2019年05月09日

映画の街角

おじいちゃんの家でカーテンを閉め切って電気を落とした。
真っ暗な部屋の中に小さなスクリーンを設置していた。
歳の離れた従兄弟のお兄ちゃんが撮影した8mm映画の上映を観た。
自分には内容よりも、目の前で流れる映像にただただ驚いていた。
これをお兄ちゃんが創ったの?と何度も聞いたと思う。
お兄ちゃんが海外に留学してから、お兄ちゃんの部屋にある8mmは触っちゃいけないものだった。
これはきっと宝物だから誰も触っちゃいけないんだって思ってた。

横浜の有名な映画監督が創った映画の学校に行っていると聞いた。
ガキだった自分は横浜にはたくさんの映画を勉強する人がいるんだろうなぁって勝手に思った。

映画はいわゆる職人の世界だ。
撮影だって照明だって録音だって監督だって同じ。
かつては弟子のように先輩についてその技術を盗んでいった。
技術革新と共に進んでいるし長い歴史があるわけではないけれど。
それでも受け継がれる技術が映画を生み出していった。
それぞれの映画会社の中で助手に着くことで映画は育まれた。

そんな中、今村昌平監督が横浜に映画学校を創った。
今となっては映画の学校は数多くある。
当時は映画会社に就職して、志望の職種の弟子になる流れだったはずなのに。
全国から映画の世界を目指す若者が集まったのだという。
10歳も年の離れた従兄弟の兄ちゃんはその中の一人で。
ドキュメンタリー映画を撮影して、その後アメリカに渡った。
数多くの映画人がここから生まれた。
今村昌平監督はカンヌでパルムドールを二度受賞した世界で8人しかいない監督の一人になった。

今、その映画学校は大学になって別の場所に移転しているけれど。
その街にもミニシアターが出来ている。
映画を志す若者が住む街には映画館が出来るのだ。
そして少しずつ映画の街になっていく。

横浜に思い出を持つ映画人は非常に多い。
そのまま今も住んでいるという映画人も思っている以上にいると聞く。
「封切」という言葉が生まれた日本で最初に海外映画を上映する街。
日本一映画館がある街と呼ばれた横浜。

大阪での上映、名古屋での上映。
その時に感じたこと、思ったことがある。
それは確実に東京とは雰囲気が違うという事だ。
もちろん大阪と名古屋でも違いがあったけれど。
共通するものもあった。
大阪だって名古屋だって大都市だというのに、どこか首都とは違いがあった。
ミニシアターという映画館が持つ意味も違っていたように思う。
都内ではすでにミニシアターという概念そのものが無意味になりつつあるようにさえ感じたけれど。
大阪や名古屋では名画座やピンク映画館、ヤクザ物などの専門館が激減していく中、映画を愛した人たちが集まる場所だった。
そして横浜にもどこか同じような空気感を感じている自分がいる。

ましてや映画の街という歴史を持ち。
その歴史に繋がった映画館での上映なのだから。
感慨深い。

ぜひ映画の街で新しい出会いが出来たらと考えてしまう。自然に、当たり前に。
そして、もしもう一度横浜でセブンガールズを観たいという方がいらっしゃったら。
どうせなら横浜という土地の持つ、豊穣な映画文化の歴史ごと楽しんでいただけたらなぁって思う。
若き学生が8mmカメラを手に走り回ったり、洋画が封切されたり、そんな街を思い浮かべて欲しい。

きっと映画とは作品だけではなくて。
その土地に行って、その映画館の空気を吸って。
思いを巡らせながら帰る所までがエンターテイメントなのだから。


映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
2019/5/18(土)~24(金) 上映時刻:16:45~19:10 全日程舞台挨拶予定
横浜 シネマ・ジャックアンドベティ:http://www.jackandbetty.net/cinema/detail/1928/

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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:20| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする