2019年01月22日

その映画館にしかない空気を

上映にぐぐぐと向かうような日だった。
名古屋シネマテークというTwitterアカウントはないのだけれど、ご担当のアカウントがあって。
公開前ということで、過去にさかのぼって、ツイートをまとめてリプライしてくださった。
同時に翌週の下北沢トリウッドでの登壇イベントのメンバーの発表もした。
これも詳細をトリウッドのご担当者様がツイートしてくださった。
映画館が宣伝してくださるのを見かけると、なんというか嬉しくなってしまう。
そして、自分たちももっと出来ることがあるんじゃないかと考える。

名古屋シネマテークはとても歴史のある映画館だ。
名古屋にあるミニシアターの中では、一番の老舗。
元々は名古屋ではあまり観ることのできない映画の映写会をしていた団体で、映画館を持った。
だからそもそも映画館が入る予定で建てた建築物ではないという。
どんな空間なのだろう?
名古屋シネマテークのある今池にはかつていくつかの映画館があったという。
その中で唯一生き残ったのにはきっとちゃんとした理由があるのだと思う。

映画館には映画図書館が併設されているそうだ。
そもそも名画上映をしていた団体からはじまったこともあるのかもしれない。
というか、映画図書館が先なのかもしれない。
今では手に入らないような貴重な本が並んでいるのだという。
そして、映画館に行けば誰でも読むことが出来る。
つまり、豊かに映画文化そのものを愛している映画館なんだなぁと思う。
ラインナップを観れば、話題作だけじゃなくて名画や、海外の映画とバランスよく並んでいる。
昔からのお客様を大事にされているんだなぁとすぐにわかる。

今日まで上映してきた全てのミニシアターのご担当者様と話をさせていただいたけれど。
間違いなく言えることは、ミニシアターは、必ずその映画を鑑賞して、上映を決めているという事だ。
シネコンだってどこだって、編成担当がいるわけで。
ずらっと並ぶラインナップから、例えば、毎週発行される動員週報を頼りに上映を決めていく。
けれど、ミニシアターは数字で選んでいる方は皆無だった。
いや、それは当然、動員できる作品の方が良いに決まっている。
数字だって大事だし、映画館だって売り上げを上げなくてはいけない。
それでも、ミニシアターの編成担当の皆様は、今日まで全員が、セブンガールズを観て選んでくださった。

恐らく、その何倍も、観て選んでくださらない映画館があるのかもしれない。
そこは配給の方から聞かないとわからないことだけれど。
どこの映画館に連絡しているのか、いくつの映画館に届いているのかも、実は知らない。
配給担当さんなりの今までの貯蓄されてきた関係性や、流れや考え方がある。
多分、自分がやったら、日本全国すべての映画館に次々と連絡してしまう。
なんにもわからないまま、ご担当者様の名前もわからないままに。
だから、観て選んでくださらなかった映画館があったとしても実はわからない。
もしかしたら、ないのかもしれない。あるのかもしれない。

ただそんなことよりも、上映された映画館の皆様が鑑賞して選んでくださったことこそ大事だ。
一体どれぐらいの数の映画を観るのだろう?
UPLINK渋谷で聞いた話では、ものすごい数を観なくてはいけないとおっしゃっていた。
その中から選ぶ作業というのは想像を絶する。
でも。
思うのです。
編成担当は、個人的な好みだけでは選べないんだろうなと。
つまり、映画館についているお客様の期待を裏切らない。というプライドがあるはずだと。
従来からのお客様が来てがっかりされるような作品の上映はきっと出来ないはずで。
結果的に編成担当さんが選んだラインナップが映画館のカラーになっていくわけで。
そう思うとすごくすごく大変だし、同時に面白い仕事なのだと思う。
映画館ごとに編成担当さんは、年齢層も違っていたなあ。
それも、なんというか、今思うと嬉しいことだ。

だからね。
名古屋シネマテークの歴史を観れば観るほど。
自分は誇らしくなっていった。
やっぱり映画館ごとに思う事って違うんだなぁ。
K'sとも、UPLINKとも、シアターセブンとも、少し違う。
一番近いのがUPLINKかもしれない。
下北沢とはもう全然違う嬉しさ。
下北沢は演劇の街という嬉しさが強いというのもあるのだけれど。

小さい映画館だけれど。
映画を愛しているからこそ、映画監督が急にやって来たなんて逸話も持っている。
そういう映画館で、セブンガールズがかかる。
やっぱさ。
映画の楽しみ方って言うのは色々あって良いと思うのだけれど。
きっと、その映画館だけが持つ空気感も含めて楽しむんじゃないかなぁって最近思っている。
本当に、全部の映画館がまとっている空気が違うのだから。
これは舞台俳優で、しかも登壇しているから思うのかもしれない。
舞台でも劇場によって全然感触が違う。
同じようなスペースでも、歴史や思想がやっぱり空気を創っていく。

ね?すごいでしょ?
あの名古屋シネマテークで上映されるんだぜ!!

どんどんそういう気持ちになっていく。
実は時間帯にも意味があると思っている。
その時間帯に来るお客様に観て欲しいなぁという方々がいるとか。
そういうこともあるのじゃないだろうか?
今回、昼間の上映という事は、名古屋シネマテークの昼間に足を運ぶ層に喜んでもらえるかもなぁというのがあるはずで。
それをしっかりと自分の肌で感じたいなぁと思っている。

全ての映画館に感謝だ。
そして、映画館ごとお客様には楽しんで頂けたらなぁと思っている。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:22| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする