2019年01月23日

目の前のあなたの特別な一本になるように

UPLINK渋谷での3週間、連日衣装で登壇してイベント的な脚色をした。
役者たちにはそれなりに負荷がかかっていたから申し訳なかったけれど。
想像以上に評判が良かったし、お客様が動画や写真を撮影して公開してくださった。
3週間もの間、毎日、SNSに動画や写真が公開され続けたのだからすごいことだ。

それを名古屋でも下北沢でも可能かどうかの検討をした。
また役者に負荷をかけてしまうことになってしまうけれど・・・。
役者はお客様に喜んでいただきたいから、やるよ!と言ってくれる。
その上で検討したけれど、やはり同じことは出来ないなと思った。
名古屋はそもそも時間的な都合で、ほぼ挨拶のみしか出来ない。
むしろ、挨拶だけでもいいから行かせていただけることになったという方が正しい。

下北沢トリウッドではどうか?
そもそも演劇の街だし、上映も19時からと絶好の時間帯。
自分たちにとってはイベントをするための場所と時間にすら感じる。

ただ、UPLINK渋谷とはスペースの違いが大きい。
基本的にフラットな客席で、階段になっていない。
だから映画のスクリーンは高さがあるから見えるかもしれないけれど。
実際に、そこで何かをやっても見えないことがあるかもしれない。
フラットで広さも違うから、少し人数が増えただけで圧迫感を感じる場合があるという。
そして、まぁ当たり前なのだけれど、ピアノなど音楽的なものは難しい。
マイクも付帯設備としてない。必要なスペースじゃないからだ。
マイクがあればMCがマイク、イベントが生声という演出も可能だけれど。
トークもイベントも同じ生声で、音響的な仕掛けもないとなると、イベント的なものがチープになりやすい。
たくさん喜んでくださった皆様をがっかりさせるようなことがあってはいけない。

だとしたら、何が出来るのか・・・?
皆にも呼びかけながら、ずっとずっと考えていた。
イベントがなくて、がっかりされないように。
イベントをしても厚みが減っているなら、別の角度で。
それで出てきた答えが対談だった。

正直、映画のトークイベントで対談というのは珍しくない。
ゲストを呼んでの対談もあるし、よく見かけるものかもしれない。
それに写真や動画の撮影をしても、あまり面白いものにならないかもしれない。
折角、毎日、SNSにお客様がアップしてくださったのに、それがなくなってしまう。
だから、ただ対談じゃいけないぞ、何かあるはずだぞ、と。
もう日々考え尽くしていたと言ってもいい。

その一つが、ファッションコラボだ。
毎日、下北沢トリウッドの1Fにある原宿シカゴ下北沢店で女優陣が衣装を借りる。
レトロファッションをお披露目できる。
自分は男だからあまりファッションショーなんかの面白さがわからないけれど。
一度、東京ガールズコレクションに行った時に、ああ、ファッションショーってこんなに女性は楽しいのか!と知った。
ファッションコラボをして連日写真が更新されたら、明日はどんなファッションだろう?って思うかもしれない。
それはそれで、1つの盛り上がりになるんじゃないだろうか?
そんなことを考えた。
思い切って、アイデアを提案してみたら、幸いありがたいお返事を頂いたのだけれど。
それ以上に出演者からもお客様からも、大きな反応があった。
すごい楽しみにしてくださっている。
むしろ、男性のお客様も楽しみにしてくださっていて、驚いたぐらいだ。

写真を撮影できるというお客様との双方向性を維持しつつ。
じゃあ、内容はどうなんだろう?と考えた。
そこは考えて考えて、思いっ切って舵を切った。
動画撮影を禁止にして、ネタバレを含む作品の核心についても喋ってしまおう。
毎日ちゃんとテーマを創って、そこについて掘り下げようと思った。
UPLINK渋谷より優位なのは、多少、時間をかけることが出来る。
映画にまつわる秘話を、ネタバレなどの縛りを撤廃して全て話してしまう。

週単位で考えても、今回は登壇メンバーの人数が限られていく。
火曜日定休だからそもそも日程が1日少ないし、あまり大人数に出来ない。
その中で皆のスケジュールを確認して、調整を重ねていった。
全体のバランスもどうしたって変わってくる。
自分でもまぁ、何をこんなに考える必要があるんだろう?と思うぐらい。
自分はそもそも裏話も秘話も、ほとんどのことを知っている。
だから一度自分という存在から離れて、お客様の立場になって考えなくちゃいけない。
自分が映画を観た直後に、何を観たいだろうか?
じっくりと考えていった。

監督が登壇する日は、監督を中心に考えて。
それ以外の日は角度を付けて。
どの日に来ても、楽しめるように。
そして、ある程度の幅とバラエティ色をつけていって。

実際に発表するまでは、それでもドキドキだった。
対談かぁ・・・とがっかりする方もいらっしゃるかもしれない。

ミニシアターを良く知っていらっしゃるお客様が。
「スペースにあった良い企画!」と褒めてくださっているコメントを見かけた。
大きく胸をなでおろした。
そして楽しみにしてくださる方が、たくさんいらっしゃった。

通常、ゲストがいない限り対談やトークイベントと言っても、特に何をしゃべるか発表しないことが殆どだ。
登壇メンバーの名前だけが発表されているのをよく見かける。
統一のテーマがあるわけじゃなくて、登壇メンバーがそれぞれ何をしゃべるか考えていくスタイル。
もちろん、そんなふうな日があってもいいのかもなぁと思いつつ。
お客様に何を提示するのか、きちんと発表することにした。
それが正しいのかどうかもわからないけれど。
それでも、ああ、こういうことを話すなら行ってみたい。
そんな人がいるかもしれない。
その日に初めて観たお客様が明日はあの役の人がこんな話するのか・・・とわかるようにしたい。
きちんとプロデュースされたものの方が、役者は立ちやすい。
噺家や芸人じゃないのだから、フリートークの方が実はやりづらい。
かと言ってアイドルではないのだから、笑っていればいいわけでもない。
考えに考えて出た答えは「対談」というシンプルなものになった。
UPLINK渋谷の監督ワンマンの登壇の動画を皆が共有したのもとっても大きい。
何を話すべきか、そこに答えが提示されているから。

名古屋を想えば挨拶を連日出来るだけでも幸せなことだなぁと思う。

もう名古屋まであと少し。
きっと名古屋の空気を吸って。
都内に戻ってから、毎日、やきもきする。
今日はどうだったかな?楽しんでくださったかな?とずっと考えてしまう。
目前に下北沢トリウッドを控えながら、そんな日を迎えることになる。

自分に出来ることは限られている。
とにかくとにかく、思いを込めて。
出来ることを、考え尽くしていくことだけだ。

楽しんでくださるかな?と不安な気持ちを打ち消しながら。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:52| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする