2019年01月31日

公開45日目

girlswalkerに「セブンガールズ」の記事が掲載された。
実は事前に監督と取材の場に行っていた。
とても丁寧に取材していただいて、そのどこが記事になるかなぁと思っていた。
なるべく多くのファクターがあった方が良いと思って、監督とたくさん話をした。

まさかまさか、ここまで丁寧で、そして気持ちのこもった長い記事だとは!

色々なWEBメディアがある。
もちろん映画専門のWEBメディアもあって、雑誌母体だったりと色々ある。
セブンガールズという作品を誰が見つけてくれるかなぁといつもドキドキしていたけれど。
girlswalkerはすごく驚いた。
東京ガールズコレクションを母体にしているWEBメディアだから。
とにかくチケットが取れないイベントの受付をやっているHPだ。
10代、20代の、時代の最先端を気にしている女性が主に観ているサイト。
トップページを開けば、自分が知らないような若いモデルもたくさんいるサイト。
そこで、セブンガールズの記事が出る。

女性視点の記事なのかなぁとか色々と考えていたのだけれど。
もう全てが想定を超えていて、読んでしばらくぼぉっとしてしまった。
これはセブンガールズを観て、作品に寄り添ってくださった方にしか書けない記事だった。

昨日、このBLOGで「東京の人は冷たい」の話を書いた。
冷たくないんだよぉ!なんてTweetを見た。
もちろん自分も東京で生まれたし、東京の人の暖かさも知っている。
それこそ下町や、商店街に行けば、寅さんの世界だ。
それとは別に日本各地から人が集まってきている都市という側面があって。
集合住宅の隣の人の顔すら知らないなんて言うこともある。
どこか人を疑わないといけないような側面があって。
近所付き合いも大家さんを通してくださいなんて部屋を借りる時に言われたりもする。
きっと、そういうところが「冷たい」なんて言われるのだと思うけれど。

ただこういう時。
うわああ!と思うような熱を感じる。
淡々とあらすじだけを紹介するような記事にだって出来たはずで。
作品の持つ熱量について書いてくれているのに、その記事まで熱量がある。
都内で応援してくださっている皆様にもその熱量が伝わって喜んでくれる。
本当は都心部にいたって、そういうものを持ってる。
いざという時に、そういう熱が出る。

この熱は伝播するんじゃないだろうか?
そんな期待をしてしまう。
少なくても、この記事を読んだらセブンガールズを観たくなった。
何度も観て、出演して、編集している自分でさえなった。
そして、観たいという思いだけじゃない伝播もするかもしれない。
最先端のメディアがとりあげていれば、別の取材が入る可能性だってある。
ちょっと面白そうだからうちも取材したい!という声が上がるかもしれない。
自分は良く知ってる。
熱が伝わっていくことを。
それこそがセブンガールズが今日まで辿ってきた道だから。

正月の休みに企画書を書いたり。
ビジョンを自分なりに文字に起こしていった。
だからこそ、CHICAGOとのファッションコラボが生まれたり。
girlswalkerというサイトに展開していった。
普通に何も考えずに進めば、映画専門のサイトに連絡を続けるだけなのだから。

応援してくださる方が喜んでくださって。
まだセブンガールズを知らない方が興味を持ってくださる。
すごく建設的で、すごく健康的な進み方だ。
そして、これをもっと続けていかなくちゃいけない。
もっともっとだ。

自分は信じている。
この作品には、その力がある。
そういう熱がある。
観る人によって、そりゃ好みの問題はあるかもしれない。
けれど、きっと好みじゃない人の心のどこかにも残る。
そういう熱を持ってる。
あれは、なんだったのだろう?
後からそう思ってしまうような熱だ。

さあ、東海地方は残すところあと2回。
レディースデイが木曜日なのだそうだ。
girlswalker掲載の次の日がレディースデイというのも偶然にしては出来すぎている。
まるで組み込まれたプログラムかのように。

下北沢も近い。
面白い動きになっていくと良いなぁ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 01:36| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月30日

公開44日目

今日も名古屋でご鑑賞いただいた方の感想が上がった。
実は、実際に劇場に足を運ばない日々というのが初めてでずっとドキドキしている。
今日はどのぐらいお客様が来てくださったかなぁとか。
今頃、このシーンだなぁとか。
笑ってるかな?泣いてるかな?楽しんでるかな?と、自分の心の中がせわしない。

映画は上映してしまえば、もうお客様のものだ。
映像は体験になって、体験はお客様個人だけが持つ記憶になる。
だから何をしたところで、何もできないのもわかっている。
映像を中心に活躍する役者であるほど、そこまで気にしないのかもしれない。
総体としての評価を気にしているようなコメントをよく見かけるけれど。
自分は、総体としての評価こそ、それほど気にしていないのかもしれない。
足を運んでくださった一人一人の心の中に残ってくれたかばかりが気になってくる。

思いを馳せる。
そういう言葉になる。

今日は昨日書いたように、名古屋シネマテークの支配人の平野さんの葬儀の時刻と同じ時間の上映だった。
ひょっとしたら追悼の気持ちを込めて、映画館に足を運んだ方もいたかもしれない。
そんなことを思うと、何とも言えず、セブンガールズを楽しんでいてほしいと願わずにはいられない。

名古屋出身の友人がいて、ほとんど毎日一緒に過ごした時期があった。
その頃、酒を飲んでは、彼はこんなことを口にした。
「東京の人は冷たい」
もちろん、それを話されている自分や他の仲間に東京の人がいる。
だからきっと、冷たいわけではなくて、印象の問題だ。
必要以上に他人に干渉しないし、仲良くなる前は壁がある。
付き合いが始まれば冷たい人なんてそんなにいない。
けれど、名古屋から帰ってきた自分も同じようなことを想ったりする。
あの喫茶店のおばちゃんは、何の壁もなく話しかけてきた。
そういえば大阪の公園で出会ったおじちゃんもそうだった。
暖かいというか、人当たりが良くて、壁がなかった。

全体のイメージとして、都内の上映よりもずっとずっとそれ以外のお客様が暖かいと感じる。
初めて会った自分たちに声を掛けて、握手をして、絶賛してくださった。
そりゃ、都内でもそういう方はいらっしゃるけれど、割合の問題なのかもしれない。
東京を出ると、より暖かい、熱い。

名古屋シネマテークの上映は残り3日。
より多くの皆様に出会えることを祈っている。
あの何とも言えない二階に上がっていく階段。
足音の響く廊下。
受付に並ぶ笑顔と、陽射の入る窓。
そして、まるで秘密基地のような客席。
現時点で、都内以外での上映はここしか予定がない。
お見逃しのないように願うばかり。

下北沢の準備もどんどん進んでいる。
休館日がある映画館は初めてなのだけれど、その最初の休館日にラジオ出演が決定した
どんな放送になるかは生放送だからまったくわからないけれど。
今から楽しみだ。
他にも事務的な連絡、嬉しい連絡、今日も当たり前のようにやり取りを繰り返した。

簡単なことなんて一つもない。
出来ることすべてに誠意を込めることだ。
作品に対して誠実であるか問い続けることだ。

気付けば1月が終わろうとしている。
ついこの間正月だったはずなのに。
毎日毎日色々なことが起きるから時のたつのが早い。

明日はどんな上映になるかなぁ。
誰かにとって特別な作品になれるかなぁ。

思いを馳せる。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:59| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月29日

公開43日目

二日目の名古屋シネマテーク。
大変申し訳ないことに自分は鼻出血があった。
ご担当の永吉さんが、保冷剤を冷凍庫から出してくださってここで休んでくださいと言ってくださる。
ティッシュも用意してくださって椅子で休んでいた。
その時から、前日には見なかった方の出入りがあった。
優しく応対してくださっていたから何もその時は気付かなかった。

上映後登壇している仲間をカメラに収めて、もう一度、自分は受付で休ませていただいていた。
その時、受付内でどこの新聞社に訃報を・・・とか、連絡はどうすれば・・・と話されていた。
まさにセブンガールズが上映されていたその日その時に連絡が交差したのだと今ならわかる。
どなたかが亡くなられたということはもちろんわかった。
そしてそれが名古屋シネマテークに関係している方だという事もわかった。
けれど、それが誰なのかまではわからなかったし、敢えて聞くことも出来なかった。
そういうことは話してくださったときに知るべきだと思ったからだ。

何かが起きているのはわかっていながら。
永吉さんは終始笑顔で応対してくださった。
そして最後まで何があったかは伝えてくださらなかった。
それを今、強い意思であったと知った。

今朝、名古屋シネマテークの支配人、平野勇治さんの訃報を目にした。

ミニシアターの世界、自主上映の世界では、とても著名な方だ。
ああ、そうだったのか・・・瞬間、体の力が抜けた。
今月のはじめぐらいまでは映画館にもいらっしゃっていたとの情報を見た。
セブンガールズの上映が決まったのは去年。
その頃の体調は知るべくもないけれど、セブンガールズも観て選んでくださったのだとすぐにわかった。

名古屋シネマテークには、サイン色紙がたくさん展示されている。
その時々の話題で色紙は入れ替えるのだそうだ。
段ボール数箱になるサイン色紙の全てを展示することは出来ない、そういう量だ。
そのサイン色紙のいくつかには、必ず接頭語が付く。
「有名になる前の」サイン色紙。
まだミニシアター・・・あの頃は単館上映なんて言ってた頃だけれど。
その頃のサインがたくさん貼ってある。
今のサインとは違うサインもたくさんあるし、伝説の方のサインもあった。
溜息が出てしまうような名前がたくさん並んでいた。
自分が初日に名古屋シネマテークに到着した瞬間、色紙が置いてあって、書いてくださいと言われた。
それをもう30年以上続けているという事なんだ。
そして、この名古屋シネマテークから、有名になった監督や俳優がたくさんいるということだ。

その全ての風景に平野さんがいらっしゃった。
セブンガールズは最期の交差を出来たのだろうか?
ご覧いただけたかもしれないけれど、お会いすることだけは叶わなかった。

配給の担当さんにも訃報の一応の連絡をする。
当然、連絡は届いていた。
そして、配給担当さんも回復を待っていたことを知った。
休養されていたのも知っていた。
そうだったんだ。
きっと担当さんは平野さんにセブンガールズのことをお願いしたんだなぁ。
永吉さんとも平野さんの体調について連絡もされていたのか。
自分たちは、そんな映画の世界で、映画を愛していらっしゃる方のそばを歩いていた。

映画界に広がる数多くの弔意を目にする。
こういう方がいる。
世間では有名ではない。
けれども、その世界では有名で、誰からも愛された人がいる。
そしてそういう方が、歴史を編み続ける。
もちろん、それは映画界だけではないのだろうけれど、必ずいる。
そしてそれは遺伝子なんて野暮なものではなく、遺志として受け継がれていく。

葬儀の時間を目にする。
29日の13時。
そこで、また自分はハッとした。
セブンガールズが上映される時刻と同じくして、平野さんは荼毘にふされる。
勝手な思い込みかもしれないけれど。
人生で最も長い時間を過ごしたであろう名古屋シネマテークにいらっしゃるのじゃないだろうか?
仏教では四十九日現世にとどまるというのだから。
もしかしたら、その時、客席のどこかでセブンガールズをご覧いただけるのじゃないだろうか?

ひょっとしたら明日は休館になるかもと思ったのに。
そんな案内はどこにも出ていなかった。
映画館は上映を止めないのだ。
それはまるで故人の遺志のように感じた。

登壇するメンバーがいるわけではない。
ただ映画が上映されるだけだ。
けれど追悼上映だと思う。
そうあるべきだし、そうじゃないといけない。
お会いすることが叶わなかったけれど。
最後の最後に、自分たちは交差することになった。
その日に上映し、その日に登壇し、荼毘にふす時間に上映する。

映画とはきっと、その作品だけではない。
誰と観たのか、どんな日に観たのか、どんな場所で観たのか、どんな気分で観たのか。
その全てが映画体験になっていく。
明日、その時刻にその場所で上映されることが無意味なわけがないじゃないか。

お会いできませんでしたが。
お客様と一緒に観てください。
笑ってください。
泣いてください。
怒ってください。

永吉さんの笑顔の裏側の涙を今になって感じずにはいられない。
本当は飛んでいきたかったんじゃないかなぁ。
自分だったら泣いてしまったかもしれない。

たくさんの映画を愛してくださってありがとうございました。
セブンガールズと出会ってくださって、ありがとうございました。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:03| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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