午前中に連絡が入る。
UPLINK渋谷での上映期間延長の知らせ。
情報解禁のタイミングについて電話で簡単な打ち合わせをする。
なぜなら、ここが一番大事だったから。
2週間上映出来るだけでも素晴らしいのだけれど。
その次の週、冬休みの期間まで上映出来たらと願っていた。
その為にまず延長になったらと思っていた。
その為にアイデアを練ってきた。
一週延長が決まって、さぁ、ここからだ!と、プロデューサーが感じているのがわかる。
現時点で明日以降の平日は満員御礼になっていない。
それは当然と言えば当然なのかもしれない。
師走という誰もが忙しい時期、仕事が終わってから来れるとは言え夜間帯。
同時間帯の中では確かに予約数が入ってはいるけれど。
ここで延長を発表をしてしまえば、土日に流れてしまうかもしれない。
けれど、それはこの2週間だけを考えればという話。
もしも、その向こうにある冬休みやクリスマス期間に上映してもらえるとすれば、次の週末も大事になる。
だとしたら、早めの発表の方が良いことになる。
延長が決定した次の土日が満員御礼になる保証なんてどこにもないのだから。
腹をくくって、今日発表しましょうと伝える。
ただ、せっかくの朗報をネットでの発表ではなくて、イベント内の発表にしましょうという事になった。
今日までセブンガールズが進んできたのは、応援してくださる皆様のおかげなのだから。
皆様と一緒に喜びを分かち合いたい。
それが一番、セブンガールズらしい。
そう思った。
そんな心配や不安を吹き飛ばすように。
今日の座席が埋まっていった。
一つ一つ席の予約が増えるたびに、暖かい気持ちになる。
そして、上映直前になって、加速した。
ああ!きっと劇場にいらっしゃる方や、窓口受付の方だ!とすぐに感じた。
待ち合わせ場所で合流して映画館に向かう。
控室で準備している最中、どんな発表になるかなぁと想像していた。
今日の映画生再現もあるし、テーマトークもあるけれど。
最後に大きなサプライズを用意しているからそればかり気になった。
登壇するメンバーは、当然、緊張しているし、それだけってわけにもいかないのだろうけれど。
登壇してイベントが始まる。
今日もカメラを構えて写真資料を撮影していく。
登壇している三人とも、とても良い顔をしていた。
そして、サプライズの瞬間が来た。
どのタイミングで話すかも知っていたからドキドキしていたけれど。
アップリンク渋谷、延長が決定しました!の一言と同時に。
おおお!!という声が上がり、瞬間、万雷の拍手が。鳴った!!
おめでとう!という声もあがる。
いや、おめでとうという言葉の中に、お客様が喜んでくださっていることが伝わってきた。
すごい。
だって、お客様は今日、鑑賞したのだから。
上映期間延長は、自分たちにおめでとう!というだけのことのはずなんだから。
観た映画が延長してもしなくても、お客様の体験は同じはずなのに。
それが、一緒になって延長したことを喜んでくれるというのはどういうことなのだろう?
セブンガールズが、更に色々な人に見てもらえる機会を得たことを喜んでくれるだなんて。
全身を幸せな気持ちが覆っていく。
見れば、登壇したメンバーも、お客様と一緒に喜ぶという体験を思う存分にしている。
ロビーに移動してカメラを構えていると、自分に気付いた方がおめでとうございます!と声をかけてくださる。
ありがとうございます。と小さな声で伝えていく。
感謝とカメラの仕事の気持ちがないまぜになっていて、たまらなかった。
心なしかお客様のテンションも高かった。
目の前にいる皆様が応援してくださるから、ここまで来た。
帰宅して、今日のレポートと明日のお知らせ。
明日の夜は雨かもしれないという。
当日券の比重の高い映画にとって雨は大敵だけれど。
不思議と自分の中で強い気持ちが生まれていた。
週末に流れるかもなんて心配したくせに。
きっと、明日も上映ギリギリまで、席が埋まっていく。
うちの自慢の三人のダンサーが、その三人だけで踊るのだから。
そんなのは、舞台も含めて初めてのことだ。
まずは、明日だ!
明日を越えていかなくては、その先もない。
けれど、その先をもしも乗り越えることが出来たら。
そこからはきっと、また違った世界に入れる。
SNSにたくさんの「おめでとう」と「ありがとう」が書かれていた。
精一杯を届けなくてはいけない。
皆様の期待に応えなくてはいけない。