2019年01月15日

ファッションコラボ「CHICAGO×Sevengirls」発表

冷静に考えてみた時。
自主系の映画に何かネックがあるとすれば閉じられたネットワークだという事だと思っていた。
映画館での予告編、ポスター、チラシの配布。
SNSでの拡散も、全てが映画ファンに向かっている。
もちろん、とっても正しい。
まずそういう皆様に知ってもらうことから始めなくては何も動かない。
何よりも宣伝して、足を運んでもらえる可能性が高い。
宣伝費がなく、宣伝力が低いのであれば、当然可能性の高いほうに進む。
実際に映画ファンだけが知る作品、高い評価の作品もあるはずだ。

ただセブンガールズはそれだけではいけないとずっと思っていた。
もっとずっと広く、可能性の高い低いはともかく、出来ることをやりたかった。
そりゃ、テレビCMだって、バナー広告だって、出せない。
ネット記事の依頼だって有料の記事の依頼は難しい。
自然、SNSに偏りがちになっていく。
こればかりは仕方がないし、そこに力を入れていくのは現代であれば絶対に必要なことだった。
それでも自分の中ではやっぱり少し足りないというか他に何かないかと思っていた。

実際に映画ファンじゃなく、ほんのたまに映画館に足を運ぶというお客様に喜んでいただいている。
だとすれば、例えば名古屋で上映するなら、名古屋の映画ファンだけではなくて、名古屋に住む普通の人にも観て欲しい。
そう自分の中では思っていて。
実際に、それを常に意識している。
閉じられていることの強さは良く知っているけれど、もろさも知っている。
結果的にある一定の上映期間を終えたら、次の作品を創っての繰り返しになっていく。
そして、一定層へ届け続けるというループに入っていく。
そうではなくて、UPLINK渋谷で3週間上映したことで、多くの映画ファンへの知名度が広がったタイミングで。
映画ファンじゃない皆様にも、こんな映画が今やってますよ。少し知名度出てきましたよ。
そういうことをやっていきたいとずっと思っていた。

渋谷には渋谷の。新宿には新宿の。大阪には大阪のお客様がいる。
映画館についているお客様もいらっしゃるし、街の空気が違った。
きっとそれぞれの街で上映する理由がある。そう考えていた。
全ての上映会場でそれを探すようにしてきた。
その中で、下北沢という場所が決定した時に。
あまりにも色々な意味を持った街すぎてクラクラとした。
セブンガールズを最後に舞台で上演した街であり、現在の劇団の主戦場なのだから。

けれどだからこそ、だからこそ。
下北沢については良く知っている。
ヴィレバンとシカゴと言えば、下北沢の有名スポットで。
それこそシカゴは自分が初めて古着屋に入った高校時代にすでにあったぐらい昔からある店だった。
その2階で上映するという事は、なんとなく意味があると思っていた。
わざわざ地方からシカゴにやってくる人もいると聞いたことがあった。
シェルター、本多、シカゴ、ヴィレバン、下北沢の代表的スポットだ。

幸い思った以上に株式会社原宿シカゴ様が受け入れてくださった。
さすがは下北沢という街の文化の一翼を担ってきたお店だとつくづく思った。
下北沢は演劇の街で、音楽の街で、そしてファッションの街。
サブカルの聖地と言われるだけあって、古着や特殊なファッションだって揃う街だ。
自分たちは演劇の層にも音楽の層にも宣伝していこうと、街に、店に、ライブハウスにチラシを置いていただいた。
けれど実はファッションという下北沢の重要なワードに触れていないんじゃないかと気付いた。

レトロなシャツを買いに来たお客様が、そのレトロな服を着たポスターを見たら興味を持ってくださるかもしれない。
それは映画ファンや、映画館に普段足を運ぶ層とはまったく別の世界の人に届く。
ひょっとしたら、それはたった一人なのかもしれない。
けれど、そのたった一人はレトロなファッションが好きで、そんな友達がいるかもしれない。
細い細い糸かもしれないけれど、それがいつか重要な意味を持つかもしれない。
低予算映画で時代劇というのは本来出来ないこと。
それをやったのであれば、恐らく低予算や自主の映画ではほとんど出来なかった宣伝活動が出来るはずで。
そういうことを一つやれたんだって自分の中では思っている。

いつか、そんな細い繋がりからセブンガールズを観たモデルさんがInstagramにレトロな格好で写真掲載しないかなぁ。
なんてどこまで行くんだ?みたいな妄想まで勝手にしている。
レトロなファッションは流行がぶり返しやって来る。
最新のブランドが、レトロ風にしたりする。
数年前に、柄×柄なんてブームもあったし、誰もかれもフォークロアみたいな頃もあった。
多分それは普遍的なかわいさみたいなものがあるんじゃないかって思う。
実際セブンガールズを観た女性に衣装がかわいいと言われることが何度もあった。
だから、可能性はゼロじゃないじゃないか。

ファッションコラボ

想像したことが実現してしまった。
なんと嬉しいことだろう。
別の世界から例えばSNSを覗きに来たり検索した時に。
今日まで来てくださった皆様や、映画を好きな皆様の感想や、写真や動画を観てくださる。
そういうバックボーンが出来ているからこそだし、1つだけとは言え、広げることが出来た。
そしてそれは可能性に満ち溢れている。

さて、明日もその可能性を拡げに行く。
どこまでも拡がればいい。拡げればいい。
それが結果的にどこに辿り着くのだとしても。
可能性や入り口を無限に広げていくことが大事なのだから。

よりパブリックに。だ。

あの時代の男性陣の衣装は暗い。
スーツだったり国民服だったり。
そんなに大人数で押し掛けるのもなんだから男性陣はなしでもいい?と稽古場で聞いたら。
全然!いいじゃん!いい企画だよ!とある男性出演者が口にした。
自分がじゃなくて、映画の作品の宣伝と考えてくれている。
こんなに心強い味方もいないなぁと思う。

素晴らしいコラボ企画になりますように!
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:04| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする