横浜二日目。
朝起きるとすぐに初日の満席の風景が浮かぶ。
一度寝て起きれば、多くのことがリセットされる自分にもあの光景は残像のように残ってる。
当たり前のように準備して出かける。
黄金町駅へ。若葉町へ。
稽古場に行くつもりだったのだけれど。
初日に話していて直で良いよと言葉を頂いたこともある。
あるんだけれど、そういうことでもなかった。
なんだか当然のように迷うことなく横浜に向かう自分がいた。
もう作品の切り替えの時間もわかってる。
その時間に間に合うように向かっている。
何の気なしに。
到着してチラシを配っていると近所の方から声がかかる。
そこにいることが当たり前のように馴染んでる。
今日も声をかけてくれるし、挨拶をする。
観に行くよ!と声をかけてくださる皆様。
あ、この方は依然来てくださった方だ!と気付いても。
そっと流す。
もちろん、時間が空いたり、話しかけていただいた時は話すのだけれど。
けれど、今の自分の役割は、セブンガールズを知らない方に知ってもらう事だから。
冷たく見えちゃうかなぁ、話しかけてみようかなぁ。何度も思うけれど。
やっぱり知らない方から見てを一番大事にしないとと思い直す。
勝手な思い込みなのかもしれないけれど。
気を使って、そっと遠巻きで観てくださるお客様もいらっしゃった。
ひゅるりと、目の前をツバメが飛んだ。
ああ、そんな季節だなぁと思った。
映画館の入っているマンションの駐車場に巣があるようだ。
前日の満員御礼と同じようなペースでお客様が増えていく。
ほんの少しだけ、わずかだけ、増え方が少ないかもなぁと思っていたけれど。
上映間近になって駆け込みで何人かがやってくる。
補助席を出すような満席ではないけれど、ほぼ満員と言っていいぐらいの人数まで最後に増えた。
凄い数だなぁ・・・嘘みたいだなぁ・・・。
びりびりとしながら、控室で登壇メンバーを待った。
控室の窓から映画館の裏手にトタン建築が見える。
決して表通りからは見えないような場所にある。
平屋のあのトタン建築は、恐らく終戦直後から変わらずそこにある。
トタンのくたびれ方、雨漏りを直したような重ね方。
今も、こんな建物が建物の間に残ってる。
中はどんな感じだろうか気になって仕方がない。
そう言えば、セットを創る前に歴史的なそういう部屋を見学できないか探し回ったことを思い出す。
ほぼ満席の中、最後方からカメラを構える。
大きなスクリーンを電動でカーテンが閉じていく。
登壇は少し高い所なんだなぁなんて思う。
広い映画館だから登壇の撮影は望遠レンズ、ロビーの撮影は広角レンズ。
レンズを入れ替えながら、電池を交換しながら。
自分は出演者でもあるけれど、今日はスタッフなのだから徹する。
汗だくになりながら階段を何度も上り下りする。
連絡をしたり状況を見たり。
もちろんスタッフとして動いていても、お客様に声をかけていただいたりもするわけで。
でもそんな自分が時間を気にしたり、声が大きくなっていないか気にしていたり。
なんだか、申し訳ないなぁという気分にばかりなるよ。
でも今日まで全ての映画館で同じように、ちゃんとしてきた。
映画館さんにご迷惑にならずに、ベストなタイミングを計ってきた。
そういうことをちゃんとしていなければ、ただの上映をしたい連中になってしまうから。
いつかまたどこかの映画館さんに呼んでいただけるには、信頼が必要だと思っている。
ぐずぐずの現場で映画館スタッフが大きな声を出しているのを何度か見かけたことがあるけれど。
そうなってはいけない。
急かすような言葉で、お客様が傷ついていないかなぁなんて心配になってしまうのだけれど。
自分が登壇メンバーの日だってあるのだから、その日までは。
土日週末の動員。
・・・素晴らしすぎる。
監督も、出演者も、映画館も、プロデューサーさんも、そしてお客様も、全員が幸せになる二日間だった。
終わってから応援メニューの揚げパンを出してくださっているお店に顔を出す。
平日期間中に観に来てくださるという約束までしてくださった。
結局遅くなって、乗換駅で皆と別れる。
さあ、平日だぞと改めて思う。
この土日週末、これだけのお客様が来てくださった理由の一つは。
多くの応援してくださるお客様たちが平日が厳しいから、週末に集中したという事があると思う。
こればっかりは仕方がない事だから。
これまで上映していた時間帯を考えれば、当然そうなる。
初めての時間帯で上映するというのは常に新しい観客層にアクセスするという意味なのだから。
16:45からというのは、平日に働いている皆様には厳しい時間帯だと思う。
けれど、実は映画全体で観たら決して悪い時間帯ではない。
いや、むしろゴールデンタイムと言っても良い時間だと書いても中々信じてもらえないかもしれない。
まず学生が学校終わりに来ることが出来る時間。そして帰りがそこまで遅くはならない時間。
シニア層、主婦(夫)層、商店などなど、働いている人が想像している何倍もの層がある。
この時間帯に動員できる映画館は強いと言われるような時間帯なのだ。
夜間の方が通常動員が少ない。だからレイトショーは割引になるのだ。
これまで夜間の上映が続いていて、応援してくださる方が増えていったからどうしてもそこが強いと思ってしまうけれど。
初日、補助席になると聞いて、それなら平日に来るよと帰ったお客様もいらっしゃる。
わざわざカウンターまで行って、〇曜日に来るからね!なんて声をかけてくださったお客様も。
この二日間ほどの動員は見込めないかもしれないけれど。
ご近所の方々や、今までとは別のお客様層に観ていただける大チャンスなんだって思うようにしている。
それはまた新しいミラクルなんだって思っている。
そりゃ、毎日毎日満席に近かったら、きっとアンコール上映の可能性がすごく高くなる。
だから一人でも多くの皆様が来てくださったらと願ってやまないけれど。
それだけじゃない、更に大きく、更に新しい皆様に出会えるということだって可能性を増やすことなのだから。
今日のイベントレポをアップして、明日の告知をする。
そしてこの61日目を書いてる。
握手会をしたメンバーが言っていた。
若いお客様で、Twitterで知り、観に行かなくちゃと思ったんですという方がいたという。
ああ、拡がってるんだと実感して痺れた。
週末とはきっと全然違ってくる。
平日の上映機会。
どうしてだろう?
週末は不安だったのに。
平日の方がどこかわくわくしているのは。
映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
2019/5/18(土)~24(金) 上映時刻:16:45~19:10 全日程舞台挨拶予定
横浜 シネマ・ジャックアンドベティ:http://www.jackandbetty.net/cinema/detail/1928/
■SNS
Twitter:https://twitter.com/7girlsmovie
紹介記事
■girlswalkerhttps://girlswalker.com/archives/180503/
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