2019年02月19日

見えていない景色

早速横浜に向かって動き始めている。
チラシやポスターなどの宣材物、予告編データ等々。
とにかくどんどん前倒しで準備していく。
もうやることがない!という余裕が出来れば更に他のプロモーションに手を付けられるのだから。
実は作業していて途中で落ちちゃったのだけど、なんとか今終わった。

結果的にチラシは白帯になった。
恐らく横浜 シネマ・ジャックアンドベティで配られるものには白帯部分に映画館のロゴが入る。
メリットとしては別の映画館が決定した時にすぐに動ける。
この白帯があれば他の映画館にもすぐに郵送対応が出来るからだ。
一点だけ不利な部分があるとすればセブンガールズにとっては大きな宣伝になる手配りだ。
実際に手で配る時に白帯だと、どこで上映しているのかも時間もわからなくなる。
そこはQRコードから公式HPに飛んでいただけたらなぁと願っているのだけれど。

そう思えばもしかしたら手配り用のチラシを別途製作するのもありかもしれない。
チラシというよりもポストカードなどにして、お店に置いてもらいやすい形にするのも面白い。
いずれにせよ映画館に置いていただけるチラシがまずは最初で、それが完成して宣材物の予算とにらみ合いになるけれど。
部数の問題もあるしポストカードはやりすぎかもしれない。
そこは考えていかないとだ。

横浜シネマ・ジャックアンドベティ内のセブンガールズのページに何件ものコメントが付いた。
掲載される前に承認が入るからタイムラグがあって一気にアップデートされた。
Facebookのコメントプラグインを利用するというのは素晴らしいアイデアだなぁと思った。
関連Tweetの表示とは匿名じゃない分説得力がある。
公式HPでも、SNSのプラグインは検討していて、現在はInstagramとYoutubeのみにしてある。
リアルタイムコメントでTweetを掲載するかどうかはずっと悩んでいるのだけれど。
Facebookコメントのプラグインというのは確かに一つの答えだと思った。
何が素晴らしいって、ご鑑賞いただいた方々がそのページを創っていけるというのが素晴らしい。
インタラクティブだからこそSNSは隆盛したのだから。

母親から連絡が来た。
今日、下北沢トリウッドに行ったのだそうだ。
期間中に一度、映画館に友達と来てくれたのだけれど。
その時に貼られていたポスターを見て、その友達が観たかった映画があったらしい。
どこでやっているのかもわからなかったのだそうだ。
そんな風にミニシアターのお客様が増えるというのも嬉しい。
ほんの小さなことだけれど、ひとつ広がったんじゃないかと思う。
そういうひとつひとつが、文化そのものを熟成させていくのだから。

ただその話に大きな大きなヒントがあるぞと自分は思った。
なぜなら映画がどこで上映されているのかなんて調べれば数秒でわかることだからだ。
作品のHPを見るなり、SNSで検索してみるなりすればわからないはずがないのだ。
けれど母親の世代はそういうものじゃない。
かつての映画は新聞への広告と、看板がメインだった。
新宿駅前は大きな大きな映画の看板がいくつもあって、それを見ているのが大好きだった。
つまり新宿駅を出て看板を観て、これを観に行こうか?という文化があったという事だ。
確実に映画はその宣伝方法に至るまで変化していっている。

実は「セブンガールズ」はシニア層に非常に人気が高い。
夜の上映を重ねてきて、もちろん働いている若い方々が応援してくださっている。
だから都内上映はまだまだそういう皆様が足を運びやすい時間だといいなぁと思っているけれど。
恐らく平日日中のシニア層のお客様にはまだまだ届いていない。
夜間という時間帯の中でも、例えば知り合いの親戚だけではなくて地域の方などシニア層の方が来てくださっている。
自分はほぼ毎日映画館でスタッフとしても行っているからそんな方々に触れたのだけれど。
若いお客様よりもむしろ高く評価してくださるようなことが何度もあった。
UPLINK渋谷では、渋谷にあった闇市の跡や、基地の事、焼野原の瓦礫の事まで話してくださった。

自分の母親が終戦の年の生まれなのだから、当然、終戦直後を知っているわけではないと思うのだけれど。
それでも、ちゃぶ台や、雑魚寝、襖、土間、トタンのバラック。長屋。そしてファッション。
全てが懐かしさをもって迎えていただける。
何よりもかつての日本にあった人情のようなものを感じてくださっているようだ。
若い感性が製作した作家性の高い作品だとシニア層は、わからない!と口にする人もいらっしゃる。
けれど基本的に映画の黄金時代を過ごしてきた皆様は、面白い映画を常に探している。
実は自分の母親も月に2本ぐらいは普通に映画館に足を運んでいる。
シニア割引もあるし、今も気楽な娯楽なのだ。

「おくりびと」や「三丁目の夕日」という作品はそのシニア層に圧倒的な支持を得た。
仕事をしている人が足を運びづらい平日の日中に時間があるシニア層の人気はそのままヒットに繋がった。
その凄さの一つは、本当の口コミということだ。
シニア層にはリアルなコミュニティが存在していて、普通に会話の中で映画の話が出てくる。
あれ、面白かったわよ!なんて一言が、本当に広がっていく。
そして面白いのは、まったくSNSではその存在が確認できないという事。
地域紙とか紙媒体で徐々に評判になっていくから、自分たちの目では確認できない。
下北沢トリウッドで同時上映していた「ぼけますから、よろしくお願いします」は全国に拡がり続けている。
その広がり方は、SNSでは実は本当の意味では凄さがわからないままだ。

多分、ALLWAYS~三丁目の夕日~が好きなシニア層はセブンガールズが大好きだ。
義理と人情、懐かしい風景、人と人とのぬくもりと繋がり。
同時にシニア層ではなく今、働いている方々が強く応援してくださるから見えづらいだけで。
そんなプロモーションが実は出来るんじゃないかなぁと思っていたりもしている。
いずれにしても、大きな宣伝は出来ないから、足を使うしかないのだけれど。

さぁ、考えよう。
見えていない景色がまだまだあるはずなのだから。
SNSの活用。
そして、SNSではわからない皆様にどうやって届けていくのか。

大事な大事なことだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 05:24| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月18日

情熱の交差

稽古場に向かう。
諸々準備して監督到着と共に今日はミーティングを主に。
横浜に向けて何が出来るのか。
新しい展開はどんな可能性があるのか。
セブンガールズは、そうやっていつも最終的にオープンに話し合う。
意見は拾い集めていく。
全てに耳を傾けて、どこかに偏らないように注意深く。
結局、最終的にはいつだって、頑張ろう!で終わるのだけれど。

手間のかかること、面倒なこと、それを結局どこまで楽しめるのかなのかもしれない。
考えてみれば映画製作やら舞台制作やら、まぁ面倒なことに真剣に取り組んできた集団だから。
楽しみ方は知っている。
笑っちゃえばいいとわかってる。

ミーティングが終わってすぐに別の作業に入る。
短い時間だったけど、あっという間に皆がケラケラ笑いだす。
さっきまで真剣な顔をしていても瞬間に切り替わる。

いつものように近くの店に呑みに行こうかと思っていたけれど。
どうせならと先日下北沢に来てくださった居酒屋にふらりと立ち寄ることにした。
カメラを止めるな!に近い方々が足を運ぶ店でポスターなどが貼ってあるらしい。
お客様のツイートでそんなお店があると知っていたのだけれど、そちらの店長さんが足を運んでくださった。
まぁ、お忍びであとで写真でも載せて、実は行ってた的な漠然とした計画。
カメラを止めるな!を観た面子で、そこで飲むのも面白いだろうぐらいの軽い気持ちで。

席について最初のオーダーで店長さんにあっさりとばれてしまった。
不覚。そういうつもりじゃなかったので少し焦ったけれど。
たまたま日本アカデミー賞優秀賞を受賞された録音部のスタッフさんと。
シネマロサで3月に上映する、さらば大戦士トゥギャザーVの監督さんとスタッフさんがいらっしゃった。
期せずしてミニシアター3作品の、監督、キャスト、スタッフさんが揃うという。

数年かけて映画製作してようやく公開にこぎつけた映画監督。
素晴らしいなぁと嬉しくなった。
録音部のスタッフさんはベテランさんで経験豊富だから様々な体験談が出てくる。

ミニシアターの世界にも横の繋がりがあるという話は興味深かった。
カメラを止めるな!の上田愼一郎監督とずっと一緒にやって来たんですよと。
お互い切磋琢磨して、作品を産み出している。
片やそれが大ヒットに繋がり、片や刺激を受けて初公開に向かう。
面白いから、色々と聞いてみた。
公開に向かってどんなことをしているのか。
どんな映像を撮影していきたいのか?
劇場映画の監督になっていきたいのか?
酒の席だから、あまり遠慮するのもつまらない。
折角、交流するならどんどん話を聞いた。

自分よりも一回りも年齢が下の映画監督が夢を持っているということに酔った。
当たり前だけれど、当たり前じゃない。

聞けば、鐘を打ったように返ってくる。
そしてそこにスタッフさんの言葉も乗ってくる。
気付けば、ベテランスタッフさんが一番真剣な顔で話していたりする。
なんだか、演劇畑の懐かしい空気を吸っているような気分だった。
無名の舞台俳優でしかないけれど。
同じ創作に向かっている人の言葉は刺激的だ。

帰り道。
出会いという刺激と。
今日話したことについてポツポツと考え始める。
さて、どこから手を付けていくか。
何の計画を立てていくのか。
皆が思っている数倍のスピード感で対応していかなくちゃいけないんだろうなぁと思う。
少なからず予定を組まなくちゃいけない案件が増えた。

情熱は裏切らない。
そんな言葉が自分の口からついて出た。
それがどんな結果やどんな答えだとしても。
望んだような結果が出なかったとしても。
その情熱は必ず何かを自分にくれる。
なんにもならなかったと思えたとしても、目を凝らせばわかる。
今はわからなかったとしても、いつかわかる。
情熱が裏切るわけがないのだ。

カメラを止めるな!のヒットを自分なりに考えたり、遠くから眺めていたけれど。
この近い距離感でそれを感じていた人たちに触れたことは想像以上に大きい経験になった。
面白い。
とっても面白い。
何年もかけて公開まで進んだ情熱は絶対に何かを残しますよ!と力説した自分は。
もしかしたら自分に向かって言っていたのかもしれない。

ミーティングの内容を反芻しながら。
話半分で出たような冗談のような企画まで頭の中で整理した。
事務的で整然と淡々と整理しなくちゃいけないのだけれど。
実際には自分の中にもっともっと熱い情熱があるんだなぁと自覚せざるを得なかった。

ベテランスタッフさんがチラシを観て驚いていた。
この時代の空気を良く作ってる!と。
全部、自分たちで創ったんですよ、と伝えるとそれには驚愕していた。
若い監督から「DIY的な!」と声が出た時、ちょっと答えるのに窮した。
DIYなんてレベルじゃないからだ。
でも、そんなことを話してもきっと、信じてもらえない。
床から、柱から、全部作っただなんて。

同じことだ。
床から、柱から、全部作るだけさ。

あらん限りの情熱を込めて。
誰にも信じてもらえないようなことを。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:26| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月17日

心にガソリンを注ぐんだ

トリウッド最終日が明けて、もう一度下北沢に向かった。
原宿シカゴ下北沢店にお借りした衣装の返却が残っている。
映画の上映が終わる時間には閉店してしまう。
登壇メンバーの衣装を返却するまでが自分の仕事だ。
ファッションコラボの企画を立案して連絡して打ち合わせして、その全てが自分からだったのだから。
最期の返却と挨拶をしないなんてことはありえない。
何人かが自分が行こうか?と声をかけてくれたけれどやはり筋が違う。

いつもの上映時間とは違う明るい時間に下北沢に向かった。
土曜日の昼間の下北沢は人がごった返していた。
チーズ料理のフェスティバルが始まったようだ。
カレーフェスティバルや、演劇祭、映画祭。
様々なイベントが町全体で行われる街だ。
音楽祭はないのかな?これほどライブハウスがあるのに。
いつもの道を歩いているけれど、いつもの風景とは違うし、いつもの呼び込みもいない。
明るいキラキラした街だった。

シカゴは混雑していた。
たくさんの人が古着を手にして笑っていた。
デート中だったり、友達とだったり、一人だったり。
掘り出し物や、かわいい洋服を探していた。
衣装を返してお礼を伝える。
コラボように作成したカードの残りを回収する。
まだ少し残してくださいなんて言ってくださる。
少しの間かもしれないけれど、まだセブンガールズのコラボカードを置いてくださるという。
残ったカードの半数近くを回収してお礼を伝えてシカゴを出た。
また、ここに来るだろう。
舞台があれば衣装を探しに。

帰宅の道すがら、一つ一つ今からやることを確認していた。
横浜に向けて、ポスターはある。
チラシは増刷が必要だけれど、白帯にするか、映画館に特化するか。
チケットを創る必要性があるかないか。
現時点でどんなプロモーションが可能か。
上映時刻によって、登壇イベントが出来るだろうか。
横浜という港町にとって、この映画が強い意味を持つことをどう考えるか。

横浜であれば、チラシやポスターを貼ってくださるお店を探しに行きたい。
宣材が揃った段階で行けるメンバーで行くしかないのだけれど。
噂のパン屋さん「カメヤ」にも行ってみたい。
終戦直後の歴史が刻まれた場所にも足を延ばしたい。

だからと言ってあまり頭を固くして考えすぎてしまうとまずい。
トリウッドまで9月末から、毎月どこかで上映を重ねてきたのだ。
今、発表されている上映館で考えれば、3月4月と上映館がないという事になる。
けれど、それが確定かどうかなんてわからないのだ。
どこかで何かが繋がって急に上映が決まることだって充分にあり得る。
そうなる可能性まで含めて検討を重ねないと、対応できないことがあるかもしれない。

それでも横浜での上映がビッグニュースなのは変わらない。
全国のミニシアターの中でも、シネマ・ジャックアンドベティはトップの人気の映画館だ。
映画館の会員も数多くいらっしゃる。
毎月、直接映画ファンと支配人さんのイベントなどもやってらっしゃるようだ。
地域に根差した、熱い映画ファンが多い映画館。
それに2つのスクリーンで凄い数の作品を上映している。
先々までぎっちりと上映する作品が決まっているような大人気劇場なのだ。
そこでセブンガールズが上映されることはどう考えてもビッグニュースだ。
立ち見が出るほどの人気になるにはどうしたらいいのかなぁなんて考えている。
そういう最高の状況にするためにはという基準で考えなくてはいけない。

前日、トリウッド最終日を終えて、打ち上げのあとの帰り道。
配給の担当さんがポロリと口にした言葉。
「いつかセブンガールズを有楽町で上映したいんですよねぇ」
そんな言葉をふと思い出す。
この映画は「有楽町駅」から始まる映画。
そして終戦直後の有楽町が舞台となった作品だ。
その有楽町は映画館の本丸だ。映画の街だ。
多くの映画会社の本社が近くにあり、歴史に残る映画館が立ち並ぶ。
どの映画館も大きすぎて、とてもじゃないけれどセブンガールズのような小さな映画をかけてもらえるわけがない。
そこにもし行けるのだとすれば一体いくつの階段を登り続けて、いくつの壁を打ち破った時だろう?
数百の客席が埋まるほどの映画にならないと行けるわけがないのだ。
けれど、それが言葉になって出てきた。
人が言葉にしたものは全て実現できるんだよ。
言霊はいつか人を動かしていく。
夢のような話さ。夢のようにつぶやいた言葉さ。
それでもいいじゃないか。

だって横浜で上映出来るんだから。
作品が完成した頃。
口にしたんだよ。
横浜ジャクベで上映して欲しいよなぁって。
それが実現しているんだから。

不思議な話だ。
現実的なチラシの印刷や、チラシの配布を考えると。
いつも頭の中で夢の話も浮かんでくる。
現実はいつだって夢というガソリンで動いてる。
目の前でやらなくちゃいけない事は余りにも地道で、あまりにも孤独な作業が多いって言うのにさ。
頭の中はそんなもんじゃないのさ。

横浜 シネマ・ジャックアンドベティのホームページにセブンガールズのページが出来ていた。
仕事が早いと、感動してしまった。
早速、自分なりにFacebookコメントを残してきた。

心にガソリンを注ぐんだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:03| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする