各地で雪が降った。
名古屋シネマテークの初日。
映画館の外は陽射の強い良く晴れた日だったのだけれど。
ふと見上げたら、ぱらぱらと雪が舞っていた。
光があふれる晴れた日に、お天気雨ならぬ、お天気雪。
映画館のご担当にも雪を知らせると。
関ヶ原の方で積もってこの辺はめったに積もらないんですよ。
なんて教えてくださった。
大きめの窓の向こうを見ると、大きな雪雲。
あの当たりが関ヶ原なのかもしれない。
関西方面に移動すると、関ヶ原という地名を目にする。
そういう様々な土地に繋がっている場所だからこそ歴史の大舞台に選ばれたわけで。
関東にだけいると、関ヶ原は、歴史上の場所のような気がしているから違和感がある。
小田原だって鎌倉だって、関東にあって違和感を感じないのにだ。
今日はどうなのだろう?
離れていれば天候も、その空気感もわからない。
わからないけれど、セブンガールズは上映されている。
毎週レディースデイには映画を観ている方もいらっしゃる。
毎月映画の日には映画を観ている方もいらっしゃる。
そんな方々のどの映画にしようか?という選択肢の中にセブンガールズはあるだろうか?
明けて最終日は映画の日。
この日は映画を観ると決めている方は日本中にいるはずで。
そんな人が選んでくださって、選んでよかったと思ってくれたら。
あの陽射の良く入るロビー。
商業施設の看板が連なった外観。
名古屋シネマテークでの上映が最終日になったことが急激に寂しくなる。
東海地方で出会った皆様の顔を思い出す。
もうお会いすることは出来ないのかなぁ。
熱心に感想を伝えてくださった方、恥ずかしそうに握手してくださった方。
心の中にセブンガールズは残っているかなぁ。
舞台をやっているとその一回性を強く意識する。
その日、その時、その場所、その芝居。
全てが一度しか出来ないもので、再生することが出来ない。
けれど映画も実はそういうものなのかもなぁと思い始めている。
記録された映像、記録された芝居、それを再生するだけのように思えるけれど。
足を運んでくださる人の体験はまったく違うものだ。
同じ遊園地に二度行って同じ思い出にならないように。
同じ作品でも映画館に行って体験することは別の思い出になる。
あれほど舞台の一回性にこだわっていた自分がそんな発見をする。
名古屋シネマテーク。
ここで上映した意味、この場所にやって来た意味。偶然も含めて噛み締める日が来た。
東海地方にミニシアターは限られている。
2館しかないんですよなんて言葉がもう一度頭をかすめていく。
最終日も誰かに出会えますように。
セブンガールズが東海地方で上映されたことを知ってくださるからが増えますように。
誰かにとって特別な作品の一つになりますように。