午前中から監督と待ち合わせて出かけていく。
どこに行ったかまでは書けないのだけれど。
とにかく「セブンガールズ」という映画が繋いで、随分とすごい所に来てしまった。
都心も都心、その中心部、高層ビル。
そういう場所にまで、この映画が運んでくれるだなんて。
それも、そんな場所、2か所に行くことになった。
自分に出来ることはやったつもりではあるのだけれど。
それがどこまで出来ていたかは別問題。
自分はそもそもビジネスマンじゃないのだからそこは割り切って。
伝えるべきことを伝えて、渡せるものを渡してきた。
それ以上もそれ以下もないのかもしれないけれど。
そこからがあるかないかは、それ次第だ。
訪問する2か所の時間が離れていたから、監督と時間をつぶす。
そのほんの数時間に随分と、色々な話をしたと思う。
それにしても「何が起きるかわからないものだなぁ」という感覚がずっと付きまとっていた。
監督と自分の思い描いている絵が違っていてはいけない。
もちろん、その絵に至る道程であるとか、途中過程は違ってもいいのだけれど。
それでも、最終的にこんな風に着地できたらという最高の場所の絵だけは共有してあるべきで。
やっぱりそこだけは、同じ景色をみれていると感じていた。
それなのに、何が起きるかわからないとずっと感じているのだから。
いや監督もそう感じていたし、口にしていたのだけれど。
前日に発表した原宿シカゴ下北沢店とのファッションコラボの反応が想像以上に良かった。
たくさんの人たちの下北沢の記憶に、シカゴがあった。
随分と行ってないとか、近くでお店をやっているとか、あそこなんですね!とか。
それに女性の反応は、より高かった。
ファッションでのコラボというのは、女性にとって自分では想像できない世界なのかもしれない。
シンプルにありがたいなぁと思う。
少なくても、シカゴを知っている人であれば駅から迷うことはない。
まぁ、下北沢駅は改装が相次いで、出口が頻繁に変わっているから、久々の人ほど難しいかもしれないけれど。
それでも、あの王将のとこ左に入ったシカゴの2階ね?と、それだけで通じてしまう。
監督曰く、自分が若かった頃にはもう原宿にあったよと。
自分も高校時代には既にあったという記憶があるのだけれど。
どれだけの歴史があるのだろう?
考えてみれば自分の演じた成瀬も似たようなことをしたかもしれない。と気付く。
進駐軍が来て、アメリカ文化がどんどん流れ込んだ頃から。
米軍の物資の買い下げや、個人輸入から、古着屋が始まっていてもおかしくない。
アメ横には今もそれに近い店があるし、棚にはアメリカの倉庫に眠っていたようなデッドストックが売っている。
今日、監督と足を運ばせていただいた場所も、シカゴの企画と同じように、映画ファンだけに向かった場所ではない。
むしろ、より広く、よりパブリックに多くの人に伝わるかもしれないという場所だ。
ミーハーな気分になってしまいそうな場所だ。
何も起きないとしても、そこに行くことが大事なのだと思う。
自分たちは閉じない。広く社会に向かっていく。そういうアティチュードだ。
いつか、その姿勢は何かに繋がっていく。
帰宅して、お時間を頂いたお礼を一人一人にメールしていく。
お世話になった方々にもメッセージを入れていく。
そして、今日起きたことを仲間たちにも共有しておく。
どこまで伝わっているのかもわからないけれど、それでも一応報告する。
どんなことをしているのか共有することは、どんな姿勢で進んでいるのかという一つの形だ。
お礼を送り終わって少し休んだ。
気付いたら、メールの返信があって。
はっと思う一言が書かれていた。
「熱量」
今日会って、熱量が伝わったという言葉。
多分、監督だけで足を運んでも良い場所に同席する意味があるとしたらそこだった。
自分が同席することで、この映画に込めた思いや、時間や、全てのことが熱伝導する。
きっとそれは映画を観てくださった方やこれから会う人にも伝わっていくわけで。
セブンガールズにとって一番大事な要素の一つだ。
自分たちの持つ熱量がそのままお客様に伝わって、お客様がそれ以上の熱で応援してくださる。
それはもしかしたらお客様だけではないのかもしれない。
実際に、今日お会いできたのも、そんな熱がいつの間にか広がって実現したからだった。
そして今日、新たに熱量を感じてくださる方がいた。
それだけでいいのかもしれない。
でもそれだけでは満足しないのかもしれない。
日本中にこの熱が届けば素敵だなぁ。
面白いなぁ。
返信のメールにすでに熱を感じる自分がいた。