アンコール上映三周目に入る。
K'sシネマから数えれば都内だと既に5週目。
自分たちを知る多くの皆様が既にご鑑賞いただいている。
更に年末となれば、社会人の皆様は多忙につぐ多忙なことは容易に想像がつく。
この三連休はようやく休める日だったり、大掃除など家のことやクリスマスの準備に入る。
だからこそ、セブンガールズがどこまで届いているのかわかる大事な日々になる。
起きるとあいにくの雨。
当日券が大きな役割を占める映画では、雨は直接響くはずだ。
いつまで降るかなぁと心配していたけれど、夕方にはやんでいた。
土曜日はこれまで毎週、想像以上に席が埋まった。
先週はさすがにここまで上映を続けたらと思ったのだけれど、どんどん席が埋まっていった。
自分には強烈に今も記憶に刷り込まれている。
10月に公開して、翌週にUPLINKでの上映をして、舞台が終わったその日からアンコール上映までの日々を。
公開したのに上映機会がなく、映画を観たいという声だけが届く日々を。
もちろん、再上映されると信じ続けていたし、だからこそその準備を続けていたけれど。
準備をしながら、上映できない日が続くことがこれほど苦しいのかと悩み続けた日々だった。
アンコール上映が決定して、それもあのUPLINK渋谷での上映で。
それが延長が決まり、更に再延長されたことは、それを思うとなんと幸せなことだろう。
しかも再延長の今は、年末年始恒例の、見逃し映画上映期間なのだから。
レイトショーにねじ込んでくれたと言ってもいいのかもしれない。
本来ならば上映される予定じゃなかったんじゃないかというラインナップ。
上映されている作品はどれも今年話題になった作品ばかりなのだから。
パルムドールや、アカデミー賞なんて言葉の並ぶポスターに、セブンガールズのポスターが並んでいる。
こんなこと、信じられない。
自分たちで、電動ドリルを持って、パンパン小屋を創った日にこれを想像出来ただろうか?
その上映が、来週の27日で終わってしまう。
その日を越えれば、またしても、上映機会を待つ苦しい日々が始まる。
今日まで上映後にイベントを毎日やって来た。
UPLINK渋谷で上映されている映画で、唯一イベントがあるなんて日が何度もある。
ウィークデーでも、衣装で、ただ登壇するだけじゃなくて、必ず何かを用意してきた。
それは、上映できなかった日々に考えに考えたからだし、気持ちの発露でもある。
そのイベントの中心でもあった映画のシーンの生での再現はついにあと2回だった。
今日、上映が終わった瞬間に、あと1シーンなんだなぁと、感慨深くなった。
いつもよりも少なめの土曜日だったけれど、登壇イベントはいつもよりむしろ豪華だった。
壇上には、セブンガールズの中心人物たちである娼婦が4人もいる。
生で芝居をして、生でピアノを弾いて、生で歌を歌い、生でダンスまで踊った。
生のピアノで踊ったのは、恐らく、後にも先にもない。これが初でこれが最後。
途中で、写真撮影している方はいても、動画撮影されている方がいないことに気付いた。
ああ、なんというか、なんというか、そういうものかもなぁなんて思っていた。
登壇まで含めて、エンターテイメントでありつづける姿勢。
それだけで充分なのかもしれない。
今日、大きな大きな勇気をいただけるようなメッセージも届いた。
セブンガールズという作品が、もっともっと羽ばたいていく可能性を感じるメッセージ。
今、出会ってくださった皆様にも、喜んでいただけるような。
そんな日も目指さなくてはなと思っていた中で、本当にうれしいメッセージだった。
まだまだ、何が起きるかなんてわからないんだぜと、自分に言い聞かせる。
明日はどうなるだろう?
三連休の中では実は一番足を運びやすい日程になるのだろうなぁと思っているけれど。
実際のところはどうなるのかなんて誰もわからない。
あと数日の上映。
興味を持ってくださっている全ての皆様が見逃すことのないように。
見上げればそこに満月。月に向かって咲く艶やかな寒椿。
走れ!最後まで走り抜け!
何もいらないから、何も欲しくないから。
セブンガールズが届け!
月に向かってお願いをした。
明日は稽古だ。
稽古場から映画館に向かう。
皆と顔を合わせるのが少しだけ恥ずかしい。
不思議な気持ちだな。
稽古は嘘をつかない。
自分たちには当然だった役者の反射神経。
スタートといった瞬間に役に入る姿を、お客様は本当に驚いていた。
稽古し続けているからわからなくなるんだ。
今日の反省点をまとめたら、ベッドに入ろう。