どんどん時間が過ぎていく。
あっという間にこのままだと公開日になりそうだ。
皆は今、どんな気分だろう？
人はどうしたって慣れていく。
映画の公開も繰り返せば、公開されている事に慣れてしまいそうになる。
でもこれは普通のことじゃない。
今までは考えられなかったことが起き続けている。
当たり前だなんて感じないで、公開日を迎えなくちゃだ。
そんな時はいつも思い出す。
撮影前のセット設営の日々を。
なんにもない場所にパンパン小屋を皆で創っていった。
掃除から始まって、何もない場所に床を創って、壁を建てていった。
ありえない、出来るわけがない、それが全てひっくり返っていった日々。
気付けば襖が開いて、井戸が出来て、看板があった。
天井まで付けたんだ。
作業着を着て毎日毎日長い坂道を自転車で駆け上がった。
インパクトドライバーで手が痺れても作業は続いた。
体中がつかれて痺れていく中で、着実に自分たちで映画を創っていった。
落ち葉を集めて、ビニール袋に入れておいた。
吸い殻を集めて、灰皿の化粧にした。
セット設営がほとんど完了してから皆でバーベキューをした。
今、急に戦後になったって、自分たちはバラックを建てて生きていけるね。
あの時、映画を創ってやる！その思いでいっぱいだった。
セットを創りながら、どこで役者に切り替えるかとか考えた。
皆を返してから鍵を閉める前に、あのパンパン小屋に一人で寝そべって台本を読んだ。
虫の音だけの静寂の中で、土のにおいを嗅ぎながら徐々に成瀬になっていった。
信じられないけれど、あの時は、公開できるのかどうかだってわからないままだったんだ。
撮影監督から、とんでもないことをやり遂げたんだよって言ってもらった。
でも全然、今も実感がない。
幸い公開できることになった。
配給さんが頑張ってくださるから。
それは今も続いてる。
最初に一週間で終わってもおかしくなかった。
いや、ほとんどの自主制作の映画は公開さえされない。
公開されたって一週間も上映できないのが普通なのだ。
それが一週間も上映されて、そのまま渋谷で延長が決まって。
東名阪の上映が決まって。
年末にはUPLINK渋谷なんていう素晴らしい映画館で3週間もの上映までさせていただいた。
そして、下北沢、横浜へと続いてる。
こんな幸せなことはないのに。
自分はいつもいつも焦ってる。
もう最後かもしれない。
この上映期間をどんなふうに盛り上げればいいんだろう？
もっともっと話題性が上がるにはどうしたらいいんだろう？
そんなことばかり考えて。
この幸せを全身に受けることがなかなか出来ないでいるような気がする。
今もだ。
もしかしたら、いつか幸せだったんだなぁと感じるだけなのかもしれない。
それでもいいさ。
今は今、感じて。思って。考えるままに。
もう焦燥感は恋人みたいなものだ。
もうあとわずかだぞ。
どんどん緊張していく。
巻き込んでいくんだ。
進んでいくんだ。
私心を捨てるのだ。
大きな目で、俯瞰で、考えるのだ。
自分はあの夜に支えられて歩いてる。
映画「セブンガールズ」
公式サイト：http://sevengirls.info/
2019/5/18(土)～24(金) 上映時刻：16:45～19:10 全日程舞台挨拶予定
横浜 シネマ・ジャックアンドベティ：http://www.jackandbetty.net/cinema/detail/1928/
■SNS
Twitter：https://twitter.com/7girlsmovie
紹介記事
■girlswalkerhttps://girlswalker.com/archives/180503/
■Twitter連動企画：下記の赤文字２行を貼り付けて140文字以内でセブンガールズをご紹介ください
PVと公式アカウントのリンクが付いた紹介文がTweet出来ます！
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pic.twitter.com/hv23Ma0t0f
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