2019年06月22日

夢の彼方に

セブンガールズ映画化実行委員会のBLOGも。
1日目「夢のはじまり」から1327日目になった。
もう一度だけ最初の一日目のBLOGを読み直して少し笑う。
なんのこっちゃない、あの日から一歩も進んでいない。
何も印象が変わっていない。
こんなことを1327回も繰り返してきた。

今、振り返ればやはり夢のような日々だったのかもしれない。
考えてみれば偶然が重なって映画は完成したのだ。
あの撮影の日々も。
あの上映の日々も。
自分はいつだってキリキリとしながら現実と戦っていたはずなのに。
振り返ってみたら、全てが夢の中にある。

夢を見たんだ

下北沢の小劇場で何年も何年も目の前のお客様にお芝居を届けてきた僕たちが
自分たちで映画を創ってたくさんのたくさんの、一人でも多くの、
まだ僕たちを知らない人たちにまで、世界中にいる戦っている人たちへ
目の前のお客様に届けてきたように、そっと僕たちのお芝居をプレゼント出来たらなって。

あの時何も知らなかった。
映画の作り方だって。
それが上映されることすら難しいことだって。
やらなくちゃいけないことがこんなにたくさんあることだって。
なんにも知らないまま、走り始めたんだ。

とてもじゃないけど夢の世界なんて言えない場所だったけれど。
それでも今まで見たことのないような風景をたくさんたくさん見たよ。
生きている間にあんな風景を観れる人がどれだけいるだろう?
それを幸せと呼べないのであれば、もう世の中に幸せなんてないよ。

今日もネットにはたくさんの応援が届いている。
昨日のブログを読んで、お客様が夢の続きを創ろうとしてくださる。
再上映を望んでくださる。
一週間で上映が終わるかもしれなかったのに。
66日も上映されただけでも奇跡なのに。
東京で、大阪で、名古屋で、横浜で。
たくさんの人に出会って、そんな人たちが応援してくれるようになっていった。

舞台の上から目の前のお客様に喜んでもらいたいとだけ考えていた僕たちは。
スクリーンの中から喜んでもらえる方法がよくわからなかった。
自分の意志とは別のところで映写機は周り、僕たちの映画がスクリーンに投影されていく。
遠く離れた土地でも。
でも何一つ変わらなかった。
目の前のお客様はセブンガールズを受け取ってくれた。
体温を感じるような映画なんて言葉までもらった。

誰にだってあると思う。
心に穴ぼこが。
子供の頃に急に寂しくなってそれだけで泣きだしたように。
大人になればそれだけで泣くことなんかないけれど、穴ぼこが埋まったわけじゃない。
生きていればむしろ小さな傷や、小さな穴が増えていくんだから。
それを闇だなんて言わないで欲しい。
それは誰にでもある個であることの寂しさだから。
誰かに埋めてもらっても、ふとした時に感じてしまう孤独という名の罠だから。
そんな心の穴ぼこに埋まらないまでも、少しだけ、ほんの少しだけ。
人肌程度に暖かいものを。
寂しくなった時にそっと寄り添ってくれるような物語を。
いただいてばかりではいけないのです。
ちゃんとプレゼントしなくちゃいけないのです。

映画も演劇も変わらない。
お客様がいるからこそ存在するもので。
例えば映画館に今の3倍のお客様が足を運んでくれたら。
それだけで映画界はまるっきり違った世界になっていく。
例えば劇場に今の3倍のお客様が足を運んでくれたら。
それだけで演劇はまるっきり違った世界を生み出していくだろう。
でも、そうならないのは作品が悪いのかな?
ほんとうにおもしろい作品を創れていないからなのかな?
それとも、ショウを楽しむだけの心の余裕がまだまだ社会には足りないのかな。
セブンガールズを愛してくれたように。
どうかどうか、これからも、映画や演劇を愛してください。
K'sシネマやUPLINK、シアターセブン、名古屋シネマテーク、下北沢トリウッド、横浜シネマ・ジャック&ベティに足を運んでください。
そしていつだって劇団前方公演墳の会場では、皆様を全力でお待ちしております。

映画「セブンガールズ」の全てが終わったわけじゃないです。
これからも、僕は地道に様々なことをやっていきます。
いくつかの企画に声をかけたりも実はしています。
でも、ここから進む道はどれもここで報告出来るようなことではないでしょう。
隠密行動のような動きは今までもこれからも書けないのです。
それにしては、このBLOGは赤裸々すぎて、なんでもかんでも書きすぎているのですけれど。
だから、もしかしたら、再上映を含めてここで何かをお知らせをする日が来るかもしれません。
いやそれは多分やってくるでしょう。
でもね。
ここいらで「セブンガールズ映画化実行委員会」は店じまいをするよ。

何故なら。
ここはあの日夢見た場所から見れば。
夢の彼方だからです。
たくさんの夢を持って始めたこのBLOG。
その夢の彼方にもう自分は立っているのです。
ここから先は、もう、ここで夢を話すことが出来なくなってしまう。
それじゃあまりにも悲しいじゃないですか。
それじゃあまりにも切ないじゃないですか。
夢の彼方に立てば、ここはもう終わるしかないのです。

そんな夢の彼方に立って。
ここでどうしましょうか。
楽しかったなぁって思い出に浸りましょうか。
今までのように小劇場で再び作品を届けることを繰り返しましょうか。
あと何年、僕たちが活動できるのかわからないけれど。
どこかに抜け出そうと思っていたのに、元の場所に戻るのかな?
それとも、相変わらず馬鹿じゃねぇの?って言われるような新しい夢を探しましょうか?
淡々と稽古は続けるけれど、発表する場所も淡々と同じ場所でいいのかなぁなんて思ったりします。
そのままじいさんになっちゃうのかなぁとかさ。
そんな僕を誰かは観たいのかなぁとかさ。

舞台は早くても来年になると思います。
今、どんな作品を上演するべきなのかというところからちゃんと考えています。
ノリと勢いだけで、過去の再演や、無理やり上演するのは嫌なのです。
先日、出演者の有賀さやかが客演をしました。これから映画撮影もあるそうです。
それとまだ発表して良いかわかりませんが、7月のとあるドラマにやつが登場します。
高橋2号君は8月に客演を控えています。
佐野みかげは9月に客演を控えています。
坂崎愛は、親友と「ガポ」というユニットを組んで何か企んでます。
イベントやライブは、いつでもやれます。そればかりは気が向いたら突然発表みたいな感じでしょう。
ぜひこれからもSNSやらで情報を追いかけてください。

映画製作という夢の彼方に立ってからの僕たちがどんなことをするのか。
厳しく、温かい目で見てやってください。
それまでと、それからが、変わっていくんだという事をぜひ体感してください。
そしてほんの少しだけ、来たよ!って声をかけてくれると嬉しいです。

1327日の闘いの記録はここで終わります。
何かを達成しようと始めたBLOGは。
再び何かに立ち向かうスタート地点に立っています。

ご愛読いただいた皆様。
たまに読んでくださった方。途中まで読んでくださった方。途中から読んでくださった方。
今日までこんなつたない文章にお付き合いいただいてありがとうございました。
なんでもかんでも書くものだから、少し嫌な気分になる日もあったかもしれません。
そうだとしたら本当にごめんなさい。
どこかに棘のあるような僕でごめんなさい。
それなのに読んでくれて、本当に本当にありがとう。
共に歩んでくださったことは忘れません。

僕の人生の3年8か月をここに捧げました。

さようなら、セブンガールズ映画化実行委員会。
明日からここに何かを書くことがないだなんて。

夢の彼方に。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。
※上映ご検討の映画館様、ご連絡をお待ちしております。

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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:27| Comment(1) | 夢の彼方に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月21日

セブンガールズ映画化実行委員会 総括 LAST

多くの映画はその規模を問わず〇〇製作委員会が映画製作をしている。
出来上がった映画にはコピーライトとしてその製作委員会が名前を残す。
この映画を製作して、この映画の権利を持っているのは私たちですよという意味だ。
大手配給の映画でもこの製作委員会方式はある。
製作委員会方式とはつまり出資者の連合のようなものと考えればいい。
映画の企画を立てて出資者を集めていく。
配給会社や出版、映画会社、その他多くの企業。
権利の分配率を決めて、映画の製作の準備をしていく。
製作段階で予算を越えてしまうような場合は分配率が変わることもあると聞いたことがある。
なんというか自分にとっては信じられないような世界のような気もするし、実はすぐそこにある世界でもある。
テレビアニメなんかも製作段階でソフト化を決めていて、製作委員会方式で創られたりしている。
権利の分配は、リスクの分配でもあるし、一つの形なのだと思う。

一口に映画を製作しますと宣言してもその企画段階から多くの問題や山がある。
製作委員会を立ち上げられるかどうかだって、難しかったりするはずで。
同時に企画段階から詳細な資料を創って走り回っている人がいるという事でもある。
シナリオを書く前の段階でも、映画というのは動き始めている。
そういうことまでよくわかった。
セブンガールズ映画化実行委員会は、製作委員会とは違う。
権利の分配もなく、リスクも一極集中であり、シンプルに舞台を映画にしてやんぞ!ということだ。

映画が出来上がってから公開まで宣伝部が全国を走り回る。
あらゆる媒体、あらゆる地域、あらゆる代理店に顔を出して、映画の知名度を上げていく。
映画は公開週の最初の数日の動員をみて、その後の上映が決定してしまうことも多い。
シネコンでわずか1週で上映が終わってしまうケースもあるのだという。
かつてのようにスクリーンが1つの映画館であればそんなに簡単に上映作品を取り下げられるだろうか?
今はスクリーンを複数持つシネコンだからこそ、徹底的に動員計算をして数字で管理できる。
お客様が入る作品を客席の大きなスクリーンで数回上映して、自然と動員が見込めない作品は上映回数が減っていく。
映画という世界が産業である以上、動員できる映画が正義であることは動かしようがない。
だからこそ初日動員に向けて全力で宣伝するわけだし、数億という単位の宣伝という戦いなのだと思う。
とんでもなく厳しい世界で戦っている営業さんたちがたくさんいるってことだ。
それでも結局そこまで世間に浸透せずに、結果が出なかったなんてことも耳にする。
ハイリスクでありハイリターンであるのが映画だ。
大手では宣伝部の仕事は公開までで、それ以降は配給の仕事になるなんて目にしたけれど。
それはもう業界全体のシステムのようになっている。

はっきり言えば自分はそのラインに乗りたいと思っていた。
何を馬鹿なことをと言われるかもしれないけれど、そのラインに乗る方法がないか模索していた。
既に映画が製作されており、宣伝から公開に向けての予算しか必要ないのだから可能性はあるはずだと思っていた。
既存の宣伝、既存の配給、大手製作の映画と並んだ時にどんな答えが出るだろう?なんて思ってた。
もちろん何を馬鹿な?が正解であって、その方法なんかどこにも存在していない。
とにかくアピールできること、面白そうだと思ってもらえるようなことを探しただけに過ぎない。
自分が大手にいたら、ちょっとやってみるか?ってやるんだけどなぁ。と思いながら。
動員数だけではなく、例えば動員に対する物販の購入比率、リピート率。
そういうものまで把握したら、セブンガールズをやってみることは決して冒険じゃないと思う。
それにしても名の通っているものが、監督も出演者も映画祭などの冠もなさすぎるからなのかもしれないけれど。
それはきっと映画会社が名前に弱いのではなくて、やっぱり世の中の消費者は名前に圧倒的に弱いのだという事だ。
現実的にYahoo!ニュース映画をみれば、出演者発表第二弾!が、平然とニュースになっている。
とっくに撮影が終わっているから出演者など確定していたわけで、ただの話題作りに過ぎないとわかっているのに。

そんなことも考えてたの?と言われてしまうけれど。
現実的に世間に届けてくれないか?という企画書を創って、色々なところに提出していた。
あんまり皆も知らないような動きだけれど。
まるで風車に立ち向かうドン・キホーテのように。
それは違うんじゃないかという言葉も良く分かった。
自分たちは地道に単館独立系の映画館で上映を重ねていくというのが大事なことだからだ。
でも自分はそれをやりながら同時に、色々な方面にアタックできないかずっと考えていた。
コピーライトが単独なのだから、販売流通や放送などなど、ここから多くの権利を拡げられる。
そういう武器をそのままないがしろにするほうがつまらないなぁと思っていた。
もちろん、誰もがバカバカしいと口にするように、当たり前に空振りを繰り返し続けた。

「セブンガールズ映画化実行委員会」とはつまり敗北の歴史なのだという事。

よくこの作品を映画にしたとか。
奇跡のような映画だ!とか。
たくさんたくさん、すごい!と言ってくださる。
ありがたいなぁと思いながら。
自分はこの「セブンガールズ」を社会にまで届けようと最初から思っていたのだ。
海外への挑戦だってそうだ。世界に問いかけたいと思っていたのだ。
信じられないような映画界の重鎮にアポイントが取れて会いに行った日もある。
けれど、それもなんにも繋がることはなかった。
面白かったですという評価しか引き出すことは出来なかった。

多分、監督だって出演者たちだって。いやお客様だって。
「敗北」だなんて言ってくれるな!と怒られてしまうかもしれない。
セブンガールズを大事に思ってくれるほどそうかもしれない。
でも自分の場所に立てば、答えは一つだ。
全員に大きな見返りがあるようなハッピーな結末を迎えることが出来なかったのだから。

大成功だぜ!やってやったぜ!歴史を創ったぜ!
もちろん、それを言おうと思えばいくらでも言える。
それに自分は敗北したと思っている割には、こんなにも胸を張っている。
やれるだけやっての敗北は恥ずかしくもなんともないからだ。
実現不可能と言われたことを実現しただけでもすごいなんて言ってくれないでください。
出演者全員で大成功してハワイに行ってやる!ぐらい本気で思っていたのです。
頑張ったみんなが、頑張った分だけ報われるところまでやる責任が自分にはあると思っているのです。
監督や出演者に、オファーが来るような状況まで行きたいと思っていたのです。
難しいとはわかっていたし、簡単だとなんか思っていなかったけれど。
それにしたって、世間まで届くことはなかったというのは事実なのです。

そして、僕たちはなんとも、チッポケなんです。

多分そうだなって思っていることがあります。
皆、きっと映画に出たかった。そしてそれが夢になっていた。
舞台を続けながら、夢は本当に夢なんだなぁと徐々に理解していった。
そんな時に、夢じゃないぞ、やろうぜ!と立ち上がったのがセブンガールズなのです。
そして、映画製作を夢ではなく現実として取り組んで。
本当に皆の純粋な気持ちが結晶のようになってキラキラとしているのがこの映画なのです。
やれるだけやったよ!自分たち、映画創ったよ!そんな強い思いはあるのです。

でも。
でもでもでも。

皆が最初に思い浮かべていた映画に出たいという夢からはかけ離れていたと思うのです。
それは、夢と現実というかけ離れ方ではなくて。
子供の頃に映画館で見たスクリーンの中の人とはかけ離れていたんじゃないかって思うのです。
思っている以上に小劇場とインディーズムービーの世界は風景が近かったはずで。
舞台の何倍も媒体があったり、地方に行けたり広がりがあるものの、それ以上のことはなかったはずです。
そして多分、今、皆は良くやった!がんばった!と心から喜んでいると思うのです。
ですけれど。
それは皆の夢の実現にまで到達していないんじゃないかって思うのです。
そしてそれを敏感に、あるいは無意識に感じながら、どこか受け入れているんじゃないかって思うわけです。
まぁ、こんなもんだよな自分たちは。もっと行けると思うんだけどな・・・って。
無名の日本で一番小さな映画が頑張ったという結果で良いと思っているんじゃないかって思うのです。

それを思わせてしまった自分が許せない。
セブンガールズ映画化実行委員会とは。
そこに参加した全員の夢のようなものを、より現実にするために存在していたのだから。
チッポケな連中が、自分たちはチッポケじゃないと確信できるまでやらないと。
それが自分に課せられた使命だったのです。
やれることを全部やったけど、これしかやれない、この方法しかない、そればかりだったのです。

クッソー!!!!!
至らない自分が許せない。
バカだけど、もっとバカになっても良かったんじゃねぇの?とか思ってしまう。

全然満足できない。満腹感がない。
ハラガヘッテンダ!!
クイタイモノクワセロ!!
むしろ飢餓感に苦しんでる。

まだまだリターンに向けての準備がはかどっていないし。
たくさんのお客様が信じられないほど再上映を望んでくださっている。
それで世間が動くことがないとはいえないけどさ。
もしかしたらどこかで再上映があるかもしれないけれどさ。
セブンガールズ映画化実行委員会は、そんな風にhungryな状態で終わろうとしている。
自分らしいって言えば自分らしいけどさ。
寂しいし悔しいし、どこにどう向かえばいいかわかんねぇし。
ああ。ああ。ああ。

明日でこのBLOGも終わろうと思っています。
総括の締めがこんな形になるとは思ってもみなかったけれど。

とにかくこれだけは宣言しておく。

映画「セブンガールズ」

これに関わってくれた全ての皆様は最高だってことだ。

出演者たちよ、君たちはテレビや映画に出ているどんな役者にも負けていないよ。魅力的だよ。
セブンガールズを観た後に他の作品を観たら色褪せて見えることがあるぐらいさ。
こんなに出来る奴らがいるんだぜっておいらは心から思ってるよ。
自分たちはこの程度だと思わないでくれ。全部、世間まで展開できなかったおいらが悪いだけだ。

スタッフさん、本当に素晴らしい仕事をしてくださった。
あの濃密な短い期間で最高の仕事をしてくださった。
多分、仕事というだけで出来るような内容じゃなかった。
おいらたちの情熱に、おいらたちの思いに、応えようとしてくださった。
皆様の名前が一段も二段も上がるような結果を出したかったです。すみません。

配給さん、ありがとうございました。
なんの冠もない映画なのに、こんなに長く上映出来ました。
自分はいつも頑張りますとしか言えませんでした。
そしてその頑張りが足りていたのか今だに疑問ばかりです。
とんでもない映画をみつけてきたじゃないかと言われるような結果を出したかったです。

セブンガールズ映画化実行委員会よ。
お前は無茶に挑んだ。無理難題を通そうとした。
最初から無理だと諦めずに進むと決めた。
けれどどうだ、このザマは。
無意識に、難しいだろうなといつも思っていたんだろう?そうなんだろう?
お前だけが足りない。お前だけがやりきってない。

そしてお客様に。
敗北の中、皆様は光でした。悔しくでもつらくても、光があるから前に進めたのです。
至らない自分たちをこんなにも愛してくれてありがとう。
皆様の愛情にどうやって応えていけばいいでしょう。
この夢の彼方に。
皆様の思いをどうやって運んでいけばいいでしょう。
皆様がいつかこの作品を見つけたんだと胸を張れる日が来るように。
これからも頑張ろうと思います。

これがセブンガールズ映画化実行委員会の総括だ。
圧倒的な敗北宣言こそ似つかわしい!!

あした、このBLOGの最終回がやってくる。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。
※上映ご検討の映画館様、ご連絡をお待ちしております。

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2019年06月20日

セブンガールズ映画化実行委員会 総括 2

夢を自分の現実にすることは、そんなに難しい事じゃない。
そこにただ飛び込めばいい。
夢の世界だった場所もあっという間に現実の世界になる。
いいからやってみな!ってことだ。
ただシンプルに現実にするのは簡単でも、現実というのは容赦がないという事だ。
それがどんな世界であっても。

連日、上映期間終了後だから、上映前にはあまり観て欲しくなかったメイキング映像を公開している。
あのパンパン小屋を自分たちで本当に作っていた映像は、話や写真の何倍ものリアリティがあった。
自分たちでセット設営から何から全てやったことを、プロモーションに活用した。
けれど、ほんとうのことを言えば、恐らくは映像関係者や世界にとっては、宣伝になることじゃない。
作品で勝負しろよ!って言われるという意味ではない。
それは当然するのだから。
そうじゃなくて、役者が何もかもやるというのは、本来はあってはいけないことだからだ。

自主制作だけではなく、ローバジェットの映画の世界で問題になっていることがある。
それは低予算で切り詰めた結果、それが現場スタッフのギャランティ問題にまで波及していることだ。
中には公開後に支払うと約束して未払いになっているようなケースだってあるという。
かつての映画黄金期は大きな映画会社があって、その中に大道具部や、衣装部があったわけで。
それが今は外注になり、多くの撮影スタッフたちが独立して自分たちで仕事をしている。
当然、低予算映画を製作して、あの予算でクオリティの高い仕事をしたと噂になれば仕事が増える。
増えるけれどそれは同時に、仕事的には無理が出るという事になる。
低いギャランティでスタッフを集められるのが名プロデューサーと呼ばれてしまいかねない。
本来なら、大きな予算を用意できる人が言われていたというのに。
とは言え、ローバジェットの映画が、邦画のある一部分を支えていることは現実で。
そして、そういう仕事の数が多くなければ、仕事として回らないスタッフさんも数多く存在するはずで。
毎日ある仕事じゃないし、機材費などまで考えればリスクが高くなってきている。

現実に挑むとはつまりそういうことなのだと思う。
自分たちでやるというのはある意味で最終的なやり方であり。
例えば世の中の役者たちはそんなことをしてくれるなよと思うはずなのだ。
或いは美術スタッフからすれば、役者がインパクトドライバーまで駆使するというのは困ったことかもしれない。
若いスタッフが育つ現場を奪いかねないという側面だってあるのだから。
自分たちにとって夢の世界だった映画の世界にも、その業界が持つ問題や、現実が山のようにあったという事だ。

特に役者たちは厳しい場所に立っている。
最近、SNSでよく見かける「ボランティアエキストラ」なんて言葉も昔はなかった。
映画に大勢の人を出すのであれば当然エキストラが必要になるけれど、低価格ながら昔は支払われていた。
現在は、主演の俳優次第でボランティアエキストラが集まる人数が変わるなんて言われたり。
そもそもこの「ボランティア」という言葉を使用しているのは余りにも都合がいいのではないかとも思う。
エキストラに公共性も、自立性もなく、ただ奉仕活動という側面だけなのだから。
だからと言って、エキストラをお金を出して集める予算も取れないというジレンマもある。
大きな予算の映画でもボランティアを集めているとしたら大問題だけれど。
(一度たまたま見かけた撮影でボランティアエキストラに怒鳴っている助監督らしき人がいて蹴ってやろうかと思った)

いやエキストラだけではなく、役者の出演料は判断が難しいのかもしれない。
売れていない役者であれば、経験したい、経歴に加えたい、現場に行きたい、修行したいという側面もある。
役者はオファーされるぐらいになるまでは、ギャランティのことなど口にも出せない雰囲気がある。
そして現実にお金の問題を越えたところに学ぶべきことがたくさんあるのだから困ったものでもある。
どこか丁稚的感覚が、役者や撮影スタッフなどの職人の世界には残っている。
自主映画でスタッフさんにお礼を支払っても、役者にはギャラがありませんと記載されているものもまだ多いのだ。

そもそも自分も役者として。
この人が声をかけてくれたら地の果てでも手伝いに行くというような人だっているのだ。
セブンガールズでお世話になった人たちから声をかけられたら、自分は、いく肌だって脱ぐ。
昔からある友情出演というのは、役者として生きていけば必ずあるはずだ。
それは恩義だから。

映画化するよと皆に伝えた時に。
夢がかなった!と喜んでいるその横顔をみて。
そうじゃないんだ、これから大変なんだと思ったのは。
皆に色々なお願いをしなくてはいけないからだ。
セットを創るだけじゃない。
その材料集め、ロケ地探し、撮影準備にありとあらゆること、そして宣伝。
それまでもずっと劇団でそういうことをやってきたけれどさ。
映画なんて初めてなんだし、皆は役者をやりたいのだから。
え、それも自分たちでやるの?
え、そのへんは誰かがやってくれるんじゃないの?
きっと皆、何度もそんなことを思ったんじゃないだろうか。
公開中の宣伝活動まで含めて。
でも、現実はそうじゃないのだ。
全部1から10まで自分が背負ってやるわい!と意気込んでいたけれど。
とてもじゃないけれど、自分一人で出来る分量ではなかった。

「セブンガールズ映画化実行委員会」とは、役者たちに最低なお願いをしていたのだ。

そのぐらい当たり前だろ!と思う古い体質の自分も確かに存在している。
自分は10代後半からとにかく色々な舞台を手伝って色々なことを学んだ時期があって。
その頃はもうただ同然でこき使われることなんかなんとも思わない、そういう時代だった。
むしろ勉強させてもらっているんだと思っていたり、酒をおごってもらえるなんて思っていた。
そういう時代をくぐりぬけてきた自分から見れば、自分で自分のことをやるのなんか当然のことだ。
それに自分たちでやればやるほどプラスになる部分があることも知っていた。
手作りであることは愛着を生み、愛着はそのまま作品に映ると最初から思っていた。
そしてそれは小劇場の世界にも当てはまることでもある。

「夢」である映画出演の世界だって。
小劇場と現実はそれほど大きな違いがないと知ることにもなってしまう。

自分の意志で始めたことだ。
皆を巻き込んでしまうとも考えたけれど。
皆も自分の意志で参加してくれた。
そしてあまりスタッフワークに抵抗があるなら無理しないでと伝えるしかなかった。
それでもほとんどの皆が無理をしていて。
そんな皆を守らなきゃいけないと何度も何度も思った。
傷つけちゃいけないと、何度も何度も思った。

劇団員ではないオーディションで集まった3人には、ちゃんと役者として現場に迎え入れてもらえたと思って欲しかった。
だから手伝おうとすれば何もしないでいいよと伝えて、休憩時間も用意して細心の注意を払ったつもりだ。
自分も役者だからどうしても実行委員長としての自分とは別の顔が出てきて友人のように話してしまう時間帯もあったけれど。
セブンガールズの現場ではちゃんと役者として迎え入れてくれたと思って帰って欲しかった。
でも、ほんとうのほんとうは、それを全員に感じてもらいたかった。劇団員も含めて。

映画製作するという事の現実はこうなのだ。実際に。
現場からは無茶を言われて、足りない予算でなんとか回して、身を削る。
そういう人がどんな現場にも必ず存在しているはずだ。
そうしないと出来ないことがたくさんあるのだから。
自主制作で上映まで辿り着いた多くの作品は、大抵は映画監督自身が自分の身を斬り刻んでる。
見返りをもしも求めたら、精神が崩壊するぐらいまで。

自分は皆がやってくれるから、何度も何度も甘えてしまった。
いや、その逆もある。
甘えてはいけないからと自分が必死になることが、皆にとってプレッシャーになってしまったかもしれない。
小野寺があそこまでやってるんだから・・・なんて理由で動いてくれた人もきっといるのだ。
情熱と思いと信頼と友情と。
その全ては映画が完成されて公開されるかわからない時からずっと続いていた。
皆に申し訳なくて、稽古場に行きたくなくなった日が何回あっただろう。
皆にハッピーをプレゼント出来なかったとしたら、自分はどんなやつになってしまうのだろう。
やるせない夜は、ただぼんやりと抜け殻のようになってた。

しょうがないのだ。それが現実なのだから。
時代劇を低予算でやるのであれば、そうなるのだ。
そう言い聞かせたところで。
頭の中と心の中はいつだって同調してくれない。

でもね。
小野寺個人ではない。
皆で「セブンガールズ映画化実行委員会」なのです。
どんなに自分が思ったところで、そうなのです。
ただ、自分はそこに甘えてしまってはいけないと考え続けているだけなのです。

「夢」は「現実」になった。
こんなことが起きるのかよという奇跡のような映画になったと今でも思っている。
これは皆の自己犠牲で出来た映画であるという側面は忘れてはいけない。
そして小劇場という現実の世界で芝居を続けてきた皆が舞台でみつけたように。
映画が公開されたとき、どんな風景が待っていたのか。
「現実」を受け入れた結果、そこに何が広がっているのか。

それを知ることになる。
「現実」が再び「夢」になる。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。
※上映ご検討の映画館様、ご連絡をお待ちしております。

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