少し遅めの帰宅。
ほぼ丸いおぼろ月だった。
よくみると月を囲うように丸く光ってる。
虹のようだけれど七色ではない。
けれどどう見たってそれは虹だった。
今、調べたら自分が見たのと同じ写真があった。
月虹(ゲッコウ)
月の虹。
もしかしたら今も見えるかもしれない。
光が弱いから七色に見えないとも書いてある。
そして月虹に出会ったものは幸せになるという伝説があるとも書かれていた。
霧のような霞のような雲と光り輝く月が重なった低い条件下で見れるようだ。
うっすらと光っているから他に歩いている人は誰も気づかない。
いや、空を見栄げることも忘れているようだった。
誰かに教えてあげたかったけれど目を離すことが出来なかった。
ひょっとしたら今も見えているかもしれないよ。
夜道を歩く時。
自然と月を探すようになってた。
おかげさまで月虹を見れたよ。
ただの水蒸気の乱反射かもしれないけれど。
幸せが来るなんて言われたら、これもミラクルと思うことにするよ。
ここ数日で、あれ?って思うような連絡が続いた。
1つだけだったら思わなかったと思うのだけれど。
それが何年ぶりの連絡だったり、珍しい形の連絡だったり。
それまで簡単にいかなかったことがするっと通ったり。
事務的な連絡しか続かない時期はそんなものなのに。
まるで当たり前のようにそれが変わったりする。
そんな時、あれ?風向きが少し変わってるかもな?なんて思うようにしている。
その時その時の運不運とは別に流れのようなものがあると思っている。
全て繋がっていて、全ておろそかにしてはいけない奴だ。
一つが成立すれば、それは連続していく。
月虹ももしかしたらそんな符牒かもしれない。
幸運と呼べるようなことがやってくるといいなぁ。
それにつけても。
まだまだ知らないことがあるもんだ。
月虹なんて観たことも聞いたこともなかった。
普通は知っていることなのかもしれない。
意外に自分だけが知らなかったなんてこともあるもんな。
終戦直後からある一定の時期まで。
パンパンたちは街娼が中心だった。
まだまだパンパン小屋なんかなかった。
物陰で体を売り、橋のたもとに男を誘った。
彼女たちは昼間には存在していなかった。
日が落ちて夜になると、それまでどこにいたのかと思うような女たちが現れる。
ガス灯も消えた真っ暗な夜中に、街角で娼婦たちが占領軍を誘った。
だから「星の流れに」なんて歌が生まれた。
彼女たちの屋根は星空だったから。
冬がやってくる前には闇市が出来て、バラック街が出来た。
パンパン小屋も出来た。
パンパン小屋が出来た後も、カフェが流行った頃も、街娼だった娼婦はいたという。
今の東京の夜空とはまるで違ったそうだ。
満天の星空だった。
自分が夜空を見上げるのはいつからなのだろう?
思えばセブンガールズを帰宅する前からのような気もする。
ひょっとしたら中学生ぐらいからずっとかもしれない。
少なくても自分が夜にとりつかれたのは中学生だった頃からだから。
真夜中の海に一人で行った。
中学生の頃。
海が海とわかるのは、あらゆる光を反射していることと、波の音だけでだった。
真っ暗な暗闇に水平線と地続きて星が繋がっている。
水面の星々は波で揺れていたけれど。
全ての境界線があやふやになっているようで。
波打ち際の夜光虫が緑色に光って。
本当に海の底には海坊主がいるのかもなんて思ってた。
彼岸がやってくる。
生と死の境界線すら曖昧になる日。
昼と夜の境界線が曖昧になる日。
夏と冬が入れ替わる日
さて、お次は何を企んでやろうか?
自分の中に無意識に出来ている境界線を突破してやろうぜ。
月の虹よ。
おいらにちょっとした勇気と幸運を運んでおくれ。
映画「セブンガールズ」
公式サイト:http://sevengirls.info/
2019/5/18~24
横浜 シネマ・ジャックアンドベティ:http://www.jackandbetty.net/
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