2019年02月13日

永遠の一日

いよいよ上映予定があと3回だ。
中にはもちろん都内でまた上映してくれる!サプライズ発表があるかも!
そんな言葉も見かけていて、もちろん、金曜のギリギリまではそういう発表が出来ればと思うけれど。
現時点では残り3回なのは間違いない。

9月末から上映を始めて今日まで毎月どこかで上映を続けることが出来た。
実際にはそれだけでも本当は凄いことなのかもしれない。
公開して1~2か月で上映が終了していく作品だって山のようにあるのだから。
通常の映画会社のサイクルであったり、配給会社のサイクルであれば、この辺で上映終了を見始めるはずだ。
ネット配信やソフト化などの二次使用に切り替えていく。
そして、次の作品の営業も待っているし、その宣伝計画だって始まっていく。
監督は次回作の準備に入っている。
それがきっと映画のサイクルだというのはわかっている。

ただ自分の中で現時点の「セブンガールズ」でさえ、可能性しか感じていない。
そしてそんな通常のサイクルの中に「セブンガールズ」は入っていない。

だってさ。
今も、初めてです!というお客様が来てくださる。
そして、そんなお客様から初めて映画で涙が流れました!なんてメッセージが来る。
この下北沢トリウッドで初めてセブンガールズを観た方が複数回来てくださる。
ネットニュースになったら、面白そうだ!というリアクションが返ってくる。
そもそも、知名度がまだまだ低いのだから、広く宣伝すればこれが何倍にもなる。
セブンガールズが持っているポテンシャルを発揮出来ているとは到底思えない。

そりゃ映画監督だって職業だし、映画製作会社だって営利法人なわけで。
ただ上映を続けるわけにもいかないし、撮影をしなければ仕事が生まれない人たちだっている。
だからこそ、まだ上映できる可能性があっても、次の作品にシフトしていくのは当たり前かもしれない。
けれど、うちはそうじゃない。
渾身の一作を、20年の思いを込めた最初で最後の一作なのだ。
もちろん次回作を創らないという意味ではない。
次回作を創ることだってあるかもしれないけれど、それはもうサイクルの中の作品になる。
映画製作を一度経験してしまった以上、もう知っていることをやる作品になっていくのだから。
そして出演者の中にはこれが最後の作品だと魂を削った俳優だっているのだから。

本当は下北沢トリウッドで満員御礼の日が1日でも出来たら良かった。
じゃあ何が出来たんだと言われたら困るけれど、そんな演出も可能だったかもしれない。
けれど、これからを思えばより新しいお客様に、今まで知らなかったお客様に届くように。
広く広く宣伝していくことを選択していくこともやっぱり真理だと思う。
コラボレーションや、メディアへのアプローチ、より広い場所への露出。
今まで応援してくださった方にもう一度来てください!というやり方だけでは先がない。
応援してくださる方が今の何倍も、何十倍も増えた時に、ファンイベントをやるべきだ。
いや、それどころか応援してくださる方々が、新しいお客様が来たくなるような宣伝までしてくださった。
そして新しいお客様が来れば同じように喜んでくださった。
むしろ応援してくださっている皆様の方が、より広く、新しい場所へと思い続けてくださった。

折角、下北沢で初めてセブンガールズに出会ってくださった方がいる。
その皆様が、ご友人にこの映画の話をする時に上映していないことが悔しい。悲しい。
やっぱり上映が続いて、繋がっていることがベストなのだ。
そういう意味では、あと3回ではもっと拡がる可能性がまた止まってしまうと感じる。

一段、二段。
違う場所に立つことが出来る。
それは、ほんの小さなキッカケでだ。
その時、今日までの上映記録が全て大きな大きな実績になる。
その小さなキッカケをつかむために、何十、何百と、アプローチを続けるんだ。
上映するごとにファンを増やしていった映画。
こんなにすごいことはないのだから。

あとたったの3回。たったの3日。
けれど、永遠の3回と考えるんだ。
だって来てくださった方の記憶の中では永遠に残るのだから。

そして信じるのだ。
きっと誰かが見ている。
誰かがセブンガールズを待っている。
そしてどこかの映画館にも上映希望が届いているのだと。

後悔だけはしないようにするのだ。
やり残したことはないのか、もう一度、確認するのだ。

そしてその3回。
足を運んでくださった皆様にとって特別な一日として大事な思い出を持って帰っていただく。
そのことに集中していくしかないのだ。

セブンガールズを待っているまだ見ぬ誰かと出会うためにも。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:31| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月12日

公開56日目

三連休最終日。
雪の予報だったけど雪は降らなかった。
寒波は到来していて肌に差すような日。
メロンのような三日月が印象的だった。
先週の日曜日とほぼ同じ。
やはり週末の最後の夜は同じイメージなのだろうか。

嬉しかったのが昨日掲載されたばかりのCinefilの記事を観てきてくださったお客様がいらっしゃったこと。
ああ、まだまだこの映画は告知する余地があって、知れば観たいと思ってくださる方がいる。
大きな映画のように広く宣伝できていない分、逆を言えばまだまだ伸びる余地がある。

一番驚いているのがCinefilさんのFacebookページのいいね!だ。
「超いいね!」や「驚いた!」を結構いただいている。
それも劇団のファンでも、誰かの知り合いでもない方々だった。
終戦直後のパンパンの映画というだけでも、劇団が映画を創ったというだけでも。
興味を持ってくださる方は、実際にはもっともっといるんだとはっきりわかった。
更に宣伝を重ねていけば、もっと多くの人が反応するぞと思うような中身だった。
girlswalkerさんの記事のTwitterのいいね!もそうだったけれど、題材は興味深いものだった。
小さな努力だけれど、プレスにも連絡し続けようと勇気が出た。

お客様にはたくさんの勇気を頂いている。
UPLINKで知って、トリウッドで何度も足を運んでくださる方や。
トリウッドで知って、更に複数かい来てくださっている方もいらっしゃる。
全ての上映会場に一度ずつ来てくださるお客様もいらっしゃる。
そして、何度見ても、泣いてしまうという声を頂ける。
こんなに勇気の出ることはない。

明日は休館日。
上映がない。
そういう日ほど、やれることを更に探さないとなぁと思う。
きっと出来る連絡はまだまだあるのだから。

今日はパンパン小屋でもそうだし、劇団内でも、先輩後輩であまり普段の会話がない二人の登壇だった。
自分は立場的に色々な人と話したり連絡をするけれど、この二人ははまると思っていた。
それはお互いになんというかリスペクトしていると何度も感じていたからだ。
劇団を何年も続けていて、うちは仲が良いと言われるけれど。
当然のように、特定の仲が良い同士が出来ていく。
だから普段はあまり話をしないメンバー同士というのも当然ある。
もちろん舞台や映画が決まれば、同じ目標に向かって一つになっていくわけだけれど。
この二人は劇団でも受付周りなんかをお願いしている二人でよく気を回す二人というイメージがあった。
だから普段会話があろうがなかろうが、シンクロするだろうなと思っていた。

想像以上のシンクロをした。
二人同時に立ち上がってしまったり。
二人で同時に笑ってしまったり。
お互いがお互いに同じような印象を持っていたり。
噛み合わない内容なら、笑ってスルーするのも同じだった。
二人とも相手に聞きたいことだけを話した。
そして聞かれたことだけを答えた。
とっても、面白い内容だった。
多分、あと一時間は続けられたんじゃないだろうか?

帰宅してレポを書く時に少し悩んだ。
・・・というのも、自分が演じた成瀬の話も出てきたから。
でも、それは今日会場にいた人だけの話でいいと思った。
レポートを書く自分が、自分のことを喋っていたとレポートするのもね。
そんなことよりもその空気感を伝えた方が良いと思った。

そんなこれからあるかないかの対談が出来るのは、トリウッドというスペースだからこそだ。
他の会場であれば、やっぱり対談という企画にはならなかったと思う。

さあ。
休館日を挟んで。
残り3回だ。
今の時点ではこれしか決まっていない。
けれど、この休館日に興味を持ってくださる方がいるかもしれない。
だから、自分たちは休みじゃない。
出来ることをやっていくしかないのだ。

ここで終わってたまるか!!!

回遊魚なんだ。
止まったら、酸素が足りなくなる。
届け!届け!届け!

もう一度ここからなんだ!と自分に言い聞かせるんだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:28| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月11日

公開55日目

メールが来ていた。
なんと、Cinefil。
随分前から自分もFacebookでフォローしている映画専門の媒体だ。
翌日にもすぐに記事にしてくださるとのメールに急いで、写真や予告などの資料を送信する。
稽古場に行く直前で慌てたけれど、なんとか用意が出来たから遅れて稽古場に向かった。

移動しながら、そんなに早く記事には出来ないかもしれない。
下北沢トリウッドの上映期間を考えれば、早いほど嬉しいけれど・・・。
そう思っていた。
TwitterでもFacebookでも多くのフォロワーがいるWEBメディアの一つだ。
もちろん上映前に公開されていた方がタイミングは良かったのかもしれないけれど。
今、公開されることは、これはこれで意味が出てくる。
WEBメディアは全国に向けての物なのだから。
それに多くの映画媒体がフォローしているはずなわけで。

移動中にちょっとしたトラブル。
電車に忘れ物をしてしまった。
自分としたことが・・・。
よほど頭の中が他のことで動いているとしか思えない。
稽古場に到着すると、様々な差し入れが並んでいて皆が覗き込んでいた。
応援してくださる方がいるから、自分たちはここまでやれてこれたのだ。

すぐに稽古場でやるべきことをやっていく。
映画館に移動するまでに時間を考えればそれほど多くの時間は残されていなかった。

下北沢に移動する。
朝から何一つ口にしていないことに気付いて食事を摂る。
ふとスマフォを開くと、Cinefil様の記事が公開されていた。
衝撃の早さだった。
自分が資料を送信してからは、数時間。
もちろん、その前にすでにWEBなどで色々と調べてあったとは言え・・・。
少し興奮して、プロデューサーや出演者、配給担当さんにも報告していく。

三連休の真ん中
下北沢の街は人で溢れていた。
まっすぐ歩くことが出来ない商店街は、これぞ下北沢だった。
前日に比べて寒くもない。
三連休の最後にまた雪の予報があるけれど、あまり信じられない空気感だった。

三連休の中でもきっと一番足を運びやすい日程だと思う。
思っていたように新しいお客様も含めて場内は活気にあふれていた。
場内から漏れ聞こえてくる拍手の大きさも大きかった。
最終日は翌日に仕事があるからと控える人もいる。
もっとも、前週とは違って、はじまりの時間が1時間早いから終わりも早い。
前週とはまた違った形になるんじゃないだろうかと思っている。

セブンガールズは、現代に繋がっている話だ。
そういう話が後半になって出てきた。
期せずして出てきた。
本当にそれは大事な話で、自分はよく口にしてきたのだけれど、監督の口から出てきたのは嬉しかった。
パンパンは普通の主婦や学生、女性たちが街娼に立った娼婦だ。
元々はGHQが来る前に、略奪行為が起きないように当時の日本政府が慰安所を設立した。
当初はプロの娼婦たちから集めた施設だった。
しかし性病などの蔓延もありGHQが慰安所を閉鎖してしまう。
結果的に街娼が増えていった。
当時、食べることも出来ず、男たちを戦地にとられた女性にとって街娼しか食べる術がなかった。
一説には20万人以上のパンパンと呼ばれる街娼がいたとの資料も残っている。
戦地から男が返ったり、家庭に入ることで街娼は減り、赤線が出来ることでプロ化していった。
だからそのほんの一時期だけ娼婦をしていた女たちはその体験を墓場まで持っていった。
絶対に戦地から帰った夫や家族にそれを伝えようとしなかった。
わずかな証言と、知り合いの男たちと、プロになった娼婦たちの証言だけが資料として残っている。
当時の米兵の持つ白黒写真を観ても、それが事実だったことは疑いようがない。

・・・つまり、自分の知り合いのおばあちゃんがそうだった可能性が誰にでもあるということだ。

別にそんなことを疑ってもしょうがない。
そういうことじゃなくて、そのぐらい身近で、そのぐらい現代に繋がっている物語なのだ。
誰もが戦時中、戦後に、人には言えないような傷を持っている。
闇市での買い物だって厳密にいえば犯罪だったのだから。

帰宅してカメラのSDカードをチェックすると1つだけ撮影したはずのファイルが見つからない。
何かの手違いで削除してしまったような。
ファイルの復元など色々と試したけれど、最後にはギブアップ。
今日はもうここまでとなった。

改めてCinefilの記事を確認した。
SNSに今までみたことのない方々のいいね!が残っていた。
それも、驚くほど。
ああ、また一つ広がったのだと実感した。

セブンガールズはまだまだ進むのだ。
まだまだ知名度が上がっていくのだ。
なぜなら、この話は。
学校も、親も、おじいちゃんもおばあちゃんも。
誰からも教えてもらえない、けれど、大事な大事な歴史だからだ。
調べなければわからない歴史だからだ。

物語はそんな歴史を浮き彫りにしていく役割を持っている。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 05:02| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする