稽古場に行く。
今週連絡したロードマップについて再度説明。
なんというか、不思議な感覚。
言葉が届いているのか、わかりづらいのか、何とも言えない感触。
漠然としすぎているのかもしれない。
現実感が持ちづらいのかもしれない。
今、出来る一番具体的な方向性ではあるはずだけれど。
公開して、次の公開を待つ今こそが一丸となるべきタイミングという事を地道に説明していく。
監督とも話をしておく。
大事な話のはずだ。
今、今なのだという話。
助走というべきか。
ぐぐぐっと、ゴムを引いているような。
そういう時間こそ一番大事なのだと思う。
イメージを持たないといけない。
様々なアイデアをプールしておかなくてはならない。
例え、無駄になったとしても、例え、実際に行動できるアイデアが全てではないとしても。
必ずその時はやってくるのだから。
その時に、自分に何が出来るのか?それをきちんと。
多分、個人が出来ることの一番のことはきちんと分析していくことなのだと思う。
成功事例を探しては、どうして成功したのか分析していく。
そう、考えることが一番、今、個人で出来る大事なことだ。
もちろん、自分なりに情報を出していったり、拡がっていくことも大事。
それもしていけばいいのだけれど。
必ずきちんと考えていけば、いくほど、アイデアは溢れてくる。
その時が来た時に、じゃあどうしようか?では遅いのだ。
その瞬間が来た時に、すぐに次の一歩を出せるだけの準備をしておかなくてはいけないのだ。
だから分析していく。そして足りないもの、必要なもの、やるべきことを整理していく。
思い付きで進むわけにはいかないのだから。
今週は特に大事になってくると思っている。
セブンガールズという作品の持つ力を信じている。
その力をより発揮していくのであれば。
きっと、今週がターニングポイントになる。
すでに奇跡は起きている。
そもそも映画化なんて出来る作品じゃないと言われ続けた。
この予算で映画に出来るわけがないと何度も何度も。
それを映画化して、そして公開まで行った。
公開して、K'sシネマで満員御礼を続けた。
もう、これは奇跡なのだと思う。
でも3年間、毎日毎日セブンガールズという作品に立ち向かってきて思うのは。
こんなもんじゃないぜってことだ。
本当の奇跡はこれからさらに起きるぜって、起こすぜって思っている。
皆で考えるのだ。
今日ではない明日を。
そんなことミラクルだぜって思えたとしても。
そのミラクルを起こせばいい。
決して不可能じゃない。
宣伝の予算が少ないとか、有名人が出ていないとか。
そんなことはもう関係ない。
むしろ、他の映画ではなかなかできないような宣伝だって出来る。
有名人が出ていないことが、逆に宣伝にだってなる。
物事にはいつだって裏側があって、逆もまた真なりとはよく言ったものなのだ。
ふと、芝居の師匠を思い出した。
11月は自分にとって大事な人の命日が続く。
師匠は、アングラと呼ばれる演劇をしていた人だ。
思えば映画の話をよくしていたなぁ。
なぜ、あんなに優しい映画を好きだった人が、あんなに激しい演劇をしていたのだろう?
アングラの中でも、コンパネ板に体当たりを繰り返すような激しい舞台をしていた。
目指している場所は、最終的にどこにあったのかな。
晩年の作品は、どれも映画になってもおかしくないような作品ばかりだった。
どこかで、映画に行きたいと思っていたんじゃないかと思う。
シニアに向けた対話劇を構築し始めてから、病気になってしまった。
あの作品群は、思えば映画だったんじゃないだろうか。
激しすぎるほどの演劇を創りながら、たくさんの映画も観ていた。
外から観たら、まったく別物に見えたはずだけれど。
本人の話を聞いていると、目指しているものは案外同じものだったような気がしている。
舞台表現が尖っていって、一つのスタイルを見つけただけで、それを全てと判断されるのはきっと違っていただろう。
亡くなる直前に、自分が持っている映画のシナリオを貸した。
飲み屋で、この映画のシナリオ、すごく面白いという話をした時に、貸せと言われた。
亡くなった後にご家族から返してもらったら、びっしりとメモが挟まっていた。
どうやら、その映画を自分なりに解釈した舞台を構想していたのだという。
きっと、最後に考えていた舞台だ。
そのシナリオを返してもらった時に、自分は一つ、夢を託されていたのかもしれない。
そんなことを思った。
今、セブンガールズを映画公開していることは、点のようで、実は線だ。
長く長く続いた線を、ぽんと受け渡されて。
その線が細いながらも、まだ続いているんだ。
考えろ。
ここを起点に。
縦にも、横にも、奥行きにも、時間軸でも、哲学的にも。
ありとあらゆる広さをもって考えるんだ。
そして、学ぶのだ。
学んで、考えて、きっと何かと何かが、線で繋がる日が来る。
その時に起きる。必ず。
展開する。
さあ。
大事な週がやってくる。