レインボータウンFMスタジオのある木場に移動する。
映画の登場人物あさひの出身とされている街。舞台では宗徳のいた街。
まるで土地勘がなかったけれど、土地勘がある出演者と待ち合わせる。
腹ごしらえに、良い店を紹介してと言っておいたら、ちゃんと考えていてくれた。
二人で食事をして喫茶店に移動して監督と合流する。
オープンスタジオだから、DJブースが丸見えになっていて。
外にはベンチが用意されている。
この寒いのに前の番組を観ている方々が結構いらっしゃった。
オープンスタジオという事は知っていたけれど告知するべきだったのだろうか?
考えてみれば生で聴けるようになっているからオープンだし、上映のない日だった。
けれど、寒波がやって来ている日だから良かったかもしれないと思った。
それぐらい寒さが、真に響くような日だった。
打ち合わせに、進行表を頂く。
基本的には監督に聞く流れと、その順番が書かれている。
実は元々自分にオファーがあった話だけれど、監督も来てくれるようにお願いした。
けれど行ってみると、監督がいるなら自分はいらないかもなぁという話にもなった。
どっちでもいいですよと伝えたけれど、打ち合わせの中で結局一緒にという事になった。
自分なりに自分の役割として、監督の話のフォローアップになればと思っていた。
聞かれた質問への回答として補強だったり、セブンガールズを知らない人が興味を持てる幅を持てたり。
監督がセリフ劇など難しめのことを口にすれば、なるべくシンプルなことを言うようにした。
自分にそれが出来ていたのかまではわからないけれど、楽しく話は出来た。
終わって話を聞くと、オープンスタジオに観に来てくださった方がいたとのこと。
お一人は挨拶が出来たけれど、お一人は終わってからの挨拶の間に帰られていた。
特別観ることが出来ると告知していなかったのに、ありがたい。
感謝しかない。
他にも放送中にメッセージも来ていたと後から聞いた。
メッセージを紹介する時間が無くなってしまって申し訳なかった。
帰りに監督の車で移動しながらも、そこまで反省点も出なかった。
監督は監督の役割で話をするという事が増えてきた。
舞台の時はそういう場がそれほどなかったのだ。
映画を製作したことで、そういう場が登壇であったり、スタッフさんとの挨拶だったり、打ち上げでのお礼であったり。
立場が監督であるいうだけで今までの何倍も拡がったはずだ。
実際、出演者たちが監督の話を聞きたいと思い始めている。
凄く良い傾向だと思っている。
また監督一人で登壇という日がいつか来るといいなぁと思った。
車の中で、下北沢トリウッドの次の話になった。
次にも行きたいねぇ。
トリウッド上映中に告知できたらいいねぇ。
けれど、それは希望でしかないし、現実には配給さんが動いて、映画館が決定することだ。
希望でしかないし、その希望のためには、やはり一回ずつちゃんとやれることをやっていこうと話した。
監督とは顔を合わせるたびに、お互いに今日はお客様来てくれるかなぁと口にしてしまう。
お互いに胃袋がひっくり返るぐらい、不安も抱えている。
いや、不安じゃなくて。
この壁を越えた先にあるものを観ていると言ってもいい。
そこに行けなくなるんじゃないか?というなんというか焦燥感のようなものなのかもしれない。
下北沢トリウッドのご担当さんとすでに何度も話をしているけれど。
平日の中でもとりわけ、水曜と木曜、日曜の夜は厳しいという話を聞いた。
土曜から始まり火曜に定休があり、特別なレディースディなどがない下北沢トリウッド。
一週間を、前半3日、後半3日となんとなく分けて考えると、水木が動員しにくいというのはとてもわかる。
下北沢という街は日曜の夜以外は、大抵人がいる街だ。
どこかで演劇があったり、ライブがあったり、飲み会があったりする。
だから平日でも人がいることは間違いない。
会社帰りに、下北沢にやってくる方もとっても多い。
それでもやはり傾向というのはある。
セブンガールズはそんな傾向に、どんな結果を出すのだろう?
何よりも嬉しいことは。
都内での三度目の上映開始であるにも関わらず、新規のお客様が今も来続けていることだ。
もちろんリピートしてくださる方がいて、その皆様の熱意が目に見えない大きな力になっている。
そんな熱意がどこかで伝わって今まで出会えて来なかった方々が、セブンガールズに出会ってくださる。
今日のラジオも、他の様々なことも、まだ出会えていない誰かに会うにはと考えて動き続けて辿り着いた場所だ。
休館日がある映画館は初めてだから。
急に上映していない日がやって来たことにまだ戸惑っている。
ラジオがなかったら、もっとだったんじゃないだろうか?
さあ。
一週目の後半が始まる。
この後半にどんな人にお会いできるだろうか?
この作品はまだまだ、誰かに会いたがっている。
あの娼婦たちの歌声がもう一度ラジオで流れた。
あの歌が聴こえるとき、あのパンパン小屋を思う時。
思い浮かぶ顔がある。