今日も名古屋でご鑑賞いただいた方の感想が上がった。
実は、実際に劇場に足を運ばない日々というのが初めてでずっとドキドキしている。
今日はどのぐらいお客様が来てくださったかなぁとか。
今頃、このシーンだなぁとか。
笑ってるかな?泣いてるかな?楽しんでるかな?と、自分の心の中がせわしない。
映画は上映してしまえば、もうお客様のものだ。
映像は体験になって、体験はお客様個人だけが持つ記憶になる。
だから何をしたところで、何もできないのもわかっている。
映像を中心に活躍する役者であるほど、そこまで気にしないのかもしれない。
総体としての評価を気にしているようなコメントをよく見かけるけれど。
自分は、総体としての評価こそ、それほど気にしていないのかもしれない。
足を運んでくださった一人一人の心の中に残ってくれたかばかりが気になってくる。
思いを馳せる。
そういう言葉になる。
今日は昨日書いたように、名古屋シネマテークの支配人の平野さんの葬儀の時刻と同じ時間の上映だった。
ひょっとしたら追悼の気持ちを込めて、映画館に足を運んだ方もいたかもしれない。
そんなことを思うと、何とも言えず、セブンガールズを楽しんでいてほしいと願わずにはいられない。
名古屋出身の友人がいて、ほとんど毎日一緒に過ごした時期があった。
その頃、酒を飲んでは、彼はこんなことを口にした。
「東京の人は冷たい」
もちろん、それを話されている自分や他の仲間に東京の人がいる。
だからきっと、冷たいわけではなくて、印象の問題だ。
必要以上に他人に干渉しないし、仲良くなる前は壁がある。
付き合いが始まれば冷たい人なんてそんなにいない。
けれど、名古屋から帰ってきた自分も同じようなことを想ったりする。
あの喫茶店のおばちゃんは、何の壁もなく話しかけてきた。
そういえば大阪の公園で出会ったおじちゃんもそうだった。
暖かいというか、人当たりが良くて、壁がなかった。
全体のイメージとして、都内の上映よりもずっとずっとそれ以外のお客様が暖かいと感じる。
初めて会った自分たちに声を掛けて、握手をして、絶賛してくださった。
そりゃ、都内でもそういう方はいらっしゃるけれど、割合の問題なのかもしれない。
東京を出ると、より暖かい、熱い。
名古屋シネマテークの上映は残り3日。
より多くの皆様に出会えることを祈っている。
あの何とも言えない二階に上がっていく階段。
足音の響く廊下。
受付に並ぶ笑顔と、陽射の入る窓。
そして、まるで秘密基地のような客席。
現時点で、都内以外での上映はここしか予定がない。
お見逃しのないように願うばかり。
下北沢の準備もどんどん進んでいる。
休館日がある映画館は初めてなのだけれど、その最初の休館日にラジオ出演が決定した。
どんな放送になるかは生放送だからまったくわからないけれど。
今から楽しみだ。
他にも事務的な連絡、嬉しい連絡、今日も当たり前のようにやり取りを繰り返した。
簡単なことなんて一つもない。
出来ることすべてに誠意を込めることだ。
作品に対して誠実であるか問い続けることだ。
気付けば1月が終わろうとしている。
ついこの間正月だったはずなのに。
毎日毎日色々なことが起きるから時のたつのが早い。
明日はどんな上映になるかなぁ。
誰かにとって特別な作品になれるかなぁ。
思いを馳せる。