2019年05月28日

奇跡との戦い

真知のInstagramが丸一年なのだそうだ。
映画公開が9月末、その数か月前からこの役名のアカウントが生まれた。
今はフォロワー数も3000人を超えて、いいね!が常時1000件もつくようなアカウントになった。
映画公開よりもはるか前から始まったのは、まだ何を始めていいのかもわからなかったからだ。
このアカウントは映画の宣伝で始まったわけじゃない。
友人や知人を映画に誘うわけじゃなくて、○○の坂崎が出演している・・・という何かを模索した結果だ。
セブンガールズの坂崎のアカウントではない。
インスタの真知が出ているセブンガールズ。
それぞれが小さすぎる自分の存在を一つでも大きくするにはと考えた。
だからこそ、公開の前から始まっているし、公開前からフォロワーが増えていった。
映画を観てくださった方がフォローしてくださることももちろん嬉しいはずだけれど、その前からなのだ。
その時期に他にも色々なコンテンツが始まって、それぞれが自分のポジションにあった何かを模索した。

奇跡の映画だと、色々な方に言っていただいた。
間違いなくたくさんのミラクルがあったからこその映画だ。
けれど奇跡だったのだと自分たちで思ってしまうのはいけないのだと思う。
何もせずに、その足を動かすことをせずに、その頭を使うことをせずに生まれたものなど何もないから。

いいかい?
これが例えば奇跡だったとしても。
それを確実に自分たちで起こしたのだと胸を張るべきだ。

何をするべきかもわからないまま、わからなければ人に聞いて。
実行して経験して、自分なりの答えを一つずつ見つけていって。
そんな積み重ねが何も生まない事なんて有史以来一度もないんだから。
もちろん、その奇跡にはたくさんの皆様のお力添えがある。
だからどこか申し訳ないとか、ありがたいなぁとか、そんな思いになる。
でも感謝は感謝。誇りは誇り。
今日までやってきた道は道として、自分たちが成し遂げたことを胸に歩くべきだとおいらは思う。

最初の奇跡はクラウドファンディングだったはずだ。
皆が嘘だろ!すごい!ミラクル!と声を上げた。
あれから幾つの壁が立ちはだかっただろう?
撮影は延期せざるを得ないというギリギリの勝負になった日もあった。
信じられぬ偶然で出会った家財道具たちがあった。
あの規模のセットをローバジェット映画で創り込むのも奇跡だと言われている。
あの規模の作品をたったの5日で撮影するというのも奇跡的だと言われ続けている。
そして公開出来たことも、その公開が続いたことも、その最終週で満員を記録したことも。
全てが奇跡的じゃないかと言われる。
中には、また奇跡を起こしてるよ、この人たち!なんて言われたりもした。
奇跡とはつまり、起きるわけのないことが起きる事。

実は自分たちは劇団活動の中で5周年記念公演の後ぐらいからよく口にしている言葉がある。
「出来ない禁止」
当時のことを知らないメンバーもいるかもしれないけれど、公演の反省会で出た言葉。
役者は「出来ない」って言ったら終わりだろ?って監督の一言からだった。
よくこの話をすると、精神論だとか根性論だとかって言われてげんなりするのだけれど。
全然、精神論でも根性論でもない。
頭ごなしに「出来ない」という固定観念を自分で作るのは可能性を狭くすることだよという解釈なのだから。
どうやったら出来るだろうか?という立ち位置から始めれば、必ずどこかに道が見えてくる。
それ以来、「出来ない」と口にするたびに、おい!禁止だぞ!と声が飛ぶようになった。

セブンガールズもそうだった。
これは出来ないと言われるたびに、自分は出来ますと答えていた。
それで何度も何度も怒られたりしたわけだけれど。
決して根性論や精神論で乗り切ったわけじゃない。
普通に考えたらできない事でも、出来る方法があるんじゃないか?と探し続けた。
もちろん根性だとか精神もあったかもしれないけれど、決して気合で乗り切ったわけじゃない。
想像以上に綿密に計画して、計算して、細心の注意をはらって進んできたつもりだ。
偶然に偶然が重なったわけじゃない。
あのたくさんの家財道具を譲り受けた旅館がその年に廃業になったり、素晴らしい方々だったことは偶然だけれど。
その前に前後数か月以内に廃業する旅館のリストを創って一軒ずつ連絡したのは、偶然なんかじゃないってことだ。

このような無名の俳優ばかりで初の監督作品で宣伝費もない小さな映画が10週上映出来た。
それは配給さんが丁寧に仕事をしてくださったからだ。それは間違いない。
たった一週間だった都内の上映が東名阪に広がったのも全てそのおかげなのだから。
けれど、渋谷でアンコール上映が決まったこと、それが延長を重ねたことは偶然で出来ることではない。
それまでの上映の経験を分析して、イベントを1から組み立てて、企画力を上げていって。
胃袋がボコボコになろうと、1日でも上映が長く続くには?ということを実践し続けたからだ。
そして、あの渋谷での3週間があったからこそ、その後に続いたのだと思っている。
偶然なんかであるものか!

だから簡単に奇跡と呼びたくない。
起きるわけのないことが起きていたとしても。
出来ないと考えない連中が製作したのだから。

でもさ。
これはやっぱり奇跡なんだよなって思うことがある。
製作時に出会ったたくさんの皆様とのご縁。
そして、上映してから出会ったたくさんの皆様とのご縁。
いや、それはどんな映画でもあるのかもしれないけれど。
それにしても。

この再上映を望み続けてくださる声、声、声はなんだろう?
これは奇跡じゃないだろうか?
上映期間が終わったとアナウンスしても、止まることのないこの勢いはなんだろう?
サービス精神の過剰な自分たちは、その全てに反応してしまう。
まだこんなに動員力があるのはすごいことですよ!と何人に言われただろう?

だって好きな映画はそれはあるけれど。
何度も観たい映画なんてそんなにあるわけがない。
こんなに愛してくださって、こんなに宣伝までしてくださって。
中には一度目はそこまで感動したわけじゃないというお客様だって何人もいらっしゃる。
二度目を観て、そこで初めて感動した方だっていらっしゃる。
何十回も来てくださったお客様だっていらっしゃる。

ファンの声が高まって、どこかの映画館が手を挙げて再上映が決まる!
なんていうことが本当に起きるんじゃないだろうか?という気持ちになってしまう。
もしもそれが本当に起きるのであれば。
そこで、初めて自分は、奇跡だ!と思うのかもしれない。

この最終章はきっと、奇跡との戦いなのだ。
自分の足で歩く。
それをずっとやって来た。
今も、これからも、そのつもりだ。
どうやって進んできたのか。
自分たちが成し遂げたことは何なのか。
少しずつまとめていくのだ。

そしてその終わりが奇跡なのか、足跡なのかはわからないまま進むのだ。
例え再上映が叶うことがなかったとしても。

キセキハコレカラなのだから。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
上映期間終了 皆様ご来場ありがとうございました。

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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:56| Comment(0) | 夢の彼方に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする