昨日までの上映と、状況を分析して。
自分の中で確信に近い形でその連絡が来ると思っていた。
朝一で、上映期間一週間延長の連絡が来た。
信じてはいたけれど、拳をぐっと握った。
よし!
自分が組み立てた理想形に近い形になったことで力が入った。
もちろん情報解禁のタイミングや、まだ上映時間など詳細が出ていないことなど。
いくつかを簡単に電話で打ち合わせていった。
そしてアンコール上映3週目からのイベントについても、これまでから少し考え直すことになるだろう。
とにかく2週間、他のどの映画も出来ないことをやって、出来る限りのことをやって。
それを考えていた。
3週目は、別のフェーズに移っていかなければ、先に進むことは出来ないと思っていた。
プロデューサーもそれに近いことを考えていることがわかった。
問題は今日からだった。
2週目の平日進行。
ここはもう既にK'sシネマから数えれば都内4週目にあたる。
友人や知人で観たいと言ってくださった方々も、ほぼ誘い終わったはずだ。
それまでに足を運んでくださった皆様の中でリピートしてくださる方がいる。
そして、リピートしないまでも応援してくださっている方もいる。
そんな皆様だけで平日を続けていくことなんて、お客様への圧力でしかない。
一緒にサクセスを感じていただけなければ、意味がない。
ここからの平日進行は、新しいお客様が増えていかなければ厳しいというのは間違いない。
そう思っていた。
想像通り、朝の時点で埋まっている席数は片手にも満たなかった。
わかっていたことだけれど、実際に目にすると、胃が痛くなる。
でも、それはそれで仕方がないと腹を決めるしかなかった。
実際、自分が映画館で一番泣いたのは、映画館に自分しかいない日だった。
座ったらだれもいなくて、そのまま上映されて驚いたのを覚えている。
それが、まさかまさかの名作で号泣して大ファンになってしまった。
映画は、孤独を共有できる。
真っ暗闇の中で一人で映像に集中するけれど、同時にすすり泣きや笑い声で一緒に観ている人を感じる。
たくさんの孤独が瞬間、誰かの気持ちを受信した時に、共鳴をする。
それはとっても原始的なセックスにも似た交流なんじゃないかって思う。
孤独になった時の感性が触れ合うというのは、そういうことだ。
だから、あまり人数は、その映画の持つ力との関連性なんかないと思っている。
問題があるとすれば、たった一つ、映画だって産業なのだから、経済性の部分だけだ。
あまりにも大きな問題なのだけれど。
本当に力のある作品なのであれば。
ここからなんじゃないか?って思っている。
つまり。今日をスタートとして、金曜までお客様が増え続けるのかどうか。
口コミが拡散して、面白いよと口にする人が増えて。
観てみようかなという人が足を運んでくださる。
素晴らしい作品であれば、そういう正常な広がり方をしないわけがない。
ただ、それを最初からやることなんて出来なかった。
いきなり誰も来ないような映画なんて、そこで終わってしまう。
今日までがあって、今日までに積み上げてきたものがあって、多くのお客様の一言があって。
それでようやく、このスタートラインに立とうと腹をくくることが出来た。
でも予想よりもずっとずっと席が埋まっていった。
上映開始直前に、席数がぐぐぐと伸びた。
それを見て、ほっとする自分が確かにいたのだけれど。
それでも、高い高いハードルなんだと、もう一度、腹に力を入れた。
その席数を明日、越えなくちゃいけないぞと、自分に言い聞かせた。
アンコール上映第二週にやるべきことはそういうことだ。
広がっていくこと。
それをしっかりと体感できること。
そして、そのサクセスをお客様とともに楽しむことだ。
今日までだってひどい難題だらけだった。
ここまでどうやって進むか。
体力がなくなるほど考えるっていうことを繰り返した。
だから、この難題だって、立ち向かえる。
もう負けることも恐くはないから。
何十年も何度も負けてきて、そこだけは強くなっている。
延長を発表した。
これで、また平日にお客様を呼ぶのは難しくなるだろう。
明日明後日には、週末の予約が始まるのだから。
それでも、平日が日々、増えていけば、
月曜より火曜、火曜より水曜。
そうなった時に、やってくる冬休みの三連休に大きな大きな答えが出るはずだ。
最高じゃないか。
見知らぬあなたに届くのかどうか。
ある意味で最大のミッション、最大の壁がやって来たんだ。
出会えるはずだ。
きっと、出会える。
セブンガールズに出会うべき人がきっとまだまだたくさんいるはずだ。
作品の力を信じろ。
誰よりも強く。
誰よりも胸を張って!!!
冬休みが来る前に。
そこに行ってなきゃ、また考え直すしかないんだから。