方はそうじゃないな。
一歩一歩思いを込めて進む。
ひと編み、ひと編み、思いを込めて編んでいく。
ランキングに入らなかったとしても、その一票が純粋で思いのこもったものであれば。
それはきっと別の形で大きな力になるんじゃないかなって。
それを知った別の映画館が連絡をくれるかもしれないじゃないか。
だから。
今まで自分たちが歩んできた道のままで進む。
このやり方で進む。
いつ終わるかもわからない編集に向き合ったあの日。
大丈夫、どこかには辿り着くさと覚悟するしかなかった。

心は目に映らないけれど。
心を込めたものを人は感じることが出来る。
そう信じているからこそ
安易に結果は求めなかった
そう信じているからこそ
セブンガールズは完成した。

心が連鎖して連鎖して、今、こんなにも。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。

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